VAIO Column
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(2003/01)


[ Alternative ] 2003/01/30(Thr)
仕事がかなりの山場にさしかかっております。
今年に入って仕事上の責任が少し大きくなったこともあるのですが、ただでさえ時間のないところにあちこちからムチャを言われていたり、こういうときに限って複数のトラブルに見舞われてなかなか作業が進まなかったり、なんかネガティヴな要素ばかりでかなり弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂、馬の耳に念仏<違
まー、がんばります。(涙


さて、最近のこの Column のトピックの一つは Intel の新モバイルプロセッサであったり、次世代ワイヤレス LAN の動向であったりするわけなんですが、昨日まで開催されていた「Platform Conference 2003」絡みで興味深い記事が PC Watch にて紹介されています。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0130/pfc02.htm
54Mbps 無線 LAN の主流になるのは果たして IEEE802.11a か、それとも IEEE802.11g か−−私もことあるごとにいろんな人と議論している話題なのですが、やはりいち早く IEEE802.11a 環境を導入というか自宅内ではほぼ完全に IEEE802.11b をリプレースしてしまった立場としては、かなり目の離せないところではあります。ここまできて IEEE802.11a がニッチ規格に終わっていってしまうとなると、泣くに泣けませんからね。
ソニーはどこよりも早く IEEE802.11a を採用したけれど、後発メーカーは続々 IEEE802.11g の方を採用してくる、という話はこの Column でも既に何度も書いているとおりですが、今回ご紹介した記事ではその理由として互換性よりもコストの面を大きく取り上げています。.11a/b 両対応も .11g/b 両対応でもユーザーの使い勝手的には大差ないものの、1 チップ(というよりチップ一揃い)で両方の規格に対応でき、実相面積や採用コストの面で .11a/b 両対応に大きくアドバンテージのある .11g という規格は、低価格化と普及速度に歯止めのかからないワイヤレス LAN 業界としては「採用しやすい」規格ということになるでしょう。技術的には、.11b や Bluetooth、電子レンジ等の同周波数帯の様々な電波の干渉を受けやすい .11g よりは .11a の方が安定性が高く、実際のスループットも .11g より高めになるので、ソニーが先頭に立ってやろうとしているワイヤレスによる家庭内での動画配信といった用途には .11a の方が向いている(このことと、高速なワイヤレス・インフラが欲しいと思っていた折りにちょうど .11a 製品の実用化ができた、というタイミングの問題もあってソニーが真っ先に対応製品を登場させたのでしょうが)のですが、逆に速度はそこまで出なくともそこそこ距離の稼げる .11g にもメリットはある、という状況になっています。
しかし、「ワイヤレス環境を含めた総合的なモバイル・プラットフォーム」としての立ち上げを目論んでいる Intel の「Centrino」プラットフォームは、当初(少なくとも今後一年くらいは)ワイヤレス LAN 規格として .11a/b しかサポートしない見込み、というのがまたネックになっています。詳しくは記事の方を読んでいただければお分かりでしょうが、「Centrino 搭載」として製品に Centrino ロゴ、「Intel Inside」ロゴを貼り付けるためには Centrino の CPU、チップセットに加えてワイヤレス LAN モジュール(Calexico)までちゃんと採用しなくてはなりません。Intel の「Intel Inside」プログラムは、PC 製品に「Intel Inside」のロゴシールを貼り付けることを許可するだけでなく、TVCF をはじめとする各種広告にこのロゴを表示することによって Intel からプロモーション費用の大きな援助を得られ、さらに Intel のブランドイメージにあやかることができるわけなのですが、そのメリットを受けるためには無線 LAN には .11a/b しか当初の選択肢はなくなってしまう・・・というわけです。もちろん、Calexico に加えて .11g のモジュールを搭載するという選択肢も考えられますが、速度的に同等の無線 LAN 規格を複数標準搭載する機能的・価格的メリットもあまりなく、更に PC の販売価格が下落傾向にある現状では・・・という話です。

では、Intel は、PC メーカーは、どうするのか?
確かに Centrino(というか Banias)はメーカーからもユーザーからも大きな期待をもたれていますが、Banias を「Centrino」にする必要条件である Calexico の登場が遅れ、その代替として .11g が頭をもたげ、かたやハイエンドノートではデスクトップ用 Pentium 4 の採用が進む・・・現在のこの状況は、Coppermine+i820 チップセット+Direct RDRAM の立ち上げ当初の Intel の状況にかなり似通っているような気がします。i820 の当初の不具合や、SDRAM に比べて異常なまでに高価な RDRAM、そして Coppermine の供給上の問題・・・こういうものに阻まれて、価格で Intel に勝りパフォーマンスでもほぼ Coppermine に拮抗する AMD の Athlon が地位を向上し、一方で上昇し続けるノート PC 用プロセッサの TDP の救世主のように登場した Transmeta の Crusoe がミニ・サブノートのキラープロセッサになるか?という状況になったあの頃のことは、未だ記憶に新しいでしょう。それまで CPU 業界では絶対的なまでの、神話に近い地位を誇っていた Intel でしたが、Coppermine+RDRAM の打ち上げ失敗から「Intel とて絶対ではない」という意識がメーカーの間に芽生え始め、今や半コモディティ化した PC においては(コアユーザーに対してでない限り)CPU も Pentium シリーズ登場以前のような「PC を構成する一部品」となってきたような気がします。PC の販売価格に対してより厳しい要求がなされている現在の状況において、メーカー各社がどこまで Intel の号令に従うかは、甚だ疑問である、と思います。
しかし、その後の互換 CPU メーカーはというと、AMD は Athlon の高クロック化に難航し、Pentium 4 のクロック優先のアプローチや低価格攻勢に押されて今では Celeron 対抗というか安物プロセッサのイメージに成り下がってしまい、Transmeta は TM5800 の製造上の問題で自滅しかけている・・・という状況を考えると(もちろん AMD は Hammer シリーズで、Transmeta は Astro で反撃に出ようとしていますが、実製品が出てくるまではまだ何とも言えません)、結局のところ「Intel の独壇場」とは言わないまでもやはりいつも一番大事なところを押さえているのは Intel、という構図になっています。このワイヤレス LAN 規格が最終的にどういうところに落ち着くかはまだまだ分かりませんが、今やかなり誰でも持っていることが当たり前になり、安いことが当たり前になってしまった PC で、新しいニーズを「ホームサーバ」に見出そうとしている状況下では、なかなか「付加価値」という言葉を使ってもユーザーの心を掴むことは難しいのではないでしょうか。PC というもの自体「最近つまらなくなったなあ」と感じているのは私だけではないはずです。結局のところ、ワイヤレス LAN にしても最終的に主導権を握るのは「どの規格を支持したメーカーか」ではなく、「その規格を使ってどういうことができるか」を我々に示し、それを本当に面白そう、便利そう、と思わせてくれるメーカーなのではないでしょうか?


[ 春を待つ ] 2003/01/29(Wed)
モバイル CPU において、予想された動きと予想を超えた動き。
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/29/ne00_mobile.html
まずは、Intel が「デスクノート」を正式に(?)サポートすべく、いわゆる「Pentium 4C」に近いコンセプトの“ハイブリッド”モバイル Pentium 4(Mobile Pentium 4-M ではない)を用意しようとしている、という話です。
これまではいわゆる BTO メーカーやニッチ市場を狙ったベンチャー系メーカー、あるいはコスト優先の米国系メーカーのイメージが強かった「デスクノート」ですが、この春の新製品で富士通とソニーが相次いで「デスクノート」をフラッグシップに据え、しばらくは流行となりそうな気配があります。2002 年度 3Q の連結決算で VAIO が大幅な減収となったことからも判るように、昨年上半期の PC 価格上昇への反動やデフレの影響により PC の販売価格が大幅に下落し、従来のハイエンドでとにかくフラッグシップの強さを見せるという路線から、あくまで付加価値を持たせつつも価格はそこそこ抑える、といった方向転換を余儀なくさせられている現状からすると、それほど活用されているとは思えない低消費電力や SpeedStep よりも価格的なメリットを追求するというのは自然な流れなわけで。しかし「あくまでラップトップ用プロセッサのハイエンドは Mobile Pentium 4-M」という意地を守ってきた Intel も、実際の PC ベンダやユーザーの選択をみると路線を変更せざるを得なかったのでしょうね。また、高パフォーマンス・低消費電力・高付加価値という三拍子揃った Centrino のマーケティング戦略と併せて考えても、トランスポータブルの領域は“ハイブリッド” Pentium 4 にカバーさせつつ、Centrino のターゲットをかなり上の方にまで伸ばそう、というのはまあ理に適っているとは思います。
しかしこのままでいくと「消費電力や TDP はそこそこ抑えつつも高パフォーマンスを実現する」という Mobile Pentium 4-M のコンセプトが、“ハイブリッド”Pentium 4 と Centrino の狭間で意義が薄れてきてしまうので、Centrino の離陸が順調にいけばいずれ Mobile Pentium 4-M というブランド自体がフェードアウトしてしまうのではないか・・・?と思っています。実際、その予感は少しずつですがありますしね。
この“ハイブリッド”Pentium 4 のスペックは、概説するとデスクトップ用 Pentium 4 を Mobile Pentium 4-M とほぼ同じパッケージに収めた感じになっています。しかしあくまでデスクトップ用 Pentium 4 との差別化を図るために、今後デスクトップ PC で採用されるとみられる 800MHz FSB や、Intel が盛んに売り出し中の HT テクノロジは当面採用されない模様。533MHz FSB で当初は 3.06GHz、HT 非対応の Pentium 4 というものになりそうです。それでも現状 2.60GHz(FSB 400MHz)である「デスクノート」の最高峰よりも大幅にパフォーマンスは高いんですけどね(^^;

もうひとつ。期待される「Centrino」は、当初から低電圧版・超低電圧版を含んだフルラインナップで登場する見込みだとか。
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/28/ne00_intel.html
「Centrino」というか、厳密には「Pentium M」なんですけどね(「Centrino」はプラットフォーム全体の名称)。
いやぁ、つい最近まで「LV/ULV Banias は 2003/2Q の末」と言われていたので、この CPU を採用した B5 サイズ以下のサブノート/ミニノートが登場するのもおそらく早くて 6 月、遅ければ 9 月くらいになるんじゃないか?と思っていたのですが、3 月といわれる Centrino の正式デビューのタイミングで同時に LV/ULV バージョンまで揃ってしまうようです。クロック周波数は LV 版で最高 1.1GHz、ULV 版で 900MHz とされており、現状の LV/ULV Mobile Pentium III-M から大幅にクロックアップするわけではないですが、処理効率が Pentium III からずいぶん上がっている(1.4GHz の Banias で 1.8GHz の Pentium 4 を軽く凌駕する、という噂です)ことを考えると十分なパフォーマンスを発揮しそう。期待される ULV 版が 1GHz の大台に乗っていないのが残念ですが、早いタイミングでの投入は素直に歓迎したいところです。
当初の噂通りに LV/ULV 版が夏以降に投入されていたとしたら、現在フルモデルチェンジ待ちか?とみられている VAIO SRX/C1/U の後継機種はマイナーチェンジあるいはフルモデルチェンジしつつも CPU は据え置き or 通常電圧版 Banias が採用されていたわけで、そうすると唯一通常版 Banias が載りそうな SRX の後継機種も当然通常版 Banias の発熱を捌くため相変わらず分厚い筐体で登場する・・・という悲しいストーリーになりそうだな、と思っていたのですが、LV/ULV がもう出るとなれば話は別。思いっきりリキの入った素晴らしいモバイルノートを力いっぱい期待してしまいます(とはいっても、ソニスタのイベント等で「そろそろ極薄 VAIO が期待されているけど次あたりどうなのよ?」と聞いてみてもイマイチ歯切れの良い返事が返ってこないので、期待薄かな・・・とは思っているのですが)。でも、とにかくこれで SRX、C1M あたりはフルモデルチェンジしない理由はない、というくらいに材料は揃ってきました。ということで、「二番風」を楽しみに待ってみることとしましょう。


[ QUALIA ] 2003/01/28(Tue)
本日の Column はちょっと、ムズカしい話・・・かもしれないです。

こないだ、サイト巡回中に Sony Drive を何とはなしに見ていたら、こんな記事が目に入りました。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200301/03-0121/
単なるソニーマーケティングの人事発表なのですが。

> 平間 陽一郎 クオリア準備室 統括部長
>                   〔現:広告企画制作部 統括部長〕

このくだりがやけに気になってしまいまして。
「クオリア」といえば、昨年の Sony Dream World 2002 の前後くらいから話題になり始めた、ソニーが温めているという新ブランド「QUALIA」のこと。2003 年に本格的な立ち上げを計画し、昨年の報道では「2002 年度中には具体的な製品として発表する」ということだったので、あと 2 ヶ月以内には何らかの形で発表がある可能性が高いんです。この「QUALIA」ブランドのための部署で、この時期に、しかもソニーではなくソニーマーケティングという会社の中で動きがあったということは「QUALIA」が我々に見えるところに現れる日も近いのではないでしょうか?奇しくもこの春は、昨秋の SDWE の時期に並ぶくらいの新製品ラッシュが見込まれていることですし。

と、いうわけで、気になる「QUALIA」とは何か。この謎を解き明かすべく、そのものずばり「クオリア」を研究しているソニー CSL(ソニーコンピュータサイエンス研究所)の研究員・茂木健一郎氏のサイト「クオリア・マニフェスト」を紐解いてみました。
http://www.qualia-manifesto.com/
この茂木氏、いろいろ調べてみると、なんと現在私の母校の大学院で客員助教授として研究室を持っているらしい。私は学生の頃から早く社会に出たかったので進学せずさっさと就職してしまいましたが、ちょうど 4 年になる頃にできた新しい大学院専門の学科で研究室をお開きになっていたんですね。「総合理工学研究科」という、客観的にみると専攻によっては非常に文系と理系の境目の曖昧な感じのところで、一体何を研究するところなんだろう、と思っていたのですが、こういうこともやっていたんですね。確かに、高名な科学者や研究者には単に科学だけでなく文学や芸術に造詣の深かった人も少なくはないですが(平賀源内やレオナルド・ダ・ヴィンチあたりが有名でしょうか)、やはりどんな学問でも芸術でも、究めていくとほんとうにいろんな学問や芸術が一方では拡散していくように見えて、全ての知識が一点に集約していくようになるんだろうな、と思います。

話がやや逸れてしまいましたが、このサイトの中で氏が述べていることは、「『クオリア』とは、例えば『赤の赤らしさ』といったことのように、全てのものに備わっていて私達が感じることのできる、ものの質感」であるということです。でもただの「質感」という話に留まらず、この「質感」を感じられるのは単に「もの」に物質的性質が備わっているから、というだけでなく、その「質感」を感じることのできる「私」という「主観」、それを創り出す脳のシステムが存在するからである、ということです。そして、氏の研究課題はこの「脳のシステム」にまつわる脳科学の話から、脳が生み出す認識や非常に難解な哲学の話にまで及びます。
氏のサイトに記述されている内容からでも「クオリア」に関わる様々なヒントを得ることはできるのですが、その内容はやや断片的かつ象徴的で、私のような素人には今一つ要領を得ませんでした。そこで、一冊氏の著作を読んでみることにしました。
しかし、マニアックな学術系の書籍ということもあり、なかなか書店でも見あたりません。八重洲ブックセンター本店でようやく一冊見つけたのが、最新の出版のこれ。
『心を生みだす脳のシステム 「私」というミステリー』
http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=00019312001
本当は、そのものズバリ『脳とクオリア』という書籍を探していたのですが、やや古い出版ということもあって取り寄せでないとなかなか入手は困難な模様。しかし、この『心を生みだす脳のシステム 「私」というミステリー』も、主には「クオリア」について述べたものでした。しかも、私のような素人にも、全然全然解りやすく書いてある、読み物としてもけっこう面白かったりする書物なので、興味のある方は一度読んでみてください。

まだ半分程度しか読み解いていないのですが、ここまで読んだ時点で理解した氏の論説はこうです:
世の中のあらゆる物質や現象の質感、即ち「クオリア」は我々の神経そしてその集合体である脳が認識している。脳という臓器はいわゆるシナプスで結びついたニューロンの塊であるが、個々のニューロンはそれ自体が「クオリア」を認識できるものではない。それぞれのニューロン、あるいは脳の部位には役割分担があって、ニューロンが受容することのできる「クオリア」は部位によって異なるが、「クオリア」を認識できるのはそれぞれのニューロンが結びつき、システムとして動作して初めて「クオリア」を感じることができ、またその「脳のシステム」という結びつきの中に「私」という主体を感じることのできる意識が存在し得るのだ。逆に言えば、「クオリア」を認識し、それに対して行動を起こす動物というものは、クオリアを感じる「感覚」だけではなく、それをイメージしたりそれに基づいて行動したりできる「指向性」のクオリアも同時に備えており、そういったクオリアの存在によって「自己」と「他者」という意識がもたらされているのである。
・・・ね、科学というよりは非常に哲学に近い話なのです。ただ、脳科学に基づいているから「哲学ってナニ?」という理系人間にも比較的理解しやすいですけど。

この話を読んで、私は以前抱いたことのある奇妙な疑問をふと思いだしいました。
例えば、イヌの視覚は色情報を知覚できないといいます。要するに、世界はモノクロで見えているということ。人間だって、もしかしたら、私にとって「赤」に見えているものは、ある人にとっては「緑」として見えていたり、色情報が反転して見えていたりするかもしれない。でも、その人はその「緑」を「赤」と認識しているから、「赤い」という感覚を持っているだけかもしれない(ってこういう例えで解りますか?)。なんか、「この物体は私がここにあると知覚しているから、確かにここに存在している」という哲学にも似た話ですが、そういうことなのかもしれません。←この話は別に氏の著作に書いてあるわけでも何でもなくて、私が単にそういうことを考えただけの話なのですが、ただ、少なくともそういう「クオリア」の感じ方には個体差があって、そういう個体差があるからこそ、「好み」というものが存在しているのかもしれないなあ、と思います。人間だって(あるいは他の生物でも)、全部の個体が同じものを好んで画一的な社会を作っていたら、何かのきっかけでそのものがなくなってしまったときに種の存亡に関わることになってしまうかもしれないですよね。だから、「クオリアを知覚する個体差」というものも、きっと種を保存するための多様化という意味では進化論的に非常に重要な意味を持っていて(以下、キリがないので略)

・・・という感じで、「クオリア」、平たく言い換えればさまざまなもの(物質に限らず音や光、イメージ、動きでもいい)が持っている質感、について考えてみました。そして、その「クオリア」という言葉の定義を考えてみれば考えてみるほど、ソニーが作ろうとしている「QUALIA」というブランドについて考えることが、難しく感じられるようになってきたんですよね。
だから、ソニーのバックエンドとしては「クオリア」や「脳のシステム」の背景まで踏まえて「QUALIA」を考えているかもしれないけれど、少なくともエンドユーザーである我々のところまで「クオリア」の真の意味が降りてくることは当面ないだろう、と考えることにしました。「QUALIA」がもたらすものは、「QUALIA」が我々に届けてくれる音や映像の、よりホンモノに近い「クオリア」の再現性なのかもしれませんし、我々がより強い「クオリア」の指向性を抱くことかもしれません。しかし、その裏では我々の「感覚」や「志向」、「意識」、「好み」、「自己」、「イメージ」、そういったものを理解し我々の行動を補助したり心理状態をよりポジティヴな状態に導いてくれるものを開発することは、AIBO や CoCoon、そしてまだ製品化されていない様々なソニーの実験プロジェクトを見るにつけ、ソニーの将来にわたる命題としてソニー自身が強く認識しているところだろうと思います。

では、結局のところ「QUALIA」という製品群(当初は 8 つの製品分野で登場するといわれています)とは何なのか。ソニーが公表しているキーワードとしては、「今までの製品とは違う、長い間使えてユーザーに感動をもたらすようなソニーらしい製品」という程度しか明らかにされていません。英語でいう「Quality」の源を同じくする言葉であろう「Qualia」という言葉の意味から察するに、単に質感や品質の高い高級志向の製品だった、というオチである可能性もなくはないですが、ある意味社命を賭けてまで開発中と言われているブランドだけに、それだけで終わるはずはありません。だとすると、「QUALIA」のブランドネームが意味するのは、具体的には「QUALIA」という製品、もしくは製品群なのか、複数のジャンルの製品に共通する思想・哲学なのか、「QUALIA」という名のユーザーの感情を理解するコンピュータが入っているものなのか、「QUALIA」という品質を満たすものなのか。あるいは、音楽でいう「和音の解決」(分かるかな?コード進行で、基本となるコードから次のコードに移るときに、一度気持ちの悪い(中途半端な)コードを経由して気持ちいいコードに移行することです)のように、やや中途半端なというか質感の足りない(言ってみれば「クオリアの足りない」)画質や音質に「クオリア」を補完して、ユーザーが十分な質感(=クオリア)の画や音を視聴できる、というものなのかもしれません。

蓋を開けてみるまで分からない「QUALIA」ですが、ソニーの力の入れようから考えると少なくとも期待はしていいような気がしています。具体的な製品の登場も近いでしょうし・・・。それまで、「QUALIA」が何なのか予想しながら待ってみるのも楽しいのではないでしょうか?
私は、久々に学術的(?)な興味をそそられた「クオリア」についてもう少しお勉強してみようと思います。


■記事リンク
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/journal/2002/020725/020725.html
http://www.mainichi.co.jp/info/my-shigoto/news/kigyou/200208/kigyou_news_2002080505.html
http://arena.nikkeibp.co.jp/trend/pickup/20020912/101846/
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/biz/207431


[ CLIE NZ ] 2003/01/27(Mon)
米国で先行発表されていた CLIE のニューモデルが国内発表。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200301/03-0127/
CLIE NZ PEG-NZ90 [2/8 発売]
http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-NZ90/
CLIE SJ PEG-SJ33 [2/8 発売(限定カラーのみ 2/22 発売)]
http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-SJ33/
登場したのは米国でも発表済みのモンスターマシン「PEG-NZ90」と「カジュアル・クリエ」のニューモデル「PEG-SJ33」の二機種。SJ33 はともかく NZ90 のスペックはもうギャグとしか思えません(ぉ

そのNZ90 のスペックは、ざっくり表現すると「PEG-NX70V+DSC-U20」といった感じ。カメラ部はそのまんま DSC-U20 です。しかしマニュアルフォーカスもついていますし、液晶モニタの品質が段違いなのでスペック的にはある意味 NZ90 の方が上かもしれません(笑)。見るからに NX70V よりも圧倒的な存在感を示しているカメラ部はまさにメガ粒子砲の砲門のよう。(^^;
NR/NX シリーズでは無駄なスペースになっていたキーボード下部には、最近ソニーが力を入れている IC カード・FeliCa リーダがついていますが、当面は EdySuica にしか使えないので、関東の人にしかあまり意味がないですね(笑)。
あとはこれといってスペック上の強化点というのもないのですが、NR→NX という進化の上で無理がきていたポートやデバイスの配置が見直され、インタフェースが若干合理的になったといいますか、CF カードスロットのおかげでカメラが隠れてしまったり、ボタン配置がムリヤリだったりということがなくなっているようです。CF スロットが出っ張らなくなったのはいいんですが、逆にカメラが出っ張ってきたのであまり意味がなかったり(笑)。あと、液晶の縁の部分にハードウェアボタンが半ばムリヤリ気味についていますが、これって使いやすいのかなあ。
サイズは幅 75×高さ 141×奥行き 22.2mm となっており、NX70V の幅 72.3×高さ 136.0×奥行 23.5mm というのよりは若干薄くなっているようですが、写真を見る限りかなり厚ぼったく見えるので本当かなあ、という気もします。しかも重量 293g って Palm にしてはかなり重量級ですし(NX70V は約 220g)。私が以前使っていた WorkPad c3 なんて 120g 未満だったんですから、NZ90 ってその 2.5 倍ですよ。厚みだって T650C を二枚重ねにしたくらいだし・・・。

価格はなんと \80,000 前後。ナメてます(ぉ
今の実売価格を考えると NX70(カメラ無し)と U20 を買っておつりがきます。スペックもサイズもヘビー級なら価格もヘビー級(笑)。ちょっとがんばれば型落ちの PCG-U1 にも手が届きそう、というか PC が一台 \49,800 で買えてしまう時代に何を考えているんでしょうかくらい言いたくなります(^^;PDA に \50,000 以上というのはさすがに出す気がしませんねー。


カジュアルモデルの SJ33 の方は、PEG-SJ30 のデザインを一新し、中身をほぼ PEG-T650C と同等のものにスペックアップしたモデル。とはいえ、Dragonball Super VZ 66MHz+Palm OS 4.1 という仕様は今となっては時代遅れでしょうか。ま、シンプルに PDA として使いたい向きには枯れていてちょうど良いかもしれませんが。\30,000 の実売価格もまあ買いやすいですし(スペックがこれなんだからもう一声、という気はしますが)。
個人的に CLIE ってソニー製品の割にはあまり惹かれないデザインの機体が多いのですが、この SJ33 のデザインはひさびさにビビッときたデザインかもしれません。でも、今更 OS4.1 のマシンには逝けないなあ。

また、残念なのはメモステ PRO への対応状況です。SJ33 の方はメモステ PRO 非対応。NZ90 も PRO 対応とはいえ PRO の MagicGate 機能には非対応なので、アクセススピードの方も PRO のフルスピードは期待できませんね(そんなに速くてどうする、という気もしますが)。でも、将来性を考えると MS-PRO 完全対応を謳っていない製品を買うのは怖いなあ、と思います。


本当のことを言うと、早く CLIE が欲しいことは欲しいんですよ。
というのも、sigmarion II を買ってからというもの、PDA としてはほぼデータビューア専用として WorkPad c505 を、ちょっとした通信用として sigmarion II を持ち歩く(更に仕事用に ThinkPad X21+AC アダプタ)という非常に効率の悪い使い方をしていたので、そろそろ PDA・H/PC を一本化してコンパクトにまとめたいなという気になっていたんですよね。加えて、秋に U3/P を買って、休日に sigmarion II をほとんど使わなくなったというのもあり。CLIE NX70 の NetFront ブラウザがかなりマトモで「これならば sigII の代わりに通信マシンとしても使えそうだな」と思ったものの、そう思ったときには既に限定グラファイトグレーは無く(泣)、何故か会社の同じ部署に NR70 ユーザーが 4〜5 人もいるため同じデザインの NX70 を買うのも癪だし(笑)ということで棚上げになっていたんですよ。かといって、NZ90 はでかすぎる&高すぎる。このままだと開発中と噂の sigmarion III(仮)に転びそうです。でも、WorkPad ももう 2 年近く使ってきて、最近充電中に液晶から高周波音が出るようになってきたり、使い勝手に不満を感じ始めてあまり使わなくなってきたということもあって、そろそろパワフルな OS 5.0 マシンに切り替えたいな・・・というところ。
最近「スーツの胸ポケットに Palm を入れる」というのをやめてしまったので、シグマリ+Palm を持ち歩いていたことを考えると NX サイズまではアリかなあ・・・と思い始めていました。でも、300g・\80,000 はムリでございます>ソニーさん。いや、でも実際この NZ90 っていうマシン、どういうユーザーをターゲットにしているんでしょう?ただでさえ PDA 市場が落ち込んでいる昨今だというのに・・・なんか、年々 CLIE の方向性が分からなくなってきています。

私が欲しいのは、T650C+OS5.0+CF スロット+ワイド液晶、これだけで十分(あと ATRAC3 再生機能がおまけでついていればいいかな程度)なんですけど!たぶん春の新入学・就職シーズンまでには出そうな気配はあるのですが、焦らさないで早く見せてくださいまし>ソニーどの。

ま、とりあえず CLIE はしばらく待ち、ということになったので、これで心おきなく NW-MS70D に逝くことができます。実は財政難でどちらを優先するか迷っていました(笑)。


それにしても、CLIE が 200 万画素、ケータイでもメガピクセルか?という時代。なんか次期 C1 の方向性も自ずと見えてきそうな・・・。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0127/sony1.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0127/sony2.htm
ケータイ Watch の記事
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,12471,00.html
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0301/27/n_newnz.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/27/08.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/01/27/641368-000.html


[ SQL Slammer ] 2003/01/26(Sun)
この土日は何かと忙しく、ネットにもあまり繋げていなかったのですが、私の知らない間にインターネットの世界はけっこう大変なことになっていたそうですね。テレビや新聞などでも報道されており、かなり深刻な事態であったことが伺われます。
asahi.com の記事
http://www.asahi.com/international/netshogai/
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0301/26/epn04.html
Microsoft SQL Server 2000 および Microsoft Desktop Engine 2000 に感染する「SQL Slammer」呼ばれるワームが 24 日に発生、25 日に大流行し、インターネットの至る所に影響を与えたとか。
http://www.symantec.co.jp/region/jp/sarcj/data/w/w32.sqlexp.worm.html
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=WORM_SQLP1434.A
http://www.nai.com/japan/virusinfo/virS.asp?v=W32/SQLSlammer
このワームに感染すると、サーバの UDP ポート(中でも MS SQL Server が利用する 1434 番ポート)に大量のトラフィックを発生させ、いわゆる DoS 攻撃(サービス拒否攻撃)を行った状態になるというものです。一日のうちにこのワームがかなりの勢いで感染を広げた結果、世界各地で発生した大量のトラフィックがインターネット全体に深刻な影響を与えた、ということのようです。
このワーム自体、既に公開されているセキュリティパッチをちゃんと当てていれば回避できていたものなので、「またか・・・」という感が強いのですが、これだけひっきりなしにウィルスが問題になっていても、なかなか世の中全体のウィルスに対する認識に改善の気配が感じられないことは、憂うべき事態です。仕事上どちらかというと UNIX サーバをいじる方が専門である私としては、「っていうか外向けのサーバに穴だらけの MS 系サーバなんて使わないで」と言いたいのですが(^^;いやぁ、ホントにそのうち「Windows Server でのイヤな経験と言えば、お客様の大切な SQL を実行してたら途中で急に動かなくなって、強制終了するしかなくなっちゃったこと。でも、今使っている MacOS X Server に替えてからは、一回もウィルス感染したことない。Windows って、ホント使えない。」とかいって Apple のキャンペーンに使われそうです(笑)。

「どうせサーバの話でしょ?私には関係ないない」と思っている方が少なからずいそうですが、「Klez」あたりは昨年から全く勢いが衰えないどころかむしろ私のところでは感染メールの受信率が増えている感じですし(最近はさすがに腹が立ってきたので発信元サーバを特定して ISP に調査依頼していたりします。このための労力がまたバカにならない)、なんか新手の「LIRVA」という種のワームがヨーロッパから国内に感染を始め、流行の兆しを見せているとか、ウィルスの脅威は全く対岸の火事でも何でもありません。実際、今日も So-net から「LIRVA」に関する注意報メールが届いたところですし。

頼むからみんなウィルス除去ソフト入れてください。
あ、パターンファイルのアップデートと定期スキャンもちゃんとしましょうね。


[ Hyper-Threading ] 2003/01/25(Sat)
2003 年春の「Meet SonyStyle」第 2 弾、銀座ソニービルでの VAIO RZ セミナーに参加してきました。
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Special/Meet/
Intel岩本氏を講師に招いて新 Pentium 4 の「Hyper-Threading」テクノロジに関する解説と、それを有効活用する PCV-RZ71P の紹介が中心でした。
Hyper-Threading がどういうものか、というのはこのサイトによく訪れる人であればもはや解説するまでもないでしょうが、よく解らないという方は
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/10/21/08.html
↑このあたりが解説としてはよくできていると思います。
セミナーの内容としては、前半が HT に関する基本的な技術概要、後半がパフォーマンス比較として RZ71P を 2 台用い、一台の HT 機能を BIOS でオフにしてパフォーマンスの違いを直接比較していました。

Intel は「HT はすごい!」とけっこうな勢いでプロモーションをかけ、メディア側も多少提灯っぽい記事を書くものですっかり「みんな HT、HT っていうけどホントにそんなすごいのかな?」と懐疑的な思いを抱きつつ、半ば冷やかしのつもりで見に行ったセミナーでしたが、その思いは見事に裏切られることに。
RZ71P のウリはもちろん強力なマシンパワーを活かしたノンリニアビデオ編集なのですが、その看板アプリ「Adobe Premiere」での比較がかなりすごかったんです。Premiere のレンダリングエンジンってマルチスレッド対応(即ち、マルチ CPU や HT に対応している)なのですが、セミナーでの実験環境では明らかに HT を有効にしているマシンの方が倍近くレンダリングが高速で、なおかつ CPU 使用率にけっこう余裕があるんです!しかも、その上で更に別のアプリを走らせたりすると、HT オフの RZ71P ではかなり反応が鈍くなった(描画系の処理が追いついていない感じ)のですが、HT オンの方は Premiere でレンダリングしつつ MovieShaker を起ち上げて MovieShaker のレンダリングまで余裕でこなせてしまうレベル。この違いにはハッキリ言って衝撃を受けました。
もちろん、全てのアプリケーションでこれだけ違いが出るわけではなく、今回のセミナーでのデモは特に HT による差がハッキリと出るタイプのデモだった、ということも大いにあるのですが、Premiere のレンダリングとか TMPGEnc で MPEG のエンコードばかりガリガリやらなくてはいけない用途では明らかに違うでしょうね。Pentium 4 4.0GHz くらい積んだ感覚になったりするかも。とはいえ、Premiere といってもひたすらエンコードするわけではなくてむしろ編集等にかける時間の方が圧倒的に長いでしょうから、RZ71P を導入したところで突然作業にかかる時間が半分になるとかいうことはないでしょうが(笑)。
でも、これだけパワーを与えてくれる HT といっても、その本領を発揮できるのがこういったハイアマチュア以上向けのアプリがほとんどである現在では、あまり意味がないと言えばないんですよね(必要な人以外には)。各メーカーがホームネットワークをぶち上げている現在では、バックグラウンドでメディアサーバ系タスクが走っていても、同時に端末としての動作も完璧に・高速にこなせるという点では意味があるでしょうが。確かにショールームでのデモなんかを見ていても、十分にパワーのあるはずのマシンでもちょっとどっちか側をいじると途端にコマ落ちしたりするときもあるからなぁ・・・(これは CPU だけじゃなくてメモリや HDD アクセス、ネットワークにも絡む問題なので一概には言えませんが)。とはいえ、Intel さんがプロモーションで「これからの時代は Hyper-Threading がマスト」みたいな感じで言っているのはちょっと違うような気もします。

正味 30 分のセミナーの中で、「HT とは何ぞや?」から「HT 対応と非対応でどれくらいパフォーマンスが違うの?」の比較デモまでやるというかなりキツキツなタイムテーブルだったので、今一歩突っ込んだ感じがせず個人的にはけっこう食い足りないセミナーではあったのですが、前後の時間帯にいろいろお話を伺ったりしてなかなか興味深いセミナーでした。一般ユーザーの立場で「今度の新製品はどこがすごい」みたいな話を聞けるセミナー形式の場所ってなかなかないですからね。けっこう有用だったと思います(でもやっぱりちょっと食い足りない)。


そうそう、今日から(フライングしてるお店では昨日から)VAIO 新製品の発売が一部始まっていますね。VAIO W、GRZ/GRS、FR といったところですか。
銀座に行ったついでに有楽町ビックで状況を見てきたんですが、やっぱり VAIO W はちょっと喰いつきが違うかな、という感じでした。大ヒットしてあちこちのテレビドラマでも小道具として使われているくらいだから、その新製品といえば注目を浴びるのは当然でしょうか。MD もついたことですし。
W はよく見ると「ムーンホワイト」も微妙にカラーリングが以前のホワイトとは違いますね。アクリルパネルに若干青というか紫がかったパネルが使われているため、ヌケのいいホワイトというよりは若干色気のあるホワイトな感じです。「コスモブルー」もイイ感じですが、今回もやっぱり白が売れてしまうのかな。
W120 をさっそく買った方がいたら、ぜひ感想とか聞かせてほしいですね。


[ 心ヲ揺サブルモノ 心ヲ満タスモノ ] 2003/01/24(Fri)
インフルエンザその後。
ここ数日は記事を書く体力もあまり残っていかったのですが、それでも気合いである程度までは回復してきました。というか、忙しすぎて自分が病人だというのを忘れていただけかも(笑
数日間、熱が出たり喉が腫れて水を飲むのも辛いという状態が続いていたのですが、だいぶ良くなりました。でも今度は咳が出てきて・・・昨秋も咳で死にかけていた時期があったので、そうならないうちになんとか完治させたいと思います。

そんなこんな・・・のうちに、ソニーグループから OpenMG 関連のニュースが二つほど出ていましたね。
レーベルゲート CD
http://www.sonymusic.co.jp/cccd/
any music
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-0123/
「レーベルゲート CD」の方は昨年 11 月に予告されていたもの。当面はシングル(マキシシングル)のみですが、春以降はアルバムにもこの方式が採用されていくようです。でも、マルチセッションにして ATRAC3 や MAGIQLIP プレイヤーをつける、ということは少なくとも CD 盤面の 1 割は使ってしまうということですよね?単純に考えても、(CD-ROM の容量を 74 分として)実質 65 分ぶんしか収録できないわけか。CD の容量いっぱいいっぱいにアルバムをつくりたいアーティストとか、海外モノでボーナストラック満載盤とかはちょっときつそうですね。
個人的に avex とかそっち系(どっち系だろう)の音楽は聴かなかったり、このテの議論ってしだすとキリがないので今までこの Column では敢えて CCCD のネタは取り上げないようにしていたんですが、それでも私の聴く数少ない国内アーティストは大半が SME 系なので、それが CCCD になるとなるとちょっと厳しいなあ。音質向上技術をふんだんに使っているといったって、何も処理しないレッドブック準拠の CD-DA より良くなるということはないでしょうし。
CCCD の導入について avex は「カジュアルコピーの氾濫云々」とか言ってましたが、自由に使えるお金が小遣い程度しかなくて、カジュアルコピーに対する意識があまりない(と思われる)年齢層しかターゲットにしていないんじゃあしょうがないでしょう、と思いますね。ある程度大人であれば、自分が良いと思った音楽はちゃんと買うでしょうから。実際、紅白効果があったとはいえ『地上の星』があれだけ売れたんだから・・・。そもそも営業成績悪化の原因を全て(確かに原因の一部ではあるだろうけど)「お客様」のせいにしている時点で企業として(以下略
ま、これ以上書き始めると本当にキリがなくなってしまうのでやめておきますが。
もう一方の「any music」の方は、ソニーが昨年開発したデジタルコンテンツの著作権管理・配布技術「OpenMG X」を核としたコンテンツ配信サービスと、そのサービスを執り行う会社のことです。「レーベルゲート CD」も、この OpenMG X の技術を利用したものですね。
このサービスの具体的な内容や対応製品は明らかになっていませんが、第一弾はやっぱりオーディオ版 CoCoon なのでしょうか。この会社を設立した共同出資メーカーがケンウッドパイオニアシャープといった、ピュアオーディオよりもどちらかというとゼネラルオーディオ・カーオーディオ主体のメーカーばかりであることから考えると、そういった製品が主になるのでしょうね。Net MD ウォークマンとか、マイクロコンポとか、カーオーディオとか・・・。賛同企業としてはオンキヨー、デノン、ビクター、ヤマハなどのピュアオーディオ〜AV 系のメーカーも名を連ねていますが、こちらはどちらかというとネットワークミュージックよりも SACD や DVD オーディオといった高級志向の方向性に意欲がありそうなので、こちら側にはとりあえず名前だけ入れておいた、というスタンスかもしれません。


ところで。
2、3 日前から「SO505i」の流出画像とおぼしき写真が流れ始めています。
auのアレ
http://tori2.hp.infoseek.co.jp/
ヤバめの情報なのでここに書いたものかどうか迷ったのですが(笑)、ウチなんか比較にならない超大手ニュースサイトで取り上げられたので自信を持って貼ってみました(ぉ
もう誰も想像できなかったような奇抜なデザインですよね。折りたたみは折りたたみなんだけど、スイスアーミーナイフっぽい開け方と表現すればよいのでしょうか?果たして開けやすいかどうかは使ってみるまで謎です(笑)。背面液晶が全盛の中で、前面が背面、背面が前面であるという逆転の発想。うーん、私はせいぜい A3014S っぽいデザインに背面液晶・着せ替えパネル・カメラ・Duo スロットくらいと予想していただけに、激しく裏をかかれてしまいました。
ハード写真が出ただけなので中身については何とも言えませんが、閉じた状態はどことなく PDA っぽい雰囲気を醸し出していますし、写真をよーく見ると側面にシャッターボタンっぽいものがあるようなないような・・・?ということは本体を閉じたときは横にして・・・?液晶も大きくて高解像度、発色も良さそうなので、これで万一メガピクセルだったりしたらそれこそ Cyber-shot U よさらばって感じでしょうか(^^;
「505」だし、VAIO カラーっぽいのもあるし(笑)。4〜5 月といわれていますが、早く春にならないかな。


[ IEEE802.11a/b/g ] 2003/01/21(Tue)
一部機種は発売日が今週末に迫った春 VAIO ですが、販売開始前の製品レビュー記事が各ニュースサイトに掲載され始めています。
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/21/nj00_vaiow.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/products/firstimp/2003/01/21/641284-000.html
ZDNet の VAIO W の記事なんかは面白いですね。「コスモブルー」には青の塗料を使っていないとか・・・。
先週末の展示イベントはもう終わってしまいましたが、その後お台場メディアージュ銀座ソニービル心斎橋ソニータワーでも先行展示されているようなので、購入を検討中の方は一度足を運んでみては。


Broadband Watch にこんな記事が出ていました。
久しぶりに登場したリンクシスの意欲作 〜802.11g対応無線LANルータ Wireless-Gを試す〜
http://bb.watch.impress.co.jp/column/shimizu/2003/01/21/
LINKSYS の IEEE802.11g 搭載ブロードバンドルータ「Wireless-G」のレビュー記事です。スループットが 20Mbps に満たない製品なので(LINKSYS 自体が米国出自のメーカーなので、xDSL や CATV が広がり FTTH の普及があまり進んでいない米国の事情を考慮すると、その辺りのスループットに落ち着いてしまうのも無理はないですね)、光ユーザーである私はこのルータ自体には全く興味はないのですが、気になったのは IEEE802.11g に関する記述。そう、これらの製品を皮切りに、いよいよ 54Mbps 無線 LAN のもうひとつの規格、IEEE802.11g が本格的に製品展開を始めてきそうなのですよ。ちょうど今日、コレガも IEEE802.11g 対応製品を発表していますし・・・。
http://www.corega.co.jp/product/news/030121.htm
日本国内での認知度がそれほど高くない LINKSYS はさておき、コレガは無線 LAN 関連製品では低価格をウリにメルコに次ぐくらいのシェアを占めているのではないでしょうか?さらに、.11g 陣営ではマシン本体に .11g 機能を内蔵した Apple という無視できないプレイヤーも存在していますし・・・。
対する .11a 陣営としては、ソニーのほかには今のところ大手ではアイ・オーアイコムくらいでしょうか?アイ・オーは周辺機器メーカーとしてはメルコと二強を分けている感じですが、こと無線 LAN という分野ではさほど印象が強くないですからね、ちょっと弱いなあ。

先週末、お台場のイベントに行ったときにスタッフの方と話してきたんですよ。「なんかよそは .11g とか言ってるけど、ソニーは .11a ってどうなのよ?HS に .11a を内蔵しちゃって、将来性は大丈夫なの?」みたいなことを。
とりあえず、現状 .11b 内蔵の PC が多い中でいち早く高速な無線 LAN 規格を採用したことに関しては、「VAIO Media」や「ルームリンク」などのホームネットワークで使うには、.11b は帯域が狭すぎて動画なんかは鑑賞に堪えないから、というのは言わずもがなでしょう。が、.11a を推進していく姿勢については、「高速無線 LAN 規格はこれから普及が始まる規格。むしろ、ソニーが率先して .11a 機器を採用していくことで、高速無線 LAN 規格普及の牽引役となっていきたい」みたいな回答をいただきました。
ある意味、(最終的に .11a 規格が主流となるのであれば)非常に頼もしいお言葉ですが、このまま .11g に圧されて負け規格となってしまうとしたら・・・。.11g に鞍替えするなら今のうちに鞍替えしてしまって、逆にこのままいくつもりなら「VAIO は .11a と一蓮托生」ぐらいの気持ちで最後までいってほしいですね。仮にある程度 .11a 機器が VAIO ユーザーの間に広がった時点で「これからは VAIO は .11g でいきまーす!」と言われてしまった日には、目も当てられませんから(^^;可能な限り、傷は浅いうちに・・・。

先の Broadband Watch の記事には「同じ 2.4GHz 帯の周波数を利用する .11g と .11b を同時に利用した場合、どの程度干渉による影響を受けるのか?」みたいな記事もあって、非常に興味深いです。結果としては .11g が .11b から受ける影響には無視できないものがあるようです。家庭内における動画のストリーミング配信、みたいな用途を考えると、.11b に限らず Bluetooth や電子レンジ等、氾濫する電波の影響を受けやすい .11g よりも .11a の方が向いている、ということが言えるかもしれませんが、当初相互干渉が懸念されていた .11b と Bluetooth 間の電波干渉も研究が進んだおかげでほとんど干渉しないレベルにまで枯れてきた、といいますから、.11g も遠からずその程度まで規格としては固まってきそうな気もします。逆に .11a は信号の伝達距離が比較的短い(距離に対する電波強度の落ち込みが 2.4GHz 帯の電波と比べて激しい)ので、お互いに一長一短、といったところでしょうか。
しかし、業界の趨勢としては、先行する .11a 陣営に対する .11g 陣営による包囲網が出来上がってきた、という感じになっていますね・・・今後、どういう方向に自体が流れていくのか、もう少し見守っていく必要がありそうです。昨秋の時点で既に .11a 体制を固め、.11b の宅内での使用を打ち切ってしまった私としては、このまま .11a でいってほしいんですけどねぇ(^^;まあ、最悪の場合はソニスタからレンタルしている無線 LAN キットを返却してしまえば、実質的な被害は PCWA-C700 一枚で済むんですけどね(^^;


ときに、みなさんカゼひいてませんか?
私は、どうもインフルエンザっぽいです。昨日の午後あたりから具合が少しずつ悪くなってきて、夜には高熱にうなされていました(汗)。早めに床に就いたのですが、熱に苦しまされて熟睡できず、夜中に催眠作用のある解熱剤を飲んでなんとか眠った・・・という感じでした。
今朝、目が覚めて「今日は会社行かない方がいいかなあ・・・」と思っていたら、いきなり会社から電話がかかってきて出社しなければいけない状況に(泣)。そうさ、休んでいるヒマなんてないのさ(ぉ
とりあえず薬で抑えていたのと気合いで乗り切ってきました。仕事に集中している間は体調が悪いのも忘れてがんばれるんですが、ふっと気を抜いたらそのまますーっと意識がどこかに行ってしまいそうな瞬間を何度か味わいながら(汗)一日を過ごしました・・・。気合いのせいか、昨夜よりはそこそこ良くなってきた気はしているんですけどね。
というわけで、みなさんもくれぐれもお気をつけて・・・。


[ Make It Easier ] 2003/01/20(Mon)
Sony Style の昨年末の「ありがとう 2002」キャンペーンで行われた、「直接お届け!」で使用された自転車と同型機の限定販売が開始されました。
http://www.jp.sonystyle.com/Arigatou/Otodoke/main.html
マニア受けするこだわりのパーツ選びに、隊長機が「赤」というマニアックな仕様(笑)で話題を呼んだ「お届け隊」のオリジナル自転車。キャンペーン終了時に実際使用された 3 台は抽選でソニスタのお得意様にプレゼントされましたが、私は見事漏れてしまいました(泣)。ちょうど自転車が欲しかったところなので、一般販売の価格が気になっていたのですが、いざ、蓋を開けてみると

ありがとう 2002 自転車赤色隊長号「BCYC-2002/R」
販売価格: 158,500 円(税・送料別)
ありがとう 2002 自転車イエロー隊員号「BCYC-2002/Y」
販売価格: 135,500 円(税・送料別)


高っ!!!
買えません(泣
うう、お金を貯めて夏頃までには欲しかったプジョーの MTB を買おう・・・。


富士通パーソナルズがシニア向け PC「らくらくパソコン」を発表しました。
ニュースリリース
http://www.personal.fujitsu.com/products/pc/rakuraku/release.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0120/fujitsu.htm
この Column では今までに何度も「ユーザビリティとは?」「ユニバーサルデザインとは?」という(主に高齢者問題について議論してきましたが、実際の市場はというと今までなかなかそういうユーザー層に向けた製品が登場してきませんでした。私の知る限り、学術レベルでもユーザーインタフェースやシニア向けのトレーニング方法など、比較的一般的な分野に関してはそれなりに研究が進んでいましたが、直接製品化に結びつきそうな部分についてはそれほど研究が進んでいなかったことも事実だと思います。
このサイトに訪れるような人であれば、今までに一度は「今度パソコンを買おうと思っているんだけど、初心者にも/年寄りにも分かりやすいパソコンってない?」という相談をされたことがあるのではないでしょうか(ちなみに私はしょっちゅうです)。私はそのたびに、「今のパソコンって、例えば Windows のパソコンならどれでも使い勝手はほとんど同じで、あとはどういうソフトを使いたいか、何をしたいかによって変わってくるんですよ」と言いつつ、外部機器の接続やソフトのインストールの手間のない A4 オールインワンノート(主に FX みたいな 3 スピンドルタイプ)を推薦し、場合によっては購入から初期設定まで面倒を見る、ということを繰り返してきました。
多くの場合、こういうことって多少知識のあるユーザーか、あるいは販売店が相談を受け、半ばボランティアの形で行ってきたものですが、今度の富士通パーソナルズは「メーカーサイドがいよいよ本格的にシニア層への PC 普及に動き出した」という点で、非常に評価できるものだと思います。

これまでも何度か引き合いに出してきましたが、DoCoMo の「らくらくホン」シリーズが携帯電話の中で隠れたベストセラーになっているとか(偶然かどうかは分かりませんが、「らくらくホン」の現行機種は富士通が製造を担当しています)。一般的な売れ筋端末というのは、発売日周辺に爆発的な台数を販売し、あとは尻すぼみになっていくものですが、この「らくらくホン」シリーズだけは定常的に堅実な売上を記録しているそうです。そりゃあ、最新の携帯電話端末に比べれば機能も少なくデザインも「今風でない」ものが多いですが、このことは「シニア層も確実に情報機器に対する需要は持っている」ということを示しています。実際、私の叔父・叔母達(けっこう歳が離れていて、みんな 50〜70 代)も、ここ 1 年ほどで急にみんな自宅に PC を導入し始めているんですよね。私が以前は「まさか PC に触れることはないだろう」と思っていた叔父・叔母達が PC を勉強しようとしているんですから、こういう層におけるニーズは確実に広がっているようです(余談ですが、私は実家に帰ると叔母達と顔を合わせるたびに「パソコン教えて」と言われるので、極力顔を合わせたくないという親戚不孝なことすら少し思っています。私の職業はパソコンのインストラクターか何かだと勘違いしている模様(^^;)。

ちょっと話が逸れましたが。

この「らくらくパソコン」にはシニア向けにどのような工夫がなされているかというと、
  • 起動時に Windows のデスクトップではなくオリジナルのシンプルな操作メニューを表示
  • キーリピートの間隔を長めに設定
  • 文字やアイコンのサイズを拡大
  • アイコンの簡素化
  • マウスポインタの拡大
  • 印刷マニュアルを B5 版から A4 版に拡大
  • クイックシート(基本操作のチェックシート)の内容を充実
  • お薦めサイトの追加
など、とりあえず普通の PC に軽いカスタマイズを加えた程度のもので、おそらくまだまだ大学生の卒論レベルの内容を超えるものですらありません。とはいえ、単なるカスタマイズ PC を売って終わり、という話ではなくて、ちゃんと有人の設定サービスやサポートまでやってくれるのは、ユーザーには非常にありがたいことでしょう。アプリケーションソフトやシステムにまで踏み込んだ「シニア向け PC」の開発には、学術機関や競合メーカーまで巻き込んで真剣に取り組まなくてはならないでしょうから、一朝一夕に作れるものではありません。
そもそも、本当にシニア層(と一括りにしてしまうのはやや危険な発言ですが、一般論として)に相応しいコンピュータというのは、キーボードとマウスをインタフェースとするもので良いのか?という議論があります。Windows じゃなくて Mac の方がいいんじゃないか、Tablet PC の方がいいんじゃないか、もはや衰えてしまったインターネットアプライアンスのような方向性が相応しいのではないか、など、考えるときりがありません。しかし、一般的にこういったユーザー層に向いているとされる手書き文字認識も音声入力も、PC のメインの入力インタフェースとしては効率の点でまだまだ改善の余地がありすぎますし、液晶パネルにタッチスクリーンを採用する(関係ないですが、富士通パーソナルの Web に掲載されている「らくらくパソコン」のイメージイラストが、いかにもタッチスクリーン液晶を搭載しているような誤解を与えそうなのはちょっと問題だと思います)というのも、コストを考えるともう少し時間が必要でしょう(Tablet PC が本格的に広がりだすようなことがあれば、一気にタッチスクリーンの価格も下がるでしょうが)。まずは、メーカーサイドがようやく本格的に腰を上げたこと、これに意味があるのではないでしょうか。今度は、先日この Column でも取り上げたメールソフトのような、現存ユーザーの外の世代やファミリーに向けたソフトウェアの開発を、あらゆるジャンルで進めていくことが、次のステップとなるでしょうね。

「ホームネットワーク」の普及が、低迷する PC 業界に再度需要を掘り起こし、メーカーの営業成績を回復させるための「やや無理矢理作り出した感もある新しいニーズ」であり、(全体の方向性としては間違っていないのかもしれませんが)やや急ぎすぎのきらいがあります。一方、シニア向け PC 事業というのは、企業の重要な存在目的のひとつである「社会貢献」という役割を担うものであると同時に、「今までほとんど誰も手を触れてこなかったけど確実に存在していたニーズ」をフォローするものである、と思います。特に一般消費者の消費が冷え込み、同時に高齢化が進む一方である日本国内においては、ホームサーバとかよりもこっち方面の事業を進めていくことの方が必要なのではないでしょうか?逆に言えば、そういう日本だからこそ、国内メーカーの富士通が真っ先に手を挙げてきたのではないかと思います。
最終的には、ソフトウェアからハードウェアまでの研究が形になってきて、最初からプリンタなどの必要な周辺機器がセット(あるいは選択可能)になっていて、ブロードバンド回線の相談から申し込み・工事・設定まで一手に引き受けてくれる「本当の意味でのオールインワン」として製品とサービスが完全に一体化したときに、「シニア向け PC」という市場がひとつ完成するのだと思います。低迷する PC 業界を再び盛り上げるカギも、この分野に転がっているのではないでしょうか。


[ ハルカゼ ] 2003/01/19(Sun)
先週後半から寒気がやってきてすっかり寒い関東地方ですが、PC 業界は各社春モデルの発表もひととおり終え、すっかり「春一番」がやってきた感じになっていますね。
そんなわけで、昨日はお台場にて開催中の「Meet SonyStyle "Spring 2003"」にて今春のニュー VAIO を目撃すべく、メディアージュに行ってきました。2003 年初メディアージュ。
詳しいことは以下からどうぞ。

→VAIO Column 特別編「Meet SonyStyle "Spring 2003"」レポート

とりあえず記事を補足・・・というか、イベント会場にてちょろちょろっと耳にしてきた裏話(?)を少し。

展示機を触っているうちに気がついたのですが、どうも新 HS シリーズの内蔵無線 LAN ルータ(HS91、HS31 に内蔵)は IEEE802.11a のみならず IEEE802.11b にも対応しているっぽい?
というわけで、担当の方に突っ込んで聞いてみたところ、「カタログにも Web にも明記されていないが、新 HS のワイヤレス LAN ルータは部分的に IEEE802.11b にも対応している」そうです。内蔵しているルータ(どこかのメーカーからルータ機能を持った PCI ボードの OEM 供給を受けている?)が密かに持っていた機能とからしいのですが、完全には IEEE802.11b の規格を満たしておらず「対応」を謳えないということです。.11b 信号の方は到達距離が短く、7m 前後しか届かないそうなのですが、.11b 機能自体がソニー的にはもともと無保証なのでこの到達距離も「7m」として保証されるものではないとのこと。詳しいことは該当機種の元箱に投げ込みチラシの形で入っているそうなので、購入する方がいたら確認してみてください。
以外にも、無保証ながら .11b が使えるということは、現在 .11b 対応機器を持っていて、将来的には .11a に移行したいけど当面 .11b は必要、という人にはありがたいですね。でも、7m 程度ってあまり無線で飛ばす意味がないかも(^^;

もうひとつはノートの方。
今回発表された VAIO ノートの新製品は、あくまで 12.1 インチ以上の比較的大型のノートでしたよね。V505 もパワフル・モバイルという感じでスペック的にはかなり強烈に強まっているのですが、「モバイルの VAIO ノート」というイメージを長らく作ってきた VAIO としては SRX 以下のサイズで新製品が発表されず、やきもきしている人も多いはず。当然、3 月発表といわれる Centrino 待ち状態になっているのでしょうが、となると現在カタログ落ちしている SRX の後継機種は通常電圧版 Banias 搭載で出てくるのか?薄型 12.1 インチは作らないのか?C1 の後継機種はどうなるのか?U は?など、疑問は尽きません。
スタッフの方に聞いてみたところ、なかなか核心を衝いたコメントは得られなかったのですが、ヒントをいただきました。

「この春、VAIO には 2 度風が吹く」

まあ、Banias のリリース時期から考えてモバイルタイプの VAIO ノートはやや時期を外れてモデルチェンジするだろう、とみていた人は多いでしょうが(逆に真っ先に Banias 搭載モデルに変わるだろう、と思われていた R505 の後継が Pntium 4 だったことには度肝を抜かれましたが)、これで確信に変わったと言っていいでしょう。今回 Banias が載るかどうかは別としても SRX のモデルチェンジはあるでしょうし、C1 や U にも何か起こらないとも限りません。もしかしたら NV のときのように意表をついた製品が、あるいは Banias の特長を活かした形の製品が登場するかもしれません。全てはソニーのみぞ知る・・・。

また、C-TEC さんの速報記事にも書かれていましたが、
http://www.sonyshop.c-tec.co.jp/main/vcam/dcr-trv70k_info1.htm
この春は VAIO 以外にもまだまだかなりの数の新製品が隠されているようです。もしかしたら昨秋の SDWE のとき以上かも?CoCoon の次期モデルや、そろそろ発売から一年を経過する DSC-P9 の次、そして CLIE T シリーズの OS5 版、等々このサイトに関連するところでもいろいろな新製品が登場しそうな予感です。まだまだ、目の離せない日々が続きそうですね。


[ 2003 SPRING VAIO NEW LINEUP (2) ] 2003/01/17(Fri)
今日の VAIO Column は、VAIO 2003/春モデル情報の後半です。
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116_sscj.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116_biz.html
後半戦はノート編なのですが、今回はなにやらモデルチェンジになっているモデルが少なめですね・・・。


VAIO GRV PCG-GRV99G/P, GRV88G   [GRV88G:2/8 発売、GRV99G/P:3/上旬発売]
VAIO GRZ/GRS PCG-GRZ77/B, GRS55/B   [1/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-GRV99G/
VAIO GRV PCG-GRV110 (Sony Style オリジナルモデル)   [3/上旬発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Grv/
VAIO GRS PCG-GRS500 (Sony Style オリジナルモデル)   [1/25 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Gr/
この Column でも既に何度か取り上げていますが、VAIO のフラッグシップノートである GRX/GRS シリーズがデスクトップ用 Petium 4 を搭載した「デスクノート」としてモデルチェンジ、GRV/GRZ シリーズとして登場しました(一部、GRS シリーズも併売)。全モデルで 15 インチ以上の大型液晶を搭載し、3kg オーバーの重量とあっては「モバイル」よりもほとんどが「トランスポータブル」としての用途となるため、低消費電力で SpeedStep を搭載した Mobile Pentium 4-M よりも、パワーとコスト重視でデスクトップ用 CPU を搭載するのもある意味無理からぬ流れだ、というのは既に述べたとおりです。ただでさえデフレの進む市場において、現在の Mobile Pentium 4-M は部品価格としては高すぎますからね。高価な CPU を搭載するために製品の市場価格を引き上げるにしても、昨春の PC 値上げ時期に起きた買い控えの記憶がまだ生々しく残っているメーカー各社としては、何としても価格は保ったまま同時に利益も追求しなくてはなりませんから。
最上位モデルの GRV99G/P の諸元は、Pentium 4 2.60GHz、i845GP チップセット、512MB DDR SDRAM(最大 1GB)、60GB HDD、DVD±RW、MOBILITY RADEON 9000(64MB)、16.1 インチ UXGA(1,600x1,200)液晶、WinXP Professional。もうスペックシートだけ見ているとデスクトップ PC かと見紛うような仕様になってきました。っていうかノートで VRAM 64MB ってなんですか、FFXI をやれとでも言うのでしょうか。RADEON もそろそろ推奨環境に認定されそうなことだし。次のモデルあたりでは、いきなり HT 対応 Pen4 とか 2.5 インチ HDD のスペースに 1.8 インチ HDD を 2 台搭載して RAID くらいやってきてもおかしくはありません(笑)。

デザインは GRX/GRS シリーズからほとんど変更されていません。変わったといえば遂にジョグダイヤルが廃止されたことくらいでしょうか。筐体に使われている素材も、コストダウンのためかマグネシウム合金は GRV99G/P のみとなり、GRV88G はプラスチック(その分、GRV88G の方が本体の厚みが 1.3〜1.5mm 厚くなっている)。デスクトップ用 CPU を採用してきたこともそうですが、かなりかなりコストダウンをしているようで・・・。今まで「ツインサーマルクーリング機構」とかいってセールスポイントの一つになっていた冷却機構についても今回は全く触れられておらず、デスクトップ用 Pentium 4 をもうなりふり構わず(笑)冷やそうとしているっぽいのが伺われます(^^;

GRV で注目されているのは RZ シリーズと同様に GRV99G/P に搭載された DVD±RW ドライブ。もちろんノート PC としては世界初となります。DVD+R/RW の書き込みが 2 倍速、DVD-R/RW が等倍速というスペックは DVD-R のシェアが高い現在としてはちょっと寂しいですが、+R の方は読み込み側に対する互換性が高いですし、自分の環境で使うには +RW も悪くないですし。今回の GRx シリーズは他の機種でも全て DVD-RW ドライブ(DVD-R/RW 等倍速書き込み)を搭載していますが、今後どんどん ±RW ドライブの採用率が高まっていくことでしょう。
インタフェースとしてはなかなか USB 2.0 が採用されないのが残念なところ。Intel のノート用 Pentium 4 向けチップセットではまだ USB 2.0 がサポートされていないのがその原因でしょうが、やっぱり消費電力や発熱、実装面積まで考えると、さすがにデスクトップ用のチップセットを搭載するわけにはいかなかったか(笑)。最近ではノートでも USB 2.0 がだんだん当たり前になりつつあるのでちょっと残念ですが、当面は i.LINK に頼るしかないのでしょう。これだけ何でも内蔵されていて i.LINK も使えるのに、これ以上 USB 2.0 で何を繋げるんだという気もしますしね。

・・・という感じでかなり強力になった新 GR シリーズですが、パワーアップの一方でコストダウンの影が落ちてきたようで、なんだか GRX シリーズだった頃のような「憧れ」を感じなくなってしまったような気がします。まあ、その背景には今までデスクノートはキワモノ的扱いだった、という偏見があるのですが・・・GRV という型番もなんかピンと来ませんし。こういうネガティヴイメージを払拭する「何か」がもうひとつ欲しいですね。


VAIO NV PCG-NV55E/B   [1/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-NV55E/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Nv/
秋冬モデルに引き続き、1 モデルのみのラインナップとなった NV シリーズ。CPU を NV99E/B の Mobile Pentium 4M 1.70GHz から Mobile Celeron 1.70GHz にダウングレードした以外は NV99E/B と同じ仕様。FDD、Net MD、サブウーファの 3 つのエンタテインメントベイが付属しています。実質的な在庫整理に入ったと考えて良いのかもしれないですね。
しかし昨年初夏モデルとして登場した初代 NV99M/BP がこの NV55E/B より若干低いスペックで \300,000 前後していたことを考えると、Net MD ベイつきで実売 \200,000 というのは非常にお買い得ではないでしょうか?15 インチ SXGA+(1,400x1,050)の高解像度液晶を備えている上に、Office XP Personal も付属していますし。このままシリーズ打ち切りになる公算が大きいことを納得できるならば、GRS や FR の半端な仕様のモデルを買うよりは良い買い物になると言えるでしょう。
デスクトップ VAIO の方では W120 に Net MD ドライブが内蔵され、Net MD 内蔵 VAIO の種類が増えたことになりますが、このままだと逆にノート VAIO では Net MD 内蔵機種が絶滅してしまうかもしれません。今までの VAIO ノートでは、C2GPS や GT シリーズなどの一般的に「キワモノ」と呼ばれるモデルも、結果としてハンディ GPS や VAIO U につながったことを考えると、NV も VAIO ノートの歴史に何かその遺伝子を残すことができるのでしょうか。

そういえば、前モデルからひっそりと終焉に向かっていった QR、VX のようなシリーズもありますが、このあたりにも何かそのうち動きはないのでしょうか?6.4 インチから 16.1 インチまで広くなりすぎた VAIO ノートのラインナップですから、ある程度整理をしなくてはならないのも道理ですが、一度出たものが消えていってしまうというのはやはり寂しいですね。


VAIO FR PCG-FR55/B, FR33/B, FR33   [FR33/B:1/25 発売、FR33:2/1 発売、FR55/B:3/8 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-FR55/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Fr/
1999 年 2 月、アメリカからの逆輸入の形で発売された PCG-F14/BP・F16/BP からまさに 4 年、途中 FX シリーズに名称を変えて若干カラーリングもダークカラーに変更されつつも基本デザインを全く変えずに続いてきた「VAIO ノート」Fx シリーズが遂にフルモデルチェンジ。この Column でも「次は FR の名を冠してフルモデルチェンジするに違いない」と何度書いたことでしょうか(笑)。Fx シリーズのコンサバティヴなイメージを残しつつも、従来の Fx シリーズとはガラッと変わったスタイリッシュなデザインに一新されました。外装がシルバーパープル、内装がブルーパープルというツートンカラーは、現行の VAIO シリーズの中では一番 VAIO っぽいカラーリングなのではないでしょうか(^^;そういったあたりも VAIO の中で一番コンサバな Fx シリーズならでは、という感じがしますね。

スペックは Mobile Athlon XP 1800+、15 インチ XGA 液晶(FR33 は 14.1 インチ XGA)、GeForce4 420 Go グラフィックアクセラレータ、40GB HDD(FR33 は 30GB)、DVD-ROM/CD-RW コンボドライブ、USB 2.0×3。入門用としてはこれ以上何も求めるものはない、という仕様ですね。これで実売価格が FR55/B で \190,000、FR33/B で \170,000、Office XP を省いた FR33 では \150,000 ですからかなりコストパフォーマンスが高いです。ま、FR55/B を買うくらいなら NV55E/B の方がお買い得っぽいですが。

この FR シリーズではチップセットに新しく VIA Apollo KT266A を採用し、それによって VAIO ノートでは初の USB 2.0 対応となっているのが嬉しいですね。GR シリーズを差し置いて初搭載、というのは誇って良いかもしれません。基本的にオールインワンなのであえて USB 2.0 で繋ぐべきものも思い浮かびませんが、将来性があるというのはいいことです。
私も昨夏モデルの FX11VA を祖父に勧めましたが、最近 Fx シリーズを見直しているんですよ。デザイン的な魅力はあまりないものの、奇抜すぎないので幅広いユーザーに堅実な選択肢として勧められますし、何も繋げなくても一台で完結したマシンとして使えるというのは、初心者に勧めるという点では非常に大きいです。長らく堅実なペースで売れ続け、密かにこのシリーズが VAIO のベストセラーになっている、というのも納得です。FR シリーズにモデルチェンジしてデザインもちょっと「かっこいいかも」と思えるようになり、ますますお勧め度の高まった FR、今後も楽しみです。


VAIO V505 PCG-V505R/PB, V505/B   [2/1 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCG-V505R/
VAIO V505 PCG-V505T1 (Sony Style オリジナルモデル)   [2/1 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/505/
掲示板でもかなりの議論を巻き起こしている、サブノート VAIO 久々の問題作「V505」が国内デビューしました。Mobile Pentium 4-M に DVD-ROM/CD-RW コンボドライブというまるで A4 オールインワンノートのような V505 の仕様を予測し得た人は、おそらくどこにもいなかったのでは?
後期型 R505 とほぼ同サイズ・同重量の筐体に詰め込んだ Mobile Pentium 4-M 1.80GHz、コンボドライブ、2.4GHz ワイヤレス LAN。よくこのサイズに圧縮できましたね・・・。無理矢理光学ドライブ内蔵まではまぁ理解できるのですが、これで Pentium 4 の発熱を捌けてしまうというのだから、びっくりです。R505 が通常電圧版 Mobile Pentium III-M を搭載してきたときでさえ心配になったものですが・・・。
33.5mm という薄さの中にこれだけのものを詰め込むために、パームレストとタッチパッドの段差を従来の 1/10(0.1mm)にしたり、光学ドライブに 9.5mm 厚のコンボドライブ(通常は 12.5mm 厚)を新規開発したりしています(おそらくジョグダイヤルを廃したことも薄型化に貢献していることでしょう)。本当にコンマ mm 単位の薄型化の積み重ねでこれだけの薄さを実現している、という血の滲むような努力が垣間見えますね。これまでも 9.5mm 厚の光学ドライブは何度か開発されていますが、これだけ大々的に PC に採用されたのは今回が初めてではないでしょうか?CD-R の書き込み速度が最大 8 倍速という平凡なものだったり、同じ薄さの記録型 DVD の開発も大変そうだったり、ということから今後全てのノート向け光学ドライブが 9.5mm 厚に集約されるということは当面はないでしょうが、このドライブは他にもいろいろ応用ができそうですね。

デザイン上の特徴は何と言っても本体シャシーが三層構造になったこと。上から順に、液晶モニタを搭載する「ビューレイヤー」、入力インタフェースをまとめた「コマンドレイヤー」、コンボドライブと端子類を実装した「エンタテインメントレイヤー」という呼称がつけられているようです。「エンタテインメントレイヤー」部がダークカラーになっているのは、この部分を目立たなくして実際よりも大幅に薄い印象を与えようというデザイン上の工夫でしょう。というか、「エンタテインメントレイヤー」はやっぱりひっぺがしたいなあ(^^;
最近「へこ文字」の VAIO ロゴも従来より小さくなったりいつもとは違う場所についていたりシャープなプレス加工で成形されていたりとこだわりが見られますが、V505 の「へこ文字」はヘアライン加工で仕上げられており、モバイルユースではかなり注目を集めることは間違いなさそうです。んー、早く実物が見てみたいですね。

しかし改めて考えてみると、どんどん大型化する A4 オールインワンノートに引っ張られるようにどんどん重厚長大化してきた 12.1 インチ版「505」シリーズですが、ついに光学ドライブ内蔵になってしまいましたか。もはや「モバイル」と呼べなくなってしまった GR の代わりに「持ち歩けるオールインワン」の位置付けを与えられてしまいましたね。モバイルでビデオ編集くらい軽くこなしてしまえそうなくらいパフォーマンスも高いですし・・・。しかも、ソニスタモデル「PCG-V505T1」では Mobile Pentium 4-M 2.20GHz が選択可能でヘタな A4 ノートよりも余裕で強力なんです。素直に驚嘆すると同時に、「もうこんなの 505 じゃないやい」と言いたい気持ちも大いにありますね(^^;
V505 がこうして位置付け的にやや上にシフトしてきたことを考えると、10.4 インチではこのギャップを補う高モビリティの機体を期待してしまいます。あるいは、MURAMASA が薄型 12.1 インチに 2 スピンドルタイプと極薄 1 スピンドルタイプの 2 シリーズにラインナップを拡げたように、もうこれ以上ないくらい薄い 12.1 インチ 505 を出してくれないかな?LV Banias くらいならなんとか載りそうな気もしますし・・・。

今回は SRX/C1/U シリーズのモデルチェンジはありませんでした。C1MZX と U3 は当面続投ということのようで、今までの発売サイクルからいくと 4 月頃に一度モデルチェンジして、更に半年後に ULV Centrino と Astro が出てきたときにフルモデルチェンジ、というストーリーになっているのではないかと読んでいます。
SRX に関しては、1 月号の製品カタログから消えてしまっている、ということなので、しばらくは SRX7S/PB・SRX3S/BD の流通在庫でしのいでおいて、3 月頃ニューモデル発表か?というムードになっていますね。このタイミングだとすると、通常電圧版 Centrino が載ってくるということでしょうか。となると、SRX の後継シリーズも相変わらずちょっと厚ぼったいモバイル機になってしまうということでしょうか?ヘタをすると、こっちも 2 スピンドルだったりして(^^;

実は、私は、昨年の 5th Anniversary のときに期待されていた記念 505 が出なかったのは、本当は「出さなかった」のではなくて「出せなかった」のではないか?と思っています。企画レベルでは話はなかったわけはないはずなのですが、去年の時点では以前の PCG-505 に匹敵する薄型の筐体に入れられる CPU がなかったので、作りたくても作れなかったのではないかと。確かに、Crusoe や ULV Pentium III を使えば作れないことはないのですが、そうなると SRX より 2 段階くらい低いスペックで出さざるを得なくなり、PC としての商品力が弱い、C1 や U より動作クロックが低くなっても説得力に欠けるし・・・という経緯があったのではないか?と勘ぐっています(特に根拠はなく、あくまでそうであってほしいという希望なのですが)。競合メーカーが最近手を抜かずに薄型ノートをどんどん出してきていることから考えても、ソニーにだって負けないくらいインパクトのある薄型ノートを作れるくらいの技術力は蓄積されているはずなので、Centrino の正式リリースをもって「機は熟した」となってくれると良いのですけど。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0116/sony1.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0116/sony2.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0116/sony3.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0301/16/n_vaion.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/01/16/641174-000.html
http://ascii24.com/news/products/firstimp/2003/01/16/641182-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/16/10.html
WPC ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20030116/103436/


[ 2003 SPRING VAIO NEW LINEUP (1) ] 2003/01/16(Thr)
待ちに待った VAIO の 2003/春モデルがいよいよ発表されました。
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116_sscj.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/products_030116_biz.html
Intel の新モバイル CPU の発表の後なので、なんとなく今日だろうな、とは思っていましたが、結果的に昨日発表されたプロセッサ・チップセットは一切採用されていませんね・・・。
本日は新デスクトップ VAIO の概要について見てみたいと思います。大方の予想通り、今回のデスクトップでは昨秋より市場への訴求を始めた「ホームサーバ」の概念を一歩推し進めたモデルを揃えてきました。


VAIO RZ PCV-RZ71P, RZ61, RZ51   [2/1 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-RZ71P/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Rz/
まずはフラッグシップ RZ シリーズから。
RZ シリーズのトピックは何と言っても Hyper-Threading 技術対応の新 Pentium 4 3.06GHz 搭載でしょう(RZ71P)。Hyper-Threading とは、大雑把に解説すると 1 個の CPU をあたかも 2 個のデュアル CPU であるかのように見せかけ、それぞれの仮想 CPU が別々にスレッドを処理することで CPU の利用を効率化し、CPU 1 個でデュアル CPU に迫るパフォーマンスを実現しようという技術です。
とはいえ、PZ71P では CPU 自体はこの Hyper-Threading(HT)に対応したものの、現状ではまだアプリケーション側が HT に対応していないため、HT 対応 Pentium 4 が搭載されたからといってそれがそのまま劇的なパフォーマンス向上につながる、ということではないでしょう。Adobe Premiere 等 SMP(Symmetric Multi Processor:対称型マルチ CPU)に対応した一部のアプリでは効果があるかもしれませんが、そもそも SMP 対応=HT 対応というわけでもないかもしれないので、微妙です(この辺りについて知っている方がいたら教えてください)。現状では、デュアル CPU に対応した Windows XP Professional 環境下においてマルチタスク作業時のパフォーマンス低下を防ぐという使い方、つまり「ホームサーバ」としての処理をバックグラウンドで行わせつつ、RZ の高いマシンパワーを必要とするアプリをガシガシ使っていくような使い方が RZ に搭載された Hyper-Threading の最大の用途となるのかもしれません。でも HT 対応版 VAIO アプリも現在開発中、ということなので、RZ72P の世代くらいには間に合うでしょうし、RZ71P にも HT 対応版がアップデートとして提供されることはあるかもしれません。

もう一つ、新 RZ シリーズの特徴はやはり全てのモデルで DVD±RW ドライブを搭載してきたことでしょう。
ソニーが既にリテール市場向けに出荷を開始している DVD±RW ドライブ「DRU-500A」と同じドライブ、正確には「DW-U12A」を搭載し、4xDVD+R/2.4xDVD+RW/4xDVD-R/2xDVD-RW という書き込み速度を実現しています。RX シリーズを皮切りに積極的に記録型 DVD を推進してきた VAIO ですが、いよいよ自ら規格を起こした DVD+RW 規格に本腰を入れてきたようです。仮に最悪 DVD+RW 規格がコケたとしても、DVD-RW が使えるという逃げ道もありますしね(^^;

それ以外の点は従来の RZ シリーズから順当なスペックアップといったところですが、RZ71P では現在の最大容量となる 250GB の HDD を搭載しているところにも注目です。これにもしソニスタで 250GB 増設 TUNE をしたら 500GB、言い換えれば 0.5TB ですよ・・・いよいよ「テラ」の単位が見えてきましたが、初代 PCG-505 の HDD が 1GB だったことを考えると、技術の進歩にはただただ驚かされるばかりです。


VAIO MXS PCV-MXS7R, MXS7   [2/1 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-MXS7R/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Mx/
MXS シリーズは比較的地味なマイナーチェンジにとどまっています。CPU(2.53GHz)、HDD(160GB)が一段階アップし、DVD-RW ドライブが DVD±RW ドライブに置き換えられたほかは、旧モデル「PCV-MXS5」シリーズからほとんど変更されていません。しかし、マザーボードが変わったらしく、メモリスロットが 1 本減って最大メモリ容量が 1.0GB に下がっています(MXS5 はスロット 3 本、最大 1.5GB)。これがカタログ誤記でないとすると、旧型のマザーは何か問題があったのでしょうか・・・?
先代の PCV-MXS5R では「ルームリンク」のエバンジェリストとなった MXS でしたが、後述しますが今回は「ホームサーバ」としての位置付けを HS に、MXS のアイデンティティの一つであった Net MD ドライブを W に奪われ、「音にこだわった」「デスクトップ VAIO で唯一 MG メモステスロット標準搭載」くらいしかなくなってしまいました。その MG メモステスロットも メモリースティック PRO の著作権保護機能に対応しないので将来性には疑問符がつく、となると位置付け的には微妙になってきますね。そろそろフルモデルチェンジも近いのでしょうが、今度のモデルチェンジではやはり流行の DVD マルチチャンネルサラウンドに対応したアンプを内蔵して 5.1ch 分のスピーカを同梱するとか、「VAIO コンポ」時代のイメージで PC 部と AV アンプ部をセパレートにする(もちろん機器間は USB 接続で)とかいった方向性の転換がないと厳しいのではないでしょうか。まあ、これだけホームシアターキットや専用機が低価格化・多様化してきている中で、「PC で DVD マルチチャンネル」というものに訴求力があるかは疑問ですが。


VAIO HS PCV-HS91, HS81, HS71, HS51, HS21   [2/1 発売(HS91 のみ 3/上旬発売予定)]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-HS91/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Hs/
VAIO HS PCV-HS31 (Sony Style オリジナルモデル)   [3/上旬発売予定]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Hsw/
今回、ある意味最大の問題作かもしれないのが新 HS シリーズ。同じシリーズの中で性格の異なるモデルが多数存在するという、非常に分かりにくいラインナップになっています。大雑把に分けるとすると、「ホームサーバ」「ペンタブレット」「ビジュアル・コミュニケーション/エンタテインメント」「JX」この 4 カテゴリ。
「ペンタブレット」は LX シリーズから受け継ぐ流れ、「ビジュアル・コミュニケーション/エンタテインメント」は MOTION EYE と Giga Pocket を搭載した HS シリーズの専売特許、というところは従来通りなのでいいとして、問題は「ホームサーバ」と「JX」。

まずは「ホームサーバ」。
初代 HS の頃から、HS を使った「もう、VAIO がホームサーバ」というキャッチコピーを用いた CM がガンガン流れていたので、VAIO Media+ルームリンクを使って HS をホームサーバにする、ということ自体はもう目新しい話でもないのですが、今回は更にワイヤレス LAN 対応ブロードバンドルータ機能を内蔵してきました。ワイヤレス LAN ブロードバンドルータ機能内蔵の「ホームサーバ」対応モデル、という位置付けは、昨秋登場した富士通の「DESKPOWER L」とほぼ同コンセプト。
IEEE802.11a に対応したワイヤレスブロードバンドルータは、100BASE-TX/10BASE-T に対応した Ethernet ポートを WAN/LAN それぞれ 1 ポートずつ備え、更にアナログモデムまで搭載した仕様。ほぼ同社の「PCWA-A500」をそのまま内蔵したような形になっています(スループット等は不明)。本体電源を切ってもルータ機能は別に動作するようになっていて、「ルータ機能のために PC を起ち上げっぱなしにしておかなくてはならない」という情けない仕様ではないのはありがたいです。が、それだったら別筐体で良いじゃんという気がしなくもない(笑)。まあ、初心者でも設置や設定が簡単にできるように、との配慮で一体型になっているのでしょうが。
ルータの無線 LAN 機能に採用されている IEEE802.11a は、B5 ファイルサイズ以下の機種で積極的に IEEE802.11b を採用してきた VAIO ノートの流れと矛盾するように見えますが、外出先でのホットスポットサービスの利用など、機動力が重視されるモバイル PC では .11b を内蔵し、ホームネットワークを利用した動画のストリーミング再生のような用途が想定されるデスクトップ PC には .11a を内蔵するというのがソニーの方針らしいですね。ADSL の理論速度が 12Mbps に達し、年内には更に高速化しようという状況の中で、11Mbps で頭打ちになる .11b を今さら家に入れてどうするの、Giga Pocket の高画質映像も満足に流せないのに・・・と言いたいのかもしれません(^^;
しかし、このどこよりも早い IEEE802.11a 内蔵が必ずしも良い方向に向かうとは言い切れないのが辛いところ。コンシューマ PC メーカーとしては唯一、先陣を切って IEEE802.11a 無線 LAN を推進するソニーですが、メルコApple というソニーとともに .11b 普及の旗手を務めた二社が相次いで .11a の競合規格である IEEE802.11g への対応(と同時に IEEE802.11a への非対応)を表明した現在、.11a の方向へ一社でどんどん突き進んでいってしまうのはちょっと危険ではないか・・・という気がします。まあ、徐々に .11a/b デュアルバンドの製品も増えてきていますし、メルコ+Apple の影響力とソニーの影響力は結局どちらが大きいのか、の結果次第で今後の同行は違ってくるでしょうが、逸って .11a を導入したユーザーが最後に泣きを見るようなことだけは内容にお願いしたいデス>ソニー様

こういう無線 LAN ルータ内蔵なんかを見てても感じるのですが、個人的にはこの VAIO HS や競合他社の「ホームサーバ」機に見られるような「PC にどんどんホームサーバの機能を詰め込んでいこう」という方向性にはあまり賛同できないんですよね。仕事柄、「サーバ」というものを非常に慎重に扱わなくてはならない立場としては、いろいろな日常作業を行わせていつなんどきどんなトラブルが発生しないとも限らないメインマシンに「ホームサーバ」としての機能を任せるなんて、とても怖くてやってられないと思うわけです。そりゃ、資金も場所もそこそこ余裕がある企業と違って一般家庭では一台の PC に極力機能を詰め込んでコストパフォーマンスを追求する、というのももっともではあるんですが、「サーバ」であるもので日常作業をするなんて、とても気持ち悪いです。
例えば Handycam で撮った家族の大切な記録を保管する「ホームサーバ」としても使っているデスクトップ VAIO の調子が悪くなって、Windows XP が起動すらしなくなったよ!といって VCL に電話したら、十中八九「リカバリしてください」と言われるんですよ?そんなマシンに大事なデータを保存しておけますか?ま、どこまで想定してディスクパーティションを決めているかにもよりますが、私はストレージサーバ(ホームサーバ)と PC としての使用マシンは別筐体にすべきだと思っています。「ホームサーバ」はそれこそ「CoCoon」みたいな情報家電だったり、Sun の「Cobalt Cube」みたいなサーバアプライアンスだったり、あるいは「VAIO Contents Egg」だったり、というようにキーボードもディスプレイもないシンプルなハードウェアでいいと思うんですよ。おそらくその辺はメーカーも分かっていて、PC ベースのもの以外に現実こうしていろいろなタイプの「ホームサーバ」が半ば実験的に登場してきているんだと思いますが、ある程度ちゃんとした形になるのはコンパクトで必要十分な機能を持った「ホームサーバ」機器が登場し、一般ユーザーにまで「ホームサーバ」の概念が十分に行き渡った頃の話になるだろうな、と思います。

最後のキーワードは「JX」。そう、今回は JX シリーズはアップデートされず、そのままカタログ落ちしてしまっています。
HS シリーズの中で最廉価モデルとなる「HS21L5」は 15 インチ液晶を付属して実売 \160,000 前後。実質 JX シリーズと同じ位置付けになったといえるでしょう。むしろ、「MOTION EYE」を搭載しないシンプルな液晶ディスプレイと組み合わせたその姿は、ほとんど JX そのものと言ってもいいでしょう。今回は、HS シリーズのメインモデルがダークグレー、HS21(とソニスタモデルの HS31)のみがライトグレーというカラーリングになっており、このことからも HS は最下位モデルで JX シリーズのコンセプトを取り込んだということができると思います。まあ、HS シリーズの登場当初から HS と JX はデザイン的にもコンセプト的にもかなり被っていましたから、当然の流れといえるでしょうが。
それにしても、これだけ上下に幅広い HS のラインナップを見ると、省スペースデスクトップや液晶一体型デスクトップ全盛の昨今、よほどのヘビーユーザー以外はみんな HS か W に集約させよう、というくらい HS に力を入れているソニーの姿勢が見えますね。逆に言えば、多メーカーを見てもこれだけスリムデスクトップ全盛という状況下で、マイクロタワーモデルを主力として投入し続けてきた VAIO がむしろ異色だったのかもしれません。

ところで、米国で発表された RS シリーズはどうなるのでしょうか?省スペース性よりもコスト重視の傾向が強い米国に特化したモデルで終わってしまうのでしょうか?RX+MXS÷2 という感じで筐体デザインも悪くないし、旧 J シリーズ改造ユーザーに歓迎されそうな良いマシンだと思うのですが。でもやっぱり Giga Pocket もついていないのにただデカいだけのデスクトップは日本ではウケないのかな。
とりあえず、続報に期待です。


VAIO W PCV-W120, W110   [1/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/PCV-W120/
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/W/
ちょうど 1 年前の初代 W101 の発売以来、爆発的に・かつ確実にシェアを拡大し、多くのフォロワーを生み出した VAIO W。今回はカラーリングくらいは変わるだろうけど、あくまでマイナーチェンジに抑えてくるだろう・・・という予想を、良い意味で大きく裏切ってくれました。というかやってくれました。やったぜベイベーこんちくしょう。<?

まずは、本体色。
従来のブラック/ホワイトというカラーバリエーションから、「コスモブルー」/「ムーンホワイト」というラインナップ(PCV-W110 は「ムーンホワイト」のみ)になりました。ホワイト偏重の機種構成になっていることから、やっぱり W10x はホワイトとブラックでかなり売れ行きに差が出たのでしょうか。ブラックから変更された「コスモブルー」はブラックと違って写真で見る限りネイビーというかダークブルーっぽい、少しノーブルなイメージのあるカラーリングになっています。しかし、光にかざすと少しラメっぽいというかキラキラした質感の出る特殊な塗装になっているようで、このあたりが「コスモブルー」の由来でしょう。キラキラしなかったら「コズミックブルー」だったのでしょうが、それはそれで Cyber-shot と合いそうでいいなあ(^^;
このネーミングもそうですが、このカラーリングは「夜空の明暗」がテーマになっているといいます。夜空の深い青と、満月の無垢な、潔い、白。ただ、「ムーンホワイト」が通常のホワイトとどう違うのか謎ではあります(笑)。
色のネーミングは単にご都合主義でつけたものではなくて、ちゃんとそれを裏付けるためにアプリケーションにも夜空をイメージさせるちょっとした仕掛けが施されています。それは、W110/W120 のキーボードを折り畳んだときに画面に表示される「Motion Clock」。この「Motion Clock」のデモページがあるのですが、デモを動かしてみると確かにカッコイイ。どことなく、「夜空」や「月光」をイメージさせるデザインになっていて、しかも、雪や雨、霧などのエフェクトもかけられる、とめちゃくちゃ凝ってます(中にはフレアホーリーみたいなエフェクトもある)。単にカッコつけるためだけに名前をつけるのではなくて、それにちゃんと意味を持たせようとするあたりが VAIO らしいですね。あ、でもよく VAIO ノートとかで使われる「○○クーリング機構」とか「○○デザイン」「○○スタイル」っていうのは単にカッコつけてるだけですが(笑)。

・・・で、本題。
問題の Net MD 搭載の話です。
まさかまさかまさかまさか、VAIO W に MD がつくとは!!!もう、ただただびっくりですよ。こんなこと、誰が予想したでしょうか?予想も何も、VAIO W にはこれ以上モノを詰め込むスキマなんてないと思っていました。それが、この W120 だもの。ZDNet の記事にも「本来、入るはずのない場所に MD ドライブを内蔵したため、内部の設計をかなり見直した」とありますが、確かに。私もはじめこの MD 内蔵という仕様を見たとき、「ありえなーい!!」と思わず本当に声を上げてしまいそうになりましたから(^^;

もともと VAIO W には Net MD 内蔵のプランなんてなかったのでしょうが、いろんなメーカーに真似されて、しかも(価格帯が違うので直接比較はできませんが)ハードウェア MPEG-2 エンコーダを積んだり「ホームサーバ」機能をつけてきたり、カタログで見比べたると VAIO W が逆に劣っているようにすら見えるようになってきて、ここらでバシッとライバル機種との差別化を図る必要が出てきた結果がこの Net MD なんだろうと思います。
結果的に、これからの新入学・就職シーズンに購入する「一台目の PC」にぴったりのマシンに仕上がったのではないでしょうか?しかも、MXS を買うよりずっと安いですし、これはまた大ヒットの予感ですね・・・。

スペック的に見ると W102 から CPU が Celeron 1.80GHz に変更されただけで(W102 は Celeron 1.60GHz)あとはほとんど変わっていないのですが、「そんなことは大した問題ではない」と断言できるくらいに強い魅力があります。

うう、やばー。欲しい。

今私がメインで PC を使っているのは寝室兼書斎(?)にしている 4.5 畳の部屋で、AV ルームとは別に音楽を聴いたりもできるよう LAM-1 を置き、17 インチ CRT+ミドルタワーの自作機を使っているんですが、仮にこれらを W120 一本にリプレースしたらかなりスペースが空くし基本スペックも高くなる上にテレビまで観れるんだよなあ・・・最近自作機もハードな使い方をしていないし・・・CoCoon も返しちゃうし・・・と思うと、激しく心が揺さぶらrem;o[aw,op7n4m%v、やばい、かなり動揺しているようです(汗
いや、でも、正直な話 W120 に USB アンプとちょっといいスピーカを繋げればもう MXS なんて要らなくないですか?今のところ DVD±RW も必要としていないし、HDD とメモリさえ足してやれば、これで十分なんですが。
ただでさえ最近「W が欲しいかも」と思っていたところなのに、このマシンはキケンすぎます・・・。


と、いうわけで、本日発表されたニュー VAIO たちは早速今週末に東京・大阪で開催される Sony Style のイベント「Meet SonyStyle "Spring 2003"」で展示されるようです。
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Special/Meet/
「ホームサーバ」としての完成度が気になる HS に何があろうと Net MD は見ておかねばなるまい VAIO W、そして今回フルモデルチェンジした V505 に FR。とりあえず私も行くつもり。


明日は後半・ノート編をお送りします。

PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0116/sony4.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030116/sony.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/16/nj00_vaio_desktop.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/16/nj00_vaiow.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/01/16/641162-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/16/09.html
WPC ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20030116/103443/


[ Desknote ] 2003/01/15(Wed)
Intel が Mobile Pentium 4-M 2.40GHz をはじめとするモバイル向け CPU 製品群を発表しました。
ニュースリリース(英文)
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20030114comp.htm
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0115/intel.htm
発表されたのは、Mobile Pentium 4-M 2.40GHz、ULV Mobile Pentium III-M 933/900MHz、Mobile Celeron 2.0GHz、LV Mobile Celeron 866MHz、ULV Mobile Celeron 800MHz の CPU 6 製品、および USB 2.0 をサポートしたモバイル向けチップセット「Intel 852GM」。Mobile Pentium 4-M は順当にクロックアップを進めてきていますが、Mobile Celeron(Northwood-256K)もついに 2GHz オーバーですよ。いつの間に・・・。いっぽう、ULV Mobile Pentium III-M は Banias(Centrino)を前にした最後のアップデート。いよいよ Banias の鼓動が聞こえ始めましたねー。
これらの新 CPU を搭載したモバイルノート PC が、本日付で各社から一斉に発表・・・されていませんDELL のような BTO を中心とする通販専門のメーカーがいち早く対応してきた程度にとどまっています。

そんな中、富士通が今日 FMV DESKPOWER/BIBLO シリーズのニューモデルを発表してきました。
ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/01/15-1.html
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/01/15-2.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/01/15/641147-000.html
デスクトップの方は置いておいて(笑)、BIBLO の方は A4 ハイエンド「BIBLO NH」シリーズにデスクトップ PC 用の Pentium 4 2.60GHz を搭載してきました。
http://www.fmworld.net/product/hard/pcpm0301/biblo_loox/nh/
これは、現在発表されているノート PC の中では最高クロックということになっています。チップセットは SiS645DX。これに PC2100 DDR SDRAM と ATI MOBILITY RADEON 9000、DVD-Multi(DVD-R/RW/RAM)ドライブという現時点で考え得るほぼ限界のスペックに仕上げてきました。

VAIO でも先に米国で発表された PCG-GRV シリーズおよび PCG-GRZ シリーズがデスクトップ PC 用 Pentium 4 を採用し、俄かに今春の A4 ノートは「デスクノート」が大流行の様相を呈してきましたね。ちょっと前までは、ノート PC にデスクトップ用の CPU を搭載するというのは、どちらかというと「キワモノ系」と思われがちでしたが、ここにきて一気に認知度を高めるどころか出荷される PC のメインストリームを奪いかねないというくらいにまで注目を浴び始めました。
もちろん、デスクトップ用の CPU を敢えてノート PC に採用するというのは、動作クロックの高さという理由もありますが、最大の理由はやはりモバイル CPU の OEM 価格の高さによるものでしょう。デスクトップ PC 版 Pentium 4 2.60GHz の OEM 価格が $401(1,000 個ロット時、価格は 2002/8 時点のものなので今では下がっているかも)なのに対して、Mobile Pentium 4-M 2.40GHz の OEM 価格が $562(1,000 個ロット時)。最終的な製品として発売されるときには \20,000 前後の価格差になって顕れるでしょうから、クロックが高くて価格が安いデスクトップ用 Pentium 4 にメーカーが流れるのも致し方ない、ということができます。ただし、デスクトップ用 Pentium 4 だけに消費電力もものすごく、PCG-GRX92G/P(Mobile Pentium 4-M 2.0GHz)で 65W だった消費電力が、PCG-GRV680(Pentium 4 2.60GHz)では 115W と倍近くまで跳ね上がっていますが・・・。Intel がモバイル CPU の動作クロック向上を急ぐあまりにどんどん押し上げられていったモバイル CPU の TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)が共にノート PC の放熱設計をも向上させ、それが結果的にコストパフォーマンスの高いデスクトップ用 CPU の搭載を可能にしてモバイル Pentium 4 離れを引き起こす・・・という、Intel にとってなんとも皮肉な連鎖が起きてしまった、というのが現在の状況でしょう。
Intel としてもこの状況を指をくわえて眺めている、というわけではなく、SpeedStep のないノート用 Pentium 4 というかノート PC 用に CPU をパッケージングした「Pentium 4C」というバージョンの Pentium 4 を密かに出荷しているらしいですが、これもまだまだ牽制球レベルのものでしかないようで。今シーズンの A4 オールインワンノートの動向次第では、来シーズンには「Pentium 4C」に相当するシリーズの Pentium 4 が大々的にデビューすることになるのではないか?(あるいは既にその予定があって、各メーカーはそれを見越して現在のデスクノートを設計している?)という風にもみています。
しかし、A4 オールインワンノート(というかもはや A4 サイズじゃないけど)がこれだけモバイルできない仕様になってくる(例えば GRV シリーズは GRX から重量据え置き、厚みも 1.5mm 増程度で抑えられているようですが、バッテリが GRX の半分程度(実質 1〜1.5 時間?)しかもたないことを考えると、少なくとも「モバイル」と呼ぶことはできないでしょう。GRX はそれでも無理矢理「モバイル」と呼んでいましたが)と、「パワフルな 2 スピンドルノートをモバイルで使いたいけど、相応しいマシンがない」ということになってくることになります。今シーズン、B5 ファイルサイズの 505 シリーズが PCG-V505 シリーズとして Mobile Pentium 4-M+光学ドライブという構成に大きく路線を変更したのは、GRx シリーズとの兼ね合いという意味合いが大きそうです。FX の後継として登場することになる Mobile Athlon XP 搭載の PCG-FR シリーズも、同じような理由から旧 GR クラスのユーザーの一部を取り込もうとする意図が新しくなったデザインから読み取れるのではないでしょうか。
なんだか BIBLO の話題から随分逸れてしまいましたが(笑)、この「デスクノート」に傾いた方向性は、おそらくこの後 NEC をはじめとする競合メーカーも追随してくることでしょう。

もうひとつ、このサイトとして触れておかなくてはならないのは LOOX のニューモデルでしょう。
http://www.fmworld.net/product/frame/pcpm0301/biblo_loox/index_loox.html
機能やスタイルは従来の LOOX のそれを継承しているため、あえてここで触れるまでもないのですが、Crusoe の仕様が若干変わっています。CPU 自体は TM5800 933MHz(LOOX T93C)/800MHz(LOOX S80C)とクロック据え置きになっていますが、内部的な仕様が変わっており、

> バージョンアップした Code Morphing Software(CMS)の新しい機能「Crusoe Persistent Translation Technology 1.0」(PTT)の採用により、Windows XPの起動時間を短縮します。また、CMS の使用メモリを 24MB に設定したことにより、スムーズなアプリケーション起動をサポートします。

となっています。この「Crusoe Persistent Translation Technology 1.0」というのは始めて登場する単語ですが、ASCII24 によると

> Windows XP 起動時の CPU 命令を、キャッシュファイルとして持つことで、次回起動時から Windows XP の起動時間の高速化を図る機能。

とあります。以前報道された「最適化コードをどこか特殊なディスクパーティションに書き出すことにより、Windows やアプリケーションの高速化を図る」という TM5800 の新 CMS に関するはどうやら本当だったということですね。しかし、これで高速化されるのは資料を読む限り Windows OS の動作だけでしかなさそうなので、アプリケーションの起動や動作の高速化にはあまり結びつかなさそうです。しかし、昨秋に「来春モデル用の新しいCMSで、Crusoeのパフォーマンスが大幅に向上する」という話
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1129/kaigai01.htm
もあったので、大幅に処理のアルゴリズムを改良した CMS の新バージョンが登場するか、あるいは OS 関連の最適化コードのみならずアプリケーション関連の最適化コードをもディスクに書き出せるバージョンの CMS が登場することになるのではないか?と予測しています。運が良ければ、次期 C1/U に搭載される可能性も・・・。
ひとつ気になるのは、この最適化コードを保存しておく領域はディスク上のどこに配置されるのか?OS からはどのように見えるのか?ということです。万一、プリロード環境でしかアクセスできない特殊な領域に置かれてしまうと、OS のクリーンインストールやプリインストール以外の OS のインストール、あるいは HDD の換装といったところに影響が出てしまいかねませんからね。そのあたりも含め、この新 LOOX の実機が店頭に並び次第確認してきたいと思っています。


というわけで、いよいよ VAIO も春モデル発表が秒読み段階に入ってきましたね。ここ 3 年間の発表日は、
2000 年:1/17
2001 年:1/22
2002 年:1/11・17・31
となっています。早ければ明日明後日、遅くともあと 1 週間前後で正式発表があるのではないでしょうか?楽しみにしておきましょう。


[ HN-RT1 ] 2003/01/14(Tue)
2/上旬発売予定の So-net 「ブロードバンド AV ルータ HN-RT1」のスペックが公開されました。
http://www.so-net.ne.jp/products/router/
ファームウェアアップデート等に利用するメモリースティックスロットとフロントに 2 行表示可能な液晶ディスプレイを備え、LAN 側は 4 ポートの 10BASE-T/100BASE-TX、IEEE802.11b、あと USB 接続までサポートしているようです。WAN 側は発表時の開示通り 97Mbps のスループットを謳っており、PPPoE のオーバーヘッドを考慮しても 70Mbps は下らないかな?という期待を抱いてしまいます。公称スループットでは民生機で現在最速のマイクロ総研「NetGenesis SuperOPT90」に匹敵し、かつ大手プロバイダからの提供ということで使い勝手も高そうですね。当然のごとく UPnP に対応している上に、PPTP や IPSec 等の VPN にもしっかり対応していて、まさに至れり尽くせりといった感じ。私は自宅から会社のネットワークにアクセスするのに VPN が必須なので、対応していてくれて良かったです。
外形寸法は幅 204×奥行 231×高さ 45mm と、私が今使っている NEC「Aterm BR1500H」(幅 172×奥行 172×高さ 31mm)より一回り大きいですが、メモステスロットとか .11b 無線 LAN とかを内蔵しているので仕方ないでしょうか。ま、無線 LAN 内蔵でこの程度のサイズアップなら許容範囲かな、といったところ。.11b の無線 LAN は今使っていないけどな(ぉ
価格の方はまだ発表されていませんが、ちょっと楽しみにしておくことにします。数十 Mbps 単位で無駄にしているであろう So-net 光のスピードを出し切ってやらないと、精神衛生によろしくないのでね(^^;で、実際いくらくらいになるものでしょうか?高くても \25,000 以内に収まってくれないかな。


2003 CES において、先日成立した HGST(Hitachi Global Strage Technologies)の新製品群が公開された模様。
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/11/nj00_microdrive.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0113/ces05.htm
注目はやはりマイクロドライブ 4GB1.8 インチ HDD でしょう。マイクロドライブはモック、1.8 インチ HDD はサンプルの展示となりましたが、どちらも製品化までのカウントダウンに入っているようで。
1.8 インチ HDD の方は、東芝製ドライブとは全く違い、2.5 インチ HDD を真っ二つに切ったような形になっており、コネクタ部分は 2.5 インチ HDD そのまま。厚みも 7mm/9.5mm と、一部は 2.5 インチ HDD と共通になっています。あくまで現存の 2.5 インチ HDD との互換性を確保してコストダウン(HDD 本体だけではなく、搭載する機器側も従来の I/F がそのまま使えるというメリットがある)を重視したものとなっており、あくまで小型化にフォーカスした東芝製ドライブとは違うアプローチを取っていることが分かります。サイズでは東芝、軽さでは HGST が若干のアドバンテージを持っていますが、どちらのアプローチが最終的には受け入れられるんでしょうか。ユーザーとしては、どちらでもいいから統一して、規格として息の長いものにしてほしいのですが。
マイクロドライブの方は、今秋には 4GB 版を出荷できる(しかも現行の 1GB 版よりも低価格かもしれないとのこと!)というアナウンスのほか、2GB 版の存在も明かされました。バイト単価の安さで CF に大して圧倒的な優位に立っているマイクロドライブですから、CF 対応のデジタル一眼レフユーザーには福音となるでしょう。PC ユーザーとしては、当面は 1GB もあれば十分な気がしなくもないですが・・・。とりあえず、私はマイクロドライブから IBM ロゴが消えてしまう前に一枚確保しておくかな。


ZDNet に、ちょっと興味深い記事が掲載されています。
ソニー安藤社長、Microsoftとの「微妙な関係」を語る
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/14/nj00_sony.html
家電や AV の領域に踏み込もうという姿勢を強めるマイクロソフトと、「人間の感情の理解」を標榜してコンピュータ・テクノロジーの先端を突き詰めていこうというソニー。この両社が対決の構図を強めている、とここのところいくつかのマスコミに騒がれ始めたことに対する、ソニー安藤社長兼 COO のコメントです。実に、興味深い。
そういえば、ずいぶん昔にこの Column でも「ソニー vs マイクロソフト!?」というタイトルで一度書いてみたことがありましたが(といいつつ、あまりそういう内容になっていなかったりする。実は続編も公開したのですが、ログのメンテナンス時に誤って消してしまった(泣))、あの頃はちょうどソニーが CLIE で PDA 業界に殴り込みをかけ、マイクロソフトが PocketPC への注力を強化している真っ最中でした。思えば、あの頃を境に「ソニー vs マイクロソフト」の対立構図で語られる機会が多くなりましたよね。International CES をはじめとする数々の世界的な IT 関連のカンファレンスで、MS・Intel の代表と同じくらいの重みでソニーの代表が基調講演をするようになって久しいです。それだけに、対立構図も描きやすいのでしょうが・・・。
しかし、MS にとってはソニーはホーム AV 進出の足がかりであると同時に最大の「目の上のたんこぶ」でもあるでしょうが、ソニーの方はそこまで気にしていないんじゃないかな、と思います。確かに PDA 参入の際に PocketPC ではなく Palm プラットフォームを選んだ裏には何かあったのかもしれませんが、今のソニーは MS がどうの、という以前に「Emotion」や「U」というキーワードのもとに目指す方向がはっきりしているように見えますからね。その目標に近づくために必要なものは積極的に取り入れるけど、いくら MS にプッシュされても無駄な寄り道はしないよ、という意思表示のように、私はこの記事の内容を受け取りました。


[ A World About U ] 2003/01/13(Mon)
2003 International CES」の続報です。
同カンファレンス初日に、ソニーの安藤国威社長兼 COO が基調講演を行っています。
ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-0110/
この基調講演、およびソニーブースで掲げられたキーワードが「A World About U」。「U の世界」ということなのですが、ね、なんかワクワクしません?VAIO U、Cyber-shot U ときて、ここにつながってきたかー、という感じです。

具体的な製品としては、いよいよ製品化を目前とした有機 EL ディスプレイ、DVD±RW に対応した DVD ビデオレコーダ、8cm DVD-R/RW に記録する DVD Handycam、メモリースティック PRO に対応した小型カムコーダ、ATRAC3/plus に対応した CD ウォークマン、ATRAC3 以外にも MP3/WMA に対応した新型 MD ウォークマン、バッテリ内蔵の USB 2.0 ポータブル HDD「GigaValut」等。

有機 EL ディスプレイに関しては、LCD よりも更に薄く低消費電力ということで、ソニーをはじめ多くのメーカーが現在研究を重ねている段階。ソニーに至っては、この次世代ディスプレイ技術に注力するため、プラズマディスプレイパネルの自社開発を棄てて NEC から OEM 供給を受けるという英断を下したくらいですから、その力の入り具合はいかばかりか、というところ。
また、今回の基調講演の仲で、テレビを「デジタル・ネットワークの核」として復権させる、という趣旨の発表もされたようです。ちょうど、「ルームリンク」や「CoCoon」あたりから始まった、コンテンツとユーザーのインタフェースとしての WEGA の役割を更に強めると同時に、WEGA というデバイスを通じて各機器をシームレスに使いこなす・・・そういう意味が込められているのでしょうか。
昨秋の WEGA シリーズから採用された新技術「WEGA ENGINE」。プラットフォームに依存せず、同じインプットに対しては同じアウトプットをする、という意味では Java VM にも似たコンセプトの技術ですが、この有機 ELを含め、プラズマ、リアプロ、液晶、そして伝統的な CRT、と多様化するディスプレイパネルのどれでも同じ「WEGA 画質」を実現し、更に高い表示クオリティを得るということは、「リビングの中心」としてテレビの地位を再び高めるために必要不可欠だった、ということでしょう。昨秋から我々日本国内のユーザーに訴えかけていたことを、ここで再確認した形となりました。

続いて、DVD±RW レコーダ「RDR-GX7」。年末あたりにソニーの DVD-RW レコーダ「RDR-A11」が一気に \50,000 前後まで値崩れしていたので、そろそろマルチドライブで出てくるだろうな、とは思っていました。が、今までのソニーの DVD レコーダってどちらかというとミドルレンジの DVD プレイヤーや AV アンプと統一感のあるデザインだったのですが、ずいぶん雰囲気が変わりましたね。
日本国内での発売は未定、となっていますが、この「RDR-GX7」がそのまま出てくるかどうかは別として、「CoCoon」シリーズで HDD/DVD±RW のハイブリッドレコーダを一発出してくるのはまず間違いない、と見ていいでしょう。「チャンネルサーバー」の「観たらどんどん流していく」という思想は、一度使ってみれば確かに「あ、これもアリかも」とは思いますが、「長期保存できない」というのは新規購入あるいはビデオデッキからの買い換えを考えるユーザーにとっては敬遠する要素となってしまうわけで。さらに、先のボーナス商戦で東芝や松下のハイブリッドレコーダがかなり売れていたらしい、という状況を考慮すれば、まず間違いなく出てくるでしょうね。良さそうならば私も夏ボで・・・と思っています。

Handycam は DVD タイプが発売間近、メモステ PRO タイプもそう遠くないうちに製品化されることでしょう。というか、メモステ PRO の高速性を活かせるアプリケーションが、当面は動画記録くらいしかなさそう、ということを考えると、メモステ PRO 正式対応の製品は Handycam が第一弾になるのではないでしょうか。
DVD Handycam の方はターゲットが今までの DV Handycam とどう違うのか分からないので、どれだけヒットするかも分かりませんが、なかなかスポーティでいいデザインですね。サイズ的にも現行の TRV シリーズと大差ない、ということなので良さそうです。ディスク記録ということで「MD Discam」の二の舞にならないよう祈るのみです(^^;
メモステ Handycam(まだ Handycam ブランドで出るとは発表されていませんが、まあそうなるでしょう)の方は、ここのところ動画対応カメラつきケータイや松下の「D-Snap」などが注目を浴びているように、徐々に一般ユーザーの注目がスチルからムービーに移ってきたこともあり、意欲的な製品を投入してくる可能性大、とみています。もちろん、ブランド名は「MemoryStick Handycam U」で。普通のデジカメよりももっと気軽で、だけどカメラつきケータイやトイデジカメなんかよりも全然ちゃんと撮れる「Cyber-shot U」のように、DV カメラとケータイカメラの中間を狙えばかなりいいセンいけるんじゃないでしょうか。記録品質はその気になれば DVD 並みにはできるわけですから、あとはメモステ PRO の価格次第かな、と思います。ヒットすれば上にラインナップを拡げて MICROMV やあわよくば DV をも喰ってしまいかねない、という考えは間違いでしょうか?
どちらにしても、DVD Handycam、MS Handycam を出してくるということは、そろそろビデオの世界でも「テープメディアの時代は終わった」と言わんとしているのでしょうかね。業務機はいよいよ HDD カセットの時代になりそうな気配ですし・・・。しかし、メディアがテープでなくなり、ディスクメディアやシリコンメディアの時代になっても、やっていることは VHS・ベータのときと何ら変わっていない、というのは皮肉ですね。

個人的にちょっと気になっているのが ATRAC3・ATRAC3plus 対応の新 CD ウォークマン製品群。
ATRAC3 ベースということは、当然楽曲ファイルの管理は「SonicStage」で行うことになるのでしょうが、ということは SonicStage で CD-R に ATRAC3/plus ファイルを直接書き込めるということでしょうか?そして、CD-R に書き出した ATRAC3/plus ファイルのチェックアウト回数はどうなるの?とか、非常に気になります。
ポータブル CD プレイヤーは、最大のライバルである松下が MP3 対応製品のラインナップを急速に拡げてきて、CD ウォークマンはどちらかというと機能的に時代遅れなものになってきていたため、ここでより多くの楽曲を記録できる圧縮フォーマットに対応する必要性があるとは思っていたのですが、思いのほか一気にやってきたな、と思います。ただ、残念なのはサイズ的には「D-CJ01」を踏襲した、けっこう厚ぼったいものになっていそうなことでしょうか。可能ならば来年あたり、ウォークマン 25 周年・CD ウォークマン 20 周年を記念して、D-EJ2000 並みに薄い ATRAC3 対応 CD ウォークマンを出してほしいですね。そうしたら今の EJ2000 から即買い換えなんですが。

MD ウォークマンの方は、以外にも MP3/WMA/WAV に対応してきました。って、ATRAC3plus が先じゃないの?>ソニーさん。
MD ウォークマンはけっこう日本と米国では発売されるモデルが異なることが多いため、日本仕様として MP3/WMA に対応したものがどれだけ出てくるかは疑問ですが、ソニー的に「逆流している」この流れはちょっと注意しておいた方がいいかもしれませんね。ま、アメリカでは ATRAC3 よりも MP3/WMA の方が圧倒的に支持されている、という背景があるのでしょうが。

バッテリ内蔵 USB 2.0 ポータブル HDD「GigaValut」は、「POCKET BIT」を先行販売した米国ソニーらしい製品。i.LINK やメモリースティックをひたすら重視する日本と違い、やはり米国では USB を求めるユーザーニーズに対応した製品を優先的に出してくるようです。乾電池駆動に対応したポータブル CD-RW/DVD-ROM「CRX10U」に似たイメージがあるので、関連するチームが作った製品っぽいですね。
とりたてて言うこともないのですが、どうせなら何故音楽再生機能をつけてくれなかったんだ、ソニーよ・・・。iPod みたいな感じで使えるのなら、絶対転んでいたんだけどなあ。

と、いう感じなのですが、「A World About U」と言った割には、「U」というキーワードがほとんど出てこなかったなあ・・・というのが感想です。しかし、それぞれの製品に言えることは、どれもが確実にネットワークやコンピュータ技術との親和性を高めてきているということ。今では「小さいソニー製品」の代名詞となってしまった「U」のイメージがつくことを嫌ったのかもしれませんが、おそらく、「U」というのはもはや製品ジャンルや製品コンセプトを示すものではなくて、ソニー製品の思想や哲学そのものに染み込みつつある、ということなのかもしれません。「ユビキタス“バリュー”ネットワーク」を目指すものは、全てが「U」なのだと。ソニーはもはや全体で「U」の世界を作っていくのだと。

それらに対するソニーのまずはじめの回答は、おそらくこの春までには我々の元に届けられることでしょう。

■記事リンク
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030109/ces04.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030110/ces06.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/10/nj00_sonyando1.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/10/nj00_pando.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/10/06.html


[ time will tell ] 2003/01/12(Sun)
この連休はのんびり過ごしています。
正月休みは田舎で日々飲み続けていたので、精神的にはともかく肉体的には全然休めませんでしたから(^^;なので、久しぶりにアルコールも摂らずただ休んでいる感じ。CoCoon が録り溜めておいてくれたビデオや、観れずに溜まっていく一方だった DVD をまとめ観たりして過ごしています。それでも未見 DVD がまだ数十本(汗)Cineza で改めて観たい作品もあるし。ううう・・・。


ところで、今日でちょうどこの Column も始めてから丸 3 年になるんですよね。
そもそもこの Column を始めたのは、その以前は新製品が出たときとか何かを買ったときに自分や人の掲示板にいろいろ感想等を書き込んでいたのですが、人のところにゴミみたいな書き込みをだらだらするのもなあ・・・と思い、それなら自分のところで日記っぽいのをやってみよう、と思ったことがきっかけです。ちょうど、サイトのメインコンテンツの更新が滞りがちになり、何か継続的に書けるものはないか・・・と思っていたこともありましたけど。
これまで 753 回、ログファイルは計 3.32MB にものぼります。HTML のタグとかヘッダが含まれるので、単純にテキストだけでオーバー 3MB ということではないですが、それでも我ながらびっくり。今年中に通算 1,000 回突破するかな?(^^;
最初の頃の Column を読み返してみると、今とずいぶん違いますね。書き方とか内容とかも違うんですが、何が違うって分量が違う(笑)。もっとコンパクトにまとめたいとは常々思っているんですが、簡潔な文章というのが苦手なもので(^^;

私は基本的に日記というものが苦手で、夏休みの日記課題は 8/28 くらいにならないと手をつけなかったし、以前別のサイトで日記をつけようとしたときも長続きしなかったくらいなのに、良く続いてるなあ、と思います。まあ、日記というよりはニュースあり新製品レポートあり写真日記あり、という感じにフリーフォーマットでやっているからなんでしょうが。個人的なことばかり、こんなところで晒せるような性格でもないし・・・。

VAIOethics に定期的に訪れてくださる方って、ほとんどがこの Column を目的に来てくださっていると思うんですが、皆さんどんな記事を期待して来てくださっているんでしょうね?自分としては、自分の興味のあることを好きなように書いているだけなのですが、ときどき何のために書いているのか分からなくなることがあります。一度、この Column、ひいてはこの VAIOethics に期待すること、みたいなものを聞いてみたいものです。ま、聞いたからといって、好きなことを好きなように書く、というスタイルが変わることはありませんけど(笑)。

実は、私の祖父(今年で 74 歳)はもう数十年毎日欠かさず日記をつけているんです。何度か見せてもらったことがあるのですが、三年日記帳で、去年・一昨年の今日は何をしていたか、という人生の記録になっているのはすごい、と思いました。この Column も、形は違えどそんな記録のひとつにしていけたらいいな、と思います。
あと 2 ヶ月あまりでこのサイトも 4 周年なんですよね。4 年といったら、大学生が(ダブらなければ)学部を卒業してしまう年月。ある意味このサイトも、VAIO やモバイル等々の研究をして 4 年ということになるので、学士号くらいくらいはもらえるのかな?(笑)
今年はたぶん仕事の方も今までに増して忙しくなってくるでしょうし、趣味の方にもちょっと力を入れていきたいと思っているので、もしかすると更新がおろそかになってしまうこともあるかもしれませんが、極力続けていきたいと思っていますので、おおらかな気持ちで付き合っていただければ、と思います。


[ CLOSE ENCOUNTERS ] 2003/01/11(Sat)
まだまだ続く 2003 CES 関連情報、どの話題から触れていくか迷いますが、今日は VAIO の新製品情報を。先日も少し話題に出しましたが、R505 の後継機種をはじめとして、国内未発表の製品がたくさん登場しています。
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0110/ces03.htm

まずは、最もショッキングかもしれない R505 の後継、「V505」。
VAIO PCG-V505 Series
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3165
確実に Centrino 搭載で出てくるに違いない、と思っていたこのモデルが。一体誰が予想したでしょうか?まさか Mobile Pentium 4-M で出てくるとは。しかも、CD-RW/DVD-ROM コンボドライブ内蔵の 2 スピンドルノートという形態とは。
米国モデルとして一足先に現地で発表された機種「PCG-V505AX」をもとにスペックを列挙してみると、
http://news.sel.sony.com/filestorage/download/V505%20Specs.pdf?version_id=138403
Mobile Pentium 4-M 1.80GHz、512MB DDR SDRAM、40GB HDD、CD-RW/DVD-ROM コンボドライブ。まるで、PCG-GRS70 をそのまま 12.1 インチ B5 ファイルサイズに詰め込んだかのような仕様になっています。デザインも、なんとなく GR っぽいですよね。キーボード奥のスピーカ周辺のデザインとか。R505 のときは「プチ XR」と表現しましたが、V505 は「プチ GR」というイメージなのかな(^^;
本体は、横から見るとドッキングステーションを装着した R505 を上から圧縮したような感じになっています。パームレスト手前の絞り込みデザインが二段になっていて、コンボドライブのある下部がいかにも引っぺがして更に薄くできそうな雰囲気がありますが、さすがにそれは不可能な模様。これを剥がせれば MURAMASA もびっくりなくらいに薄くなるのに・・・。
本体サイズは、mm 換算すると、幅 276.9×奥行 242.3×高さ 33.5〜35.1mm/重量 1.97kg。ちなみに R505(後期型)は、幅 279.5×奥行 239.0×高さ 29.4〜33.8mm/重量 1.98kg。ほとんど R505 と変わらないサイズ(3mm くらい厚いけど)にフルサイズノート並みのスペックを押し込めてきたのには素直に驚きました。重量も増えていないし・・・。放熱とかかなり心配になりますが、大丈夫なんでしょうかね?また、バッテリ駆動時間は標準バッテリで 1.5〜3.5 時間と、事実上 R505(2.5〜4 時間)の半分ちょっとしかないんじゃないの?という最近にしてはやたら短いのは、Pentium 4 のパフォーマンスと引き換え、といにはあまりに寂しいかも。
無線 LAN 機能が内蔵されていないのがちょっと気になるところなのですが、このことはやはり高速ワイヤレス LAN 規格が今後 IEEE802.11g ベースが中心になる可能性を示唆しているんでしょうか。ビジネスユースを視野に入れると、普及の進んだ IEEE802.11b だけでも内蔵されている方がありがたかったのですが。日本市場向けモデルの仕様は変わる可能性があるので、日本向けには無線 LAN 内蔵であることもあり得ますが。また、V505 のスペックがかなりモバイルでのデジタルビデオ編集を意識したものであることを考えるならば、日本向けモデルでは DVD-RW 内蔵のセンもアリかもですねー。

そういえば、12.1 インチ MURAMASA も後に光学ドライブ搭載モデルを追加してきましたが、やっぱり 12.1 インチのモバイルノートにオールインワンノート並みの性能や装備を求めるのは、最近の流れなんでしょうかね?ただでさえ、最近は DynaBook SSLet's Note T1ThinkPad X30 等、各社のモバイルノートの主力が 12.1 インチクラスに移ってきていますが、この流れでフルスペックの 12.1 インチノートが流行るんでしょうかね。個人的にはもう一つの流れとして極薄 12.1 インチの「PCG-S505」シリーズとかを Centrino で出してくれたら、転んでしまいそうなんですけど(^^;

次に、もう一つアメリカで発表された新 VAIO ノート、「GRV」シリーズ。
VAIO PCG-GRV Series
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3145
PCG-GRV680
http://news.sel.sony.com/filestorage/download/vaio_ces_03_specs/GRV680%20Specs.pdf?version_id=138406
初登場からまだ 1 年経っていない PCG-GRX シリーズですが、早くも次世代機にバトンタッチしたようです。基本的な筐体デザイン等は GRX のものを継承していますが、なんと Mobile Pentium 4-M ではなくデスクトップ PC 用 Pentium 4 を搭載してきました。いわゆる「トランスポータブル」とか「デスクノート」と呼ばれるカテゴリに入ってきた、ということになりますね。確かに、このサイズの PC であればほとんどバッテリ駆動時間が重視されることもなく、どちらかというと「持ち運べるデスクトップ PC」「ハイスペックな省スペース PC」として使われることがほとんどなので、それならばよりスペックが高くコストパフォーマンスに優れた CPU を使おう、ということなのでしょう。ノート PC で 2.60GHz という動作クロックは、現状まだモバイル向けプロセッサでは登場していません。
このほか GRV の特徴としては、ノート PC では初となる DVD±RW ドライブを搭載してきたことでしょう。GR 系はやっぱり「世界初」にどうしてもこだわりを持っているようで。ただし、GRV に搭載されるドライブは、DVD+R/RW の書き込み速度が 2 倍速なのに対し、DVD-R/RW の書き込み速度が等倍なので、+RW を重視したドライブであるようです(ということは、ソニー製ドライブでしょうか)。
この GRV680 の液晶ディスプレイは 16 インチ SXGA(1,280x960)のようですが、日本向けの最上位モデルはもちろん UXGA(1,600x1,200)になるでしょうね。

また、未発表ですが GRS の後継「PCG-GRZ」シリーズも CES にて展示されている様子。GRS シリーズなんて冬モデルでモデルチェンジしただけじゃないか、という気がしますが、早かったですねー。
CPU は GRV と同じくデスクトップ用 Pentium 4。クロック等はまだ明かされていませんが、GRV との差別化を考えると 2GHz 前後になるのではないでしょうか。その他、GRS ではコンボドライブだった光学ドライブが DVD-RW ドライブ(DVD+RW には非対応)になり、旧 GRX シリーズに負けない高性能・高機能マシンに変わってきた感じがあります。液晶画面が 15 インチ XGA(1,024x768)とやや解像度的に物足りないですが、日本向けモデルではどうなんでしょうね?SXGA+(1,400x1,050)クラスだったらかなり強力にリコメンドすべきモデルになるのですが・・・。

同じく未発表モデルとしては FX シリーズの後継「PCG-FR」シリーズも展示されているようです。基本的なスペックは Mobile Athlon XP に 14.1 インチ XGA 液晶、3 スピンドル(光学ドライブは CD-RW/DVD-ROM)と FX シリーズから大幅な変更はないものの、PCG-F シリーズから長らく大きな変更のなかった筐体デザインが一新されています。いままでは「あまり VAIO っぽくない」やや野暮ったい印象のあるデザインでしたが、今回の FR は、スタンダードながらも GR や NV の面影のある「VAIO らしい」デザイン。VAIO ノートでは初となる USB 2.0 ポートも備え、更に多くのユーザーに受け入れられる大衆マシンとなりそうです。日本向けモデルでは、15 インチ液晶のバリエーションも期待できそうですね。

VAIO ノートの新機種についてはこんなところですが、心配なのはどの機種にも「メモリースティック PRO 対応」の記述が見あたらないこと。正確には、最低でもソフトウェアのアップデートで MS-PRO の読み書きには対応するはずですが、高速転送に対応しない見込みが強いことはちょっと心配です。まあ、当面は MS-PRO の高速転送を必要とするアプリケーションもないので、ファイル転送程度なら多少遅くてもガマンしてね、ということかもしれませんし、MS-PRO の高速転送を可能にするには USB 2.0 が内蔵されることが必須であるからかもしれない(少なくとも現状の OpenMG メモステは USB 経由で接続されることがほぼ必須なため)からかもしれませんが、ユーザーから見て物足りないのは確か。
また、USB 2.0 に関しても、FR を除いてはまだしばらく対応してこないようなのもちょっと不満ですね。i.LINK のエバンジェリストのひとつであり、純正アクセサリでこれだけ i.LINK 対応製品を発売しているソニーとしては、周辺機器は i.LINK で使ってね、ということなのでしょうが、他メーカーがこれだけ USB 2.0 を積極的に採用している状況では、早くしてよソニーさん、と言いたくなってしまいます。チップセットに標準で USB 2.0 コントローラが内蔵される Centrino が登場するまでガマンしなくてはならないのでしょうか。
さらに、今回登場したモデルにはどれもジョグダイヤルが装備されていないのもちょっと残念です。確かに、VAIO U のようにジョグダイヤルが必須インタフェースの一つになっている機種以外ではむしろ無駄にアプリを常駐させる厄介なインタフェースではありましたが、最近では VAIO ノートのアイデンティティの一つとなっていただけに、寂しいですね。

デスクトップ VAIO の方でもいくつか出てきています。このほど米国で 2 機種が発表されました。
VAIO Desktop PCs
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3084
ひとつは「PCV-RZ」シリーズ。米国では冬モデルまでが RX シリーズだったため、RZ シリーズはこの春モデルから、ということになるのですが、DVD±RW ドライブ「DW-U12」(ソニー製)に Giga Pocket を備えた更にパワフルなモデルとなる模様。更に、最上位モデル「PCV-RZ26G」では Hyper-Threading 対応の Pentium 4 3.06GHz が搭載された、現時点で考え得る最強のデスクトップとなっているようです。プリインストールされるソニーオリジナルソフトウェア群のうちいくつかも Hyper-Threading 対応版となり、HT 対応 Pentium 4 の強力な処理性能を十分に活かせるようになっているとか。これは、ノンリニアビデオ編集などではかなり威力を発揮しそうです。

また、この新 PCV-RZ シリーズの他にも、マイクロタワー型のデスクトップ VAIO に新しいシリーズが追加されています。
VAIO PCV-RS100
http://news.sel.sony.com/digitalimages/photo?photo_id=138111
http://news.sel.sony.com/digitalimages/photo?photo_id=138158
まるで、PCV-RX シリーズの筐体を PCV-MXS っぽく化粧直ししたようなデザイン。しかも、Pentium 4 に DVD-RW ドライブを搭載していながら $800 という低価格はかなり驚異的です。ただし、Giga Pocket は搭載されないようなので、性格としては Giga Pocket が搭載される前の PCV-J シリーズのような位置付け、と考えて良いのかもしれません。背の低かった J シリーズに対して RS シリーズは RX シリーズとほぼ同じ筐体サイズになりそうですが、おそらく基本パーツを RX や RZ と同じにしてコストダウンを図っているのでしょう。シリーズ名からしても、RZ シリーズの弟分、みたいな雰囲気が出ていますね。J シリーズと同じく、いじりがいのある良いマシンになりそうです。
日本でも発売されるとすれば、これはおそらく JX シリーズを置き換える形になるのではないでしょうか?Giga Pocket を省いた低価格モデル、という路線は最近の JX シリーズの流れですし、省スペースという点ではソニーはむしろ HS シリーズを推していきたい思惑がありそうですからね。でもそうなるとやっぱり Giga Pocket 付きモデルは出なさそうだなあ。


現時点で判明している VAIO の新機種についてはこのレベルの情報しかないのですが、それでも春モデル VAIO の概要はだいたい掴めてきたような気がします。あと何か大きな動きがありそうなモデルといえば MXS シリーズ、SRX シリーズ、C1 でしょうか?これらはどちらかというと日本市場重視なところがあるので、日本から先に情報が出てくることになるでしょうが、それもおそらく 2、3 週間のうちのことだと思います。楽しみになってきましたね。


[ PRO ] 2003/01/10(Fri)
いよいよ開幕された「2003 International CES」。ソニーも安藤国威 COO の基調講演を皮切りに、SDWE2002 に匹敵するくらいの大量の新製品を公開してきていますが、今日はその中から特にソニー製品の核のひとつとなりそうなメモリースティックの話題をお伝えしましょう。

事前にあちこちで噂されていたとおり、メモリースティックの上位規格「メモリースティック PRO」が公式にアナウンスされました。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-0110a/
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200301/03-0110/
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200301/03-0110B/
128MB で頭打ちになっていたメモリースティックの容量問題を解決し、それと同時に今まで最高 20Mbps 止まりだった転送速度を最大で 160Mbps まで高速化した規格が「メモリースティック PRO」です。3 月の発売当初は 256MB/512MB/1GB のラインナップから始まって、最終的には 32GB まで到達する見込みだとか。なかなか容量の上がらなかったメモリースティックから、一気にジャンプアップを図っています。
従来のメモリースティックとは違い、標準で MagicGate の著作権保護機能を備えているのも特徴といえるでしょう。フラッシュメモリ製品の大半を手がける SanDisk と協力し、現在考えられる限り最高のスペックで出してきましたね。しかも高速なのは理論値だけではなく、最低 15Mbps の書き込み速度は保証されています。これにより、DVD 並み(8Mbps 前後)のクオリティの動画記録にも対応できるとのこと。
標準で MagicGate に対応している上、今回のメモステ PRO ではセキュリティ関連等の拡張機能を将来的に付加できたり、いわゆるパリティ(という表現で良いかどうかは内部を知らないので何とも言えませんが、そんなイメージで捉えると解りやすいでしょう)のようなデータ保護機能を持っており、データ書き込み中に誤ってメモリースティックをスロットから抜いてしまっても、消失するデータを最小限に抑えることができる・・・という機能です。これらの機能のため、ユーザーが使用可能なデータ領域は製品として表記されている容量よりも 5〜10% 前後少なくなります。簡単に計算してみたところ、大まかに言って MagicGate のシステム領域に約 30MB、あとは 32bit につき 1bit のパリティビットという感じになっているようです(だいたいですよ、だいたい)。
メモリースティック PRO がこれだけのスペックアップを果たしたということの裏には、やはりソニーのドラスティックなデジタルイメージング戦略があるのでしょう。昨年「MICROMV」規格を発表し、矢継ぎ早に MICROMV Handycam IP を 3 機種も投入してきたあたりから「お、ソニーはエンドユーザーレベルのデジタルイメージングにちょっとホンキらしいぞ」と思っていましたが、CLIE NZDVD Handycam、ときてメモステ PRO ですからね。そう遠くない未来に間違いなく DVD クオリティで記録できるメモリースティック Handycam(あるいは「Handycam U」かも?)を投入してくるでしょう。また、映画のブロードバンド配信の受け皿として MS-PRO を使うということも当然考慮しているはず。DVD は著作権保護機能が CD と比べて強固ですし、映画のブロードバンド配信もまだ本格化はされていないので今までは問題になっていませんでしたが、本格的に映画がブロードバンド配信されるようになって、ブロードバンドで購入し、「ホームサーバ」やデスクトップ VAIO の HDD に溜め込まれた映画タイトルを、VAIO ノートやいつか出てくるかもしれないメモリースティックビデオウォークマンで観たい、となったときに、MagicGate の著作権保護機能とメモステ PRO の高速性は大きな役割を果たすはずです。

・・・と、なんか前向きな話題ばかり書いてきましたが、いちばん重要な問題が。
そうです、言われていたとおり、MS-PRO には旧 MS との互換性がないのです。ピンアサインからして違うので、こればかりはどうしようもありません。一応、比較的最近の製品であれば、ファームウェアやドライバのアップデートで対応できるものも少なくないようなのですが、それでも MS-PRO の高速アクセスの恩恵には与れないのが残念なところ。
各機器の対応状況については、以下のリンク先にリストされています。
http://www.sony.jp/products/ms/dousa/dousa.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2003/info_0110.html
http://www.nccl.sony.co.jp/products/common/info15.html
一応、私の持っている VAIO では、去年購入した C1MSX および U3/P はドライバのアップデートで対応させることができるものの、ただでさえ遅い内蔵メモステスロットに大容量のメモステ PRO を挿そうものなら遅くてイライラすることは間違いないでしょう。
先日購入した MG メモステリーダ/ライタ「MSAC-US20」は発売時期からいって順当に対応してくれていたのはありがたいですが、MS-PRO の MagicGate 機能には対応できない模様。こんなことなら MG 非対応の「MSAC-US2」で十分だった・・・。
あと、対応表には載っていませんが、お気に入りの Cineza「VPL-HS10」も対応済みの模様。やったぁ!・・・って、使う見込み無し・・・。
という感じで、現行製品的にはかなりトホホな状況になっています。2001 年以前の製品ではほとんど使えなさそうなので、なんか初期の頃からメモステを支持してきて、たくさん対応製品を持っているユーザーほど裏切られた格好になっていますね。私なんてメモステが 4MB と 8MB しかなかった頃から Cyber-shot を使っているユーザーなのに(泣)。ステップアップのためにはある程度の割り切りも必要だとはいえ、ソニーさん、もっとユーザー大事にしようよー。いいさ。アプリケーションスティックが出てきた頃から、いつか拡張のために旧型のメモステスロットが切り捨てられる日が来ることは覚悟してたさ(悔し紛れ)。

とりあえず発売当初は PRO の 256MB 版が \20,000 前後、1GB に至ってはきゅうまんいぇん(!)もするらしいので、当面は様子見かな。
というか、NW-MS70D を買ったら当面はメモステ関連製品を買うのよそう。少し業界動向が見えるまでは。

従来のメモリースティックの大容量化もしばらくは行われるようです。「メモリースティック(メモリーセレクト機能付き)」という製品が、256MB から登場します。
ただ、256MB 版といっても、128MB のモジュールをメモリースティック内に 2 セット内蔵し、それをスイッチで 128MB ずつ切り替えて使用することになり、型番も「MSA-256A」ではなく「MSA-128S2」。製品名も「メモリースティック Select」とかじゃなくなんか投げやりな名前(笑)なのも哀愁を誘います(ぉ
切り替えて使えるといっても、スイッチはメモリースティック本体にハードウェアスイッチで実装されているため、切り替えにはいちいちスロットから取り出さねばならず、実質 128MB を 2 枚挿し替えるのと手間としては大して変わりません。メリットといえば、通常 2 枚のところ 1 枚で済むためかさばらないということくらいでしょうか(たかだかメモステ 1 枚がそんなにかさばるか、という問題は別として)。なんか計 512MB 版も出す予定があるらしいですが、果たして・・・。
結局のところ、メモリースティックスロットのコントローラ(?)が 128MB までの容量しかハンドリングできない(更に古い一部のスロットでは 64MB までしか扱えないため、128MB 以上のメモステには非対応)仕様で、今後の拡張も互換性を考えると難しい、とかそういう経緯でこんな妙な仕様になったんでしょうが、それだったら 128MB メモステをもっと値引きしてくれた方がよっぽどありがたいんですが。128MB MG メモステが \10,000 で 3 枚くらい買えるようになれば、メモステウォークマンユーザーももっと贅沢な使い方ができるようになるんですけどね。
ちょっとしたメモステコレクターでもある私ですが、これはちょっと使いづらいなあ。


・・・という感じで、コンセプト的には非常に輝かしい未来が待ち受けていそうなメモステ PRO ですが、市場で立派に成長していく前の段階では相当苦しい陣痛に見舞われそうですね。PRO 対応機器が現在のメモステ並みに普及するまでは、少なくとも大半のユーザーは不便(PRO 非対応、低容量、低速)を強いられることでしょうし、今回の MS-PRO 問題のようなことが MS-Duo の方でも起こらないとは言い切れないからです。Duo が PRO のスペックを必要としたときに、それまでの Duo ユーザーは切り捨てられてしまうのでしょうか?万が一そうなるんだとしたら、NW-MS70D があと半年遅れてもいいから、さっさと MS-DuoPRO とかを出してください>ソニーさん
松下電器の動向次第では、メモステ PRO が自立できる前に SD がメモリースティックの息の根を止めてしまう、なんてことにもなりかねないかも、と少し思っています。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0110/sansony.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0110/sony.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0110/sony2.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030110/sony.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/10/njbt_01.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/10/nj00_ces_mmpro.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/tech/article/2003/01/10/641073-000.html
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2003/01/10/641075-000.html
dpreview.com の記事(英文)
http://www.dpreview.com/news/0301/03010904mspro.asp
http://www.dpreview.com/news/0301/03010905lexarmspro.asp


[ Centrino ] 2003/01/09(Thr)
カシオの人気デジカメ「EXILIM」シリーズに、光学ズームモデル「EX-Z3」が追加されました。
ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/2003/ex_z3.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0109/casio.htm
300 万画素、沈胴式光学 3 倍ズームですかー。以前より一部では EXILIM や Cyber-shot U にズーム待望論はありましたが、なんかカシオもサクサクニーズに応えてきますね。
でも、サイズ的には幅 87×高さ 57×奥行 22.9mm・重量 126g と、厚みが倍・重量が 1.5 倍になり、デザインも含めて富士フイルムF401(85.0×69.4×27.5mm・185g)とかペンタックス330GS(103.5×63.5×42mm・180g)と競合するクラスに入ってきた感じがします。というか、厚さ 20mm を超えた時点であまり「EXILIM」の名前はつけられないんじゃないの、と思いますが、やっぱりこれだけメジャーになった EXILIM の名前を冠するのとしないのとでは全然売れ方も違うのでしょう。実売価格は \50,000 とけっこういい値段がしますが、競合機種よりもワンランク小さく軽いことと、EXILIM の名前でどれだけヒットするでしょうか。
図ってか図らずか、EXILIM と同じような時期に製品が発売され、必然的に EXILIM と比較されてしまう Cyber-shot U もそろそろ 300 万画素・光学ズームの「DSC-U30」とか出たりしないかな?とちょっと期待をしてしまいますね。なんとか光学ズームを詰め込めば詰め込めないことはなさそうですし。

米国で CLIE の新機種「PEG-NZ90」が発表された模様。
ニュースリリース(英文)
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3166
Brighthand の記事(英文)
http://www.brighthand.com/article/Clie_NZ90
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/09/nj00_ces_clie.html
時期的には PEG-T シリーズの後継機種が発表になるタイミングなのですが、以外にも出てきたのは秋に発売されたばかりの PEG-NX70 シリーズの後継機種。
後継機種、といっても実売価格が $800.00 程度となるようで、NX70V よりも $200 も高くなるので、事実上の上位モデルといってもいいかもしれません。スペックも NX70V の基本スペックに加えて内蔵 Bluetooth やフラッシュ付き 200 万画素デジカメなど、「何だそれはー」と突っ込みたくなるような激しい仕様。私、そろそろついていけなくなりつつあります(^^;
この Column では詳しいことは日本国内で正式発表されてからフォローしたいと思いますが、最新情報が気になる方は CLIE サイトの第一人者「CLIE User Club!」が参考になると思います。
http://www.clieclub.jp/
そろそろ WorkPad を買い換えようと思っている私ですが、さすがにこれだけ巨大で高価いのは買えないなあ。今月下旬には、PEG-T シリーズの後継機も登場すると言われていますから、こちらに期待したいと思います。

Intel が待望のモバイル向け新プロセッサ、コードネーム「Banias」の正式名称を発表しました。
ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2003/030109.htm
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/09/ne00_centrino.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/09/nj00_centrino2.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0109/intel.htm
この新しいモバイル・プラットフォームにつけられたブランドネームは「Centrino」。「center」(中心)と「neutrino」(ニュートリノ)を組み合わせて作られた造語で、モバイルの全てをこのプラットフォームに集約する、とかそんなニュアンスでつけられたのでしょうか。何故ニュートリノかは分かりませんが、やはりノーベル賞にあやかって・・・くらいのものなのかな。
正確には「Centrino」は「Banias」のコードネームではなくて、先述の通り Banias を含むモバイル・プラットフォームにつけられた名称。Banias というプロセッサそのものの正式名称は「Pentium M」、チップセット Odem の正式名称は「Intel 855」。どうでも良いけど「Pentium M」って、なんか Mobile Pentium III-M の後継というよりはクラシック Pentium の後継みたいであまり速そうなイメージがないですね(^^;ま、Centrino では CPU 自体のブランドが前面に出てくることもあまりなさそうだから、いいのか・・・。
Centrino は今のところ低消費電力で高パフォーマンス、無線 LAN と USB 2.0 をサポートする、当初は 1.4GHz のクロックからスタートする、という程度しか詳細仕様は明らかになっていませんが、3〜4 月に実製品が登場するまでには細かいスペックまで明らかにされることでしょう。

この Centrino を搭載したサブノート VAIO 系のニューモデルも、間もなく登場するものと思われます。低電圧版/超低電圧版 Centrino(プロセッサ、という意味では低電圧版/超低電圧版 Pentium M というべきでしょうか)が登場するまで SRX と(あるいは)C1 はお預けになる可能性が高いですが、少なくとも R505 の後継機種は間違いなく Centrino の最高クロック版を搭載して登場してくるに違いありません。

・・・と、思ったら!?
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3165
R505 サイズに Pentium 4、光学ドライブ内蔵「V505」だって!?ええっ、えええ〜〜〜っ!???


[ Sony-Aiwa ] 2003/01/08(Wed)
ソニーが昨年 12/1 付で吸収合併したアイワの新ロゴデザイン、及び経営方針を発表。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-001/
新しいロゴデザインは「AIWA」だか「AWA」だか「AIVA」だかよく判らないようなデザインですが、従来よりもシャープな印象になったことは確か。ある意味昔のアイワロゴのイメージに近くなったかもしれません。
新しいアイワブランドは、大きく変わったデザインまで含めてより「ソニーのサブブランド」という雰囲気が強く出てきた感じがあります。例えばアパレル業界では、ユニクロ・ショック後にコムサ・デ・モードに対するコムサ・イズムといったようにやや価格レンジや対象ユーザーを変えたサブブランドがたくさん出てきましたが、新生アイワも言ってみればコムサ・イズムのようなものかもしれません。ある種、他の家電メーカーとは違って製品をファッションやスタイルといった観点で捉えることの得意なソニーらしい展開といえるでしょうか。ソニーブランドを『外に見せる自分』の製品とし、アイワブランドを『プライベートな空間で楽しむ、シンプルで使いやすい商品』と位置づけているのは分かりやすいですが、私みたいなユーザーからしてみれば「プライベートな製品」でも敢えてソニーロゴで自己満足したいんですが(笑)。
同部門の製品としては、今回発表された新製品についてはかなり Net MD 関連製品がかなりの数に上っているのが気になりますね(中には「LAM-Z10」にそっくりな Net MD システムまである)。アイワブランドでここまで数が出てくるとなると、今後 Net MD は半分アイワに任せてソニー自身は MD 製品でもややハイエンドな方向にシフトしたり、ネットワークウォークマンに注力したりするようになるんじゃないか・・・と。実際、NW-MS70D の発売一ヶ月前というタイミングで Net MD をアイワブランドでこれだけ出してくるというのはそのつもりなんじゃないか?と思いたくなります。実際のところ、どうなんでしょうね?
また、今まで参入していなかったデジカメ分野にも新規参入しそうな勢い。「USB メモリサイズ」のデジカメなんかは、ある種 Cyber-shot よりもサイバーでかっこよさげです。そういえば、以前プロトタイプが開発されたソニーの「世界最小デジカメ」はこのくらいの大きさでしたから、そのあたりの技術も応用されているのでしょう。アイワが製品を開発する、というよりは、ソニーがソニーブランドで出せないような製品をアイワブランドで発売したり、製品の試験マーケット的に使われていく面も大きそうです。

・・・そういえば、「Aiwa Style」は設立されないのでしょうか?(笑
やっぱり、直販で型番決め打ちで買うというよりは、ライトユーザーが直接店頭で見て、決めて、買う、という種類の製品が中心になりそうなので直販はやらないのかな。Sony Style 内でアイワ製品を取り扱うというのはアリかもしれませんが、ソニーブランドとアイワブランドの区別が曖昧になりそうだからなあ。というか、世間的にはどうなんでしょう?ソニーは「アイワはソニーのいちブランド」として売りたいのか、やっぱり「アイワはアイワ」としてはっきり分けておきたいのか。


世界的な家電・IT の展示会「Consumer Electronics Show」の開催は明日ですが、世界的にみてサードプレイヤー未満でしかないアイワ関連の話題はあまり多くなさそう。でも、メモステ・メモステ Pro の動向次第では、Net MD 関連製品で今後重要な位置を担うかもしれないアイワとしては、目の離せないところではあると思います。

しかし今回の CES はちょっと面白そうですね。Banias の正式なブランド名もいよいよ明かされるといいますし・・・。


■記事リンク
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/08/nj00_sony_aiwa.html
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030108/aiwa.htm
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/mrkt/article/2003/01/08/641040-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/08/16.html


[ Konica-Minolta ] 2003/01/07(Tue)
昨日は日立と IBM の HDD 事業統合のニュースをお伝えしましたが、今日もまた企業合併のニュースが入っています。コニカミノルタが 8 月に経営統合することを発表しました。
NIKKEI NET の記事
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt56/20030107AT3K0702Y07012003.html
この合併により、夏以降はフィルムはコニカブランド、カメラはミノルタブランドに統一される予定です。
一部新聞では夕刊の一面トップに掲載されていたりもしているので、やはり一般的にもけっこう大きなニュースとなっているようです。
実際のところは 2000 年の春にこの両社は業務提携を交わしているため、
http://www.konica.jp/corporate/press/2000/000424.html
今回の経営統合はごく自然な流れということができるでしょうが、事業統合ではなく経営統合という意味では HP・Compaq の合併の後になるため、国内での注目度は低くはない模様。しかし、同じイメージング分野としては京セラとミタが合併して京セラミタとなって早 2 年が経過しているので、むしろ落ち着いたペースで提携から経営統合へのプロセスを辿ったということが言えるでしょう。ま、一口にイメージングといってもコピー機中心の京セラミタとフィルム・カメラ中心のコニカ・ミノルタとはジャンルが違うため、一括りにできない部分はありますが。
しかし、デジタルカメラの普及により、一般ユーザーが家庭で高画質な印刷結果を得られるようになったり、印刷しないまでもあらゆるもののディスプレイ上で画像を観賞できるようになったり、ということが当たり前になってきたせいで、そこら中の写真店で閑古鳥が鳴いているというのはもはや言うまでもないことでしょう。関連企業もなんとかユーザーの足を写真店に向けようと努力はしているようですが、そういう経緯もあり、デジタルイメージングの世界では強いメーカーと弱いメーカーの格差がハッキリと顕れてきたわけです。

銀塩カメラの時代より、長らくカメラメーカー・フィルムメーカーとして認知されてきた両社ですが、やはりデジタル化の流れやデジタルイメージングハードウェアの激しい価格・性能競争の中で、どうあがいてもファースト・プレイヤーになり得なかった(それぞれの分野で富士フイルム、富士ゼロックス、セイコーエプソン、キヤノンといったメーカーが絶対的な地位を誇っていた)ため、ついには単体でやっていけなくなったというのが 2000 年の業務提携のきっかけでしょうか。それから 3 年弱の間、今回の経営統合に向けて地道に準備を続けてきたに違いありません。

ことデジタルカメラの世界においては「現場監督」シリーズのようなややニッチな製品こそ認められていたものの民生機がいまいちパッとしなかったコニカ(余談ですが、スタパ斎藤氏のコラムに採り上げられた翌日にコニカブランドのデジカメがなくなる発表がされるとは、いささか皮肉な感じがします)に対し、「DiMAGE X」がそこそこヒットしたミノルタは技術力も高いしもう少しがんばれるだろう、と思っていたのに、ちょっと残念ですね。やはり、他メーカーのようにブランド名を絶対的に認知させ得るヒット商品を最後まで出し切れませんでしたからねー。ま、両者のそれぞれの分野での長い経験が相乗効果となってより良い製品・サービスを今後も提供してくれることでしょうが。

今回の経営統合発表をきっかけに、デジタルイメージング業界の再編が加速する・・・ということはないでしょう。富士フイルム、キヤノン、ソニーは動かないでしょうし、銀塩時代からの根強いファンを持つニコン、デジカメでの不振を医療分野での黒字で補っているオリンパスも当分は安定しているでしょう。それ以外のプレイヤーに何かあってもおかしくはなさそうですが、SD カードの牽引役である松下、東芝は意地でも自社のデジカメにこだわるでしょうし。
そういえば、デジカメの記録メディアも今まではそれぞれが 20% 台のシェアで横並びだったものが、いよいよ SD カードが 30% 台に乗って頭一つ抜け出た形になったそうですね。容量ももはや 512MB に到達し、物理サイズの大きな CF に匹敵するようになってしまいました。それに加えて、対抗馬と目されるメモリースティックは現行 128MB が最大で、間もなく一気に 1GB までジャンプアップするものの、現行のメモリースティックとの互換性に難あり・・・という状況では、このまま勢いで勝負がついてしまいそうです。果たして、次のデジタルイメージング関連の「大きな動き」は、記録メディアの統一というところになってしまうのでしょうか?おそらく、その戦いは間もなく「International CES」で幕を開けることになりそうです。

■記事リンク
ZDNet の記事
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/07/njbt_01.html
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/07/nj00_konica_minolta.html
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0107/komi.htm
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/07/17.html


[ Inspire the Next ] 2003/01/06(Mon)
社会人の皆さんは今日から仕事始めでしょうか。私も本日より通常業務を再開しています。もう少し休んでいたかった気もしますが。
年末年始に 12 月分の睡眠不足をまとめて補ったせいか、今朝はいつも通り起きたはずなのに目の下にクマができていて若干アセりました(^^;如何に普段寝ていないかということですかね。気をつけよう・・・。

そんな感じで、社会が通常通りに流れ始めた新年の営業第一日目、新たなスタートを切った企業も少なくないことでしょうが、その中でも大きな動きとなった企業がひとつ。

日立製作所IBM のハードディスク事業の統合が予定通り完了しました。
ニュースリリース
http://www.hgst.com/japanese/news/Maui.html
Hitachi Global Storage Technologies
http://www.hgst.com/
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0106/hitachi.htm
両社のハードディスク部門合併後の新会社の名前は「Hitachi Global Storage Technologies(HGST)」。なんか日立と LG が合同出資して設立した光学ドライブメーカー「日立 LG データストレージ(HT-DT-ST)」と似ていますね。企業としては、今のところ日立製作所 70%、IBM 30% の出資比率となっていますが、2005 年末までには日立の 100% 子会社化される予定となっています。

IBM といえば、1956 年に世界初の HDD を発明した「HDD の生みの親」であり、デスクトップ PC 用 3.5 インチ HDD では長らく「最も速くて静か、信頼性の高い」HDD メーカーとして不動の地位を守り続けてきたメーカーです。それが、ここ数年の HDD 価格の暴落により、以前ほどの品質を守り切れなくなったり(これは IBM に限らずどの HDD メーカーにも言えることなのですが)、ついにハードウェアとしての HDD 事業に見切りをつけて「IBM の HDD」の名前が無くなってしまうことについては、長らく IBM の HDD を使い続けてきた私のようなユーザーにとって、非常に残念なことに思えて仕方ありません。これも時代の流れでしょうかね。せめて、IBM 製 HDD のブランドネーム「Deskstar」「Travelstar」「Ultrastar」の名前が残るのが救いでしょうか。
これを機に、ストレージ分野では、身軽になった IBM はストレージ管理ソフトやサーバ向けストレージ(サーバに接続するタンスみたいなでっかいディスク装置です)などのストレージ・ソリューションの方向性に特化し、逆に日立はストレージ・ハードウェアの総合メーカーとして技術力を礎とした競争力を強化していくことになりました。

この新会社 HGST が、スタート早々に新しいハードディスク製品を続々発表。
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0106/hitachi2.htm
小型化するモバイル向け HDD に強襲をかける 1.8 インチ HDD「Travelstar C4K40」シリーズ、
http://www.hgst.com/japanese/news/jp_travelstar_c4k40.html
HDD 搭載カーナビや Windows 搭載自動車などを強く意識した車載市場向け 2.5 インチ HDD「Travelstar A4K20」シリーズ、
http://www.hgst.com/japanese/news/jp_travelstar_4k20.html
そしてあのマイクロドライブを 4GB にまで大容量化する発表など、
http://www.hgst.com/japanese/news/jp_microdrive.html
新しい日立・IBM 連合ディスクメーカーの新ラインナップを一挙に発表してきました。

まず、IBM の「Pixie Dust」技術に加えて新開発の「FEMTO」ヘッドやその制御技術等の開発によって 4GB まで拡張してきたマイクロドライブですが、けっこう気になりますね。ただし、現行の 16bit CF と互換性を保ったままでは転送速度に限界がありそうです。大容量なだけに大量のデータの読み書きには相当な時間がかかりそうなので、どれだけ実用に耐えるものなのか心配ではあります。

次に、いよいよ登場した日立・IBM の 1.8 インチ HDD。東芝の 1.8 インチ HDD と互換性があるのか、というのが最大の関心事でしょう。そのあたりを比較(※間もなく東芝から現行の MK2003GAH と同型で 40GB の製品が登場する見込みなので、東芝の 20GB と HGST の 40GB で比較)してみますと、東芝が外形寸法 54.0(幅)×78.5(奥行)×8.0(高さ)mm、一方の HGST が 70(幅)×100(奥行)×9.5(高さ)mm と、ずいぶん違います。重さでは HGST の方が 5g ほど軽量なようですが・・・。また、HGST の製品は現行の 2.5 インチ HDD とコネクタ互換を謳っており、その点からも東芝製とは互換性がない可能性が高いです。残念ながら、VAIO U の HDD を換装するのに東芝と HGST の製品を比べて良い方を使おう、ということはできなさそうですね。性格の違う二種類の 1.8 インチ HDD が、今後どのように利用されていくのか、そしてどちらか一方の規格に事実上統一されることになるのか?モバイラーとしては注目していきたいところです。

また、HGST の製品として忘れてはいけないのが、今四半期中にはいよいよ出荷を開始すると言われている 80GB・7,200rpm の大容量・高性能 2.5 インチ HDD「Travelstar 80GNX」シリーズ。
http://www.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2002/11082
IBM と日立の HDD 部門が既に営業を統合していることから、この製品も HGST ブランドで登場することになるはずです(名称は若干変わるかも)。旧 IBM の HDD 部門が発表した製品とはいえ、容量・速度ともに現行の 2.5 インチ HDD で最高となるこの HDD は、HGST という新会社の名刺代わりには十分すぎるインパクトを持っています。発売当初はお財布に与えるインパクトも相当なものでしょうが(ぉ

いずれの製品も、今週末 9〜12 日にかけて開催される「2003 International CES」にて出品の予定ということです。今回の International CES といえば、ソニーも次世代メモステ「メモリースティック Pro」を出品の予定となっているなど、なかなか気になるニュースが少なくないですね。モバイルに新しいパラダイムを与えるきっかけのひとつとなってくれそうなこれらの製品、私も楽しみです。


[ MSX on MSX ] 2003/01/05(Sun)
今日の Column のネタは、珍しく VAIO ネタです。<自虐

年末にアスキーより発売された「MSX MAGAZINE 永久保存版」を買いました。
http://www.ascii.co.jp/pb/ant/msx/
昨年秋の WPC EXPO 2002 でもブースが出ていたんですが、2003 年はアスキーとマイクロソフトが共同開発した 8bit コンピュータ「MSX」の生誕 20 周年ということで、専門誌「MSX MAGAZINE」を一号限定で復活させるとともに、この号に MSX のアスキー公式エミュレータ CD-ROM が収録される、というニュースがあり、密かに楽しみにしていました(^^;
私の MSX 遍歴はというと、友人宅でときどきいじっているうちに父親がコンピュータを覚えるという名目で買ってきた MSX2 マシン(確かシャープ製だったと記憶しています)が結局使われずに埃を被っていたところを、半ゲームマシンとして奪い取った有効活用してあげたのがきっかけなのですが、世の中がすぐにファミコンに移ってしまったこともあり、私もファミコンを買ってもらってからはほとんど使わなくなりました。ということで、それほど深くありません(^^;でも、雑誌に載っていた BASIC のプログラムを(まだローマ字も満足に読めないうちから)タイプして訳も分からず動かしていた記憶があります。
そんな感じで、懐かしさ半分、というところもあったんですが、本当の狙いは「ソニーの『MSX』で MSX を動かしてやりたい!」というネタ半分です(笑)。
そんなわけで、せこせことインストーーール。

MSXPLAYer

ばばーん。『ボコスカウォーズ』です(懐
♪すすめーすすめーものどーもー、じゃまなーてきをーけちらーせー♪
・・・うう、激しく忘れている。レベル 1 すらクリアできないなんて(泣
ちなみに、私の記憶にある『ボコスカウォーズ』はファミコン版だったりして。

こんな感じで、付属 CD-ROM 内には懐かしい(懐かしすぎて私はほとんど記憶にない(笑))ゲームタイトルが 20 本ほどと、これまた懐かしい『イース』シリーズの体験版などが収録されています。なんと BASIC 環境(今の人は「BASIC」といったら Visual Basic くらいしか知らないのでしょうか?ファミリーベーシックとか知っている私は古い?(汗))までそのまま再現されているくらい。完成度高いです。
でもいくら古い 8bit マシンのエミュレータとはいえ、Crusoe にはちょっと重荷なのか、常駐アプリを切って画面を 800x600 モードにしてやらないとまともに遊べません。それでもキー入力への反応はちょっと鈍くて、シューティングゲームなんかだと弾が出るのが遅くて自機が死ぬこと山のごとし(ぉ

しかしたまには古いゲームも悪くないですね。3D コテコテ、ゲーム性よりも見た目やシステム、ストーリーばかりに凝るようになってしまった最近のゲームに辟易しかけている私にとっては却って新鮮かも。気付いたら『ボコスカウォーズ』を始めて 2 時間が経過していました(汗
っていうかヴァナ・ディールってどうやったら行けるの?(ぉ

MSX エミュレータ「MSXPLAYer」には Pocket PC 2002 版もあり、Pocket PC を携帯 MSX プレイヤーとしても活用できます。どうやら私の sigmarion II は対象外みたいですが・・・。
本誌の方では元アスキーの西和彦氏が MSX を System-On-a-Chip 的なハードウェアとして復活させるみたいな話もしていますが、それはそれとして(笑)興味のある方はいかがでしょうか。特に C1MSX ユーザーの方には(^^;HiTBiT ではないですが、「ソニーの MSX 機」として「PCG-C1MSX/HB」くらいは名乗っても良いかもしれません(笑)。

って、あんまり VAIO ネタじゃなかったですか(汗)。


[ 疾風怒濤 ] 2003/01/04(Sat)
東京に帰って参りました。
今日が U ターンラッシュのピークだったらしく、もうすごい人で大変でした。列車で帰ってきたのですが、ちょうど新幹線への乗り継ぎ駅である越後湯沢ではスキー客で更に大変なことに・・・人混みに圧しつぶされそうになりながら、「おまいらこんな日にスキーになんか来ないでください」と思ったとか思わなかったとか。ちょうど、私が出る時間くらいに吹雪き始めるし・・・とにかく、疲れました。
約一週間ぶりに帰ってきた東京は、なんか妙に久しぶりの感覚です。まだ棲んで日が浅いこともあるんでしょうが、ちょっと変な感じがしますね。明日一日くらいは酒も断ってのんびりしようかな。

さて、本日の帰京でもっとも楽しみにしていた・CoCoon の年末年始の録画成果ですが。
かなーーーり、たくさん録画していてくれました!怒濤のごとく!!
っていうか、CoCoon がおすすめする番組が録画されていた場合は CoCoon 本体全面の青 LED がぼんやり明滅するようになっているんですが、ウチのアパートは AV ルームと寝室が磨りガラスのドアで仕切られているので寝ようとすると隣室から怪しい蒼い光が断続的に漏れてきてコワいんですけど(^^;最初、マジで「誰かいる!?」と思ってしまいました(汗)。
それはさておき、CoCoon の録画成果。主に音楽関連のキーワードを中心に登録していったせいか、年末年始の音楽系の特番を片っ端から録っておいてくれました。でも、年末の音楽番組の代名詞とも言える紅白が録れていないのは何故?どうも HDD の空き容量が 1 時間あまりしか残っておらず、12/31 の半日分くらいまでの録画が順に消されていっていたので、長い番組だけに優先的に消されたのかもしれません。ま、リアルタイムで観ていたし、まあいいか、という感じなんですが、一週間単位で家を空けるのには、160GB HDD でもまだ足りないなあ、というのを実感しました。
しかし相変わらず民謡とかのど自慢とかガンガン録画してくれますね(涙)。「おすすめ録画」のアンケートに「はい」「いいえ」で答えていったり、自動的に登録される録画候補から不要な候補を削除したり、保存しておきたい番組のロック設定をしたりすることによって自動録がアルゴリズムも最適化されていくようなのですが、今後一ヶ月足らずの間にどの程度まで賢くなってくれるか。ちなみに、通常の録画予約や i モードや PC による外出先からの録画予約はまだ使ってみていません。
ちょっと使ってみて思ったのですが、おまかせ録画に利用される「おまかせキーワード」が番組によって登録されている深さがまちまちなんですよね。番組名程度しか登録されておらず、出演者すら載っていないものもあれば、例えば音楽カテゴリなら「全曲発表」とか「賞金大連発」とか、本当にこんなキーワードがおまかせ録画の役に立つのだろうか?と疑問に思うものまであります。そのくせ、CoCoon 側に登録できるキーワードはサブカテゴリも何にもなく単一レベルで 9 個のみ。このあたりはもう少し根本的なシステムも含めて改良の余地あり、でしょうかね。
CoCoon のおかげで以前よりは DVD 以外の目的で WEGA の電源を入れていることの増えた私ですが、それでもまだよっぽど観たいタイトル以外は部分的に早送りしつつ流し見・・・という感じになっています。やはり、積極的に視聴したい番組でもないものをだらだらと惰性で観るのは時間の無駄、ただでさえ少ない暇なんだから、そんな時間があったらもっと有効に使いたい、と思ってしまうんですよね。でも、「音楽」をキーにクラシックを BGM にしたヨーロッパの風景や寺社・建築を撮影した番組がたくさん録画されてきたので、これらを BGM・BGV にしつつ書き物をする・・・というのも悪くないかもしれません。普段も夜のニュース番組やボリュームを絞った深夜番組を流しつつ書き物をすることも少なくないので(実際今もそうですし)。ただ、それだけのために CoCoon、というのはちょっとコストパフォーマンスが悪すぎるなあ。

でも、少なくとも C1MSX をビデオデッキ代わりにするのよりははるかに使い勝手が高いことは実感しているのですが。


[ Shall we begin ] 2003/01/03(Fri)
田舎で正月を過ごしております。
なんというか、日々飲み過ぎ食べ過ぎで自分が飼育されているような気にすらなってきます(笑)これは、東京に帰ったらちょっと節制しないとなあ・・・。


先月あたりから PC で年賀状を作って多少 PC の使い方を覚え始めたウチの母親が「メールがしたい」と言いだしたので、プロバイダ(面倒なので So-net)を契約させメールの設定などし居り。
一応父親の分もメール設定が必要ということなので、Outlook Express じゃ埒があかないということで、マルチユーザー(マルチアカウントではなく)対応で且つフリーなメーラを探してみました。私は長年の「Becky!」ユーザーなのですが、Becky! はマルチアカウントではあるもののシングルユーザー用だし、何より有償だからあまり勧められないし・・・。

・・・そこで引っかかってきたのが、シャープが作っている「おたより@メイム」というメールクライアントソフトウェア。
http://naragw.sharp.co.jp/softcenter/Meimu/meimu_notalk/
Microsoft Agent の仕組みを利用して、同社の「EVA アニメータ」のキャラクターと似たキャラがデスクトップ上を動き回ったり喋ったりするタイプの、一風変わったメールクライアントです。2000 年の夏以降実質バージョンアップが停まってしまったちょっと古いソフトウェアですが、登場時期からいって PostPet 対抗に雨後のタケノコのように現れたキャラクター系・変わり種系メーラの一種ですかね。当初は Mebius にバンドルされていたものが、後にフリーウェアとして提供されたもののようです。

簡単に設定を済ませて使ってみた感じとしては、画面上を動き回ったりこともあろうか喋ったりする(本当に音声付きで喋る)のは普段使いのメーラーとしてはちょっと鬱陶しいですが(設定によりキャラクター表示を切ることも可能)、PC 初心者の抵抗感を和らげるのには悪くないかもしれません。
画面は一般的なエクスプローラ風メーラと同様なのですが、画面上部のボタン(「新規作成」や「送受信」等)が大きく分かりやすいアイコンになっていたり、メニューが極力テクニカルタームを用いない柔らかめの表現になっていたりと、「変わり種系メーラ」という括りで捉えてしまうのは失礼と想える程、コンピュータリテラシの高くないユーザーへの配慮がなされたメーラでした。シャープは「LC フォント」などもありますが、昔からユーザビリティということにかなり真剣に取り組んでいる姿勢が見られて好感が持てるメーカーですね。
それはさておき、メーラーとしては、送信元による振り分けを行うことを前提とした作りとか、その運用を強く意識したアドレス帳とフォルダ振り分けの連動とか、新規メールは本文と Subject を書いてから送信先を選択し送信するというプロセスとか、今までスタンダードなメーラを使ってきた身としてはちょっとカルチャーショックを受ける程に面白い作りをしています。でも、もしかしたら一度このソフトの操作性にはまってしまうと他のメーラは使えなくなるかも?という位、慣れると使い易そうなソフトウェアです。これは言葉じゃ到底伝えられないと思うので、興味のある人には是非一度試してみてもらいたいですね。このソフトが事実上アップデートを停止してしまっているというのは、かなり勿体ないと思います。

しかし、このメーラが精力的に開発されていた頃というのは、丁度私が大学の卒業研究で高齢者向けのヒューマン−コンピュータ・インタフェースをメールクライアントを主な題材に行っていた頃。同じような時期に、同じような題材で商業ベースのソフトウェアが開発されていた、という事実は新鮮な驚きでした。ま、このソフトウェア自体がそもそも高齢者向けということを前提とした製品ではないため、必ずしも当時の私の研究テーマに沿うものではないのですが、当時の私がこのソフトウェアの存在を知っていたらもっと触発されるものがあっただろうな、と思います。おそらく製品のコンセプトとしては主に女子小中学生のビギナーをターゲットとしていたのでしょうが、中高年の初心者にもかなり向いていると思われるこのソフト。マルチユーザー対応というところも、(今でこそ NEC あたりが「ファミリー PC」というコンセプトを打ち出してきていますが)当初からかなり年齢の幅の広いファミリーユースを想定して作っていたんじゃないか、と思うと、幅広いユーザーに抵抗なく受け入れられそうなやさしい作り(カスタマイズによっては固めの使い方もできるでしょうが)にも納得がいきます。
もし周りに「これからインターネットメールを始めたいけど、なんだか難しそうでちょっと・・・」という人がいたら、このメーラを勧めてみてはいかがでしょうか?私は結構気に入りました(個人では Becky! を使うけど)。


東京には明日帰ります。


[ 2003 ] 2003/01/01(Wed)
あけました。


今のところ、実家にて ぼーーーーーっ と過ごしております。
本当は仕事を持ち帰ってくるべきか迷ったのですが、「正月は仕事しない!!!」と心に決め、ThinkPad は持ってきませんでした。そんなわけで、ぼーーーーーっ と過ごしています。
しかし、こんな感じですることもなく過ごしている休日なのに、この秋冬に買った新製品たちはほとんど東京に置いてきてしまったわけで・・・。本当なら、この正月休み以外にも取り損なっている有給休暇を一週間くらい取って、じっくり AV 機器をいじるための休日が欲しいところ(^^;実家に帰ってきておきながら、東京にいればあれもこれもいじれたのに・・・とか思ってしまう私は親不孝者でしょうか・・・。

年末年始はどうしても紅白を筆頭として NHK の番組を観る機会が増えてしまうせいか、NHK の地上波放送 50 周年だとか、今年はいよいよ地上波デジタル放送が開始されるとか、そういう話題がどうしても耳に入ってきてしまいます。しかも、地元で入っている CATV が BS デジタルの簡易放送(いわゆる SQPB、VHS ビデオデッキで S-VHS ビデオを簡易再生するようなものですね)をやっていて、どうしても BS デジタルや CS への興味を刺激されてしまいます。
なんというか、いろいろ観ていると、大衆迎合主義でだらだら流れている現在の地上波よりも、教養番組とか映像の美しさ重視で放送している BS デジタルの方が私好みの番組が多いかも・・・という気に最近なってきました。しかも、キャスティングも BS の方が私のツボにはまりそうなんですよね。最近、インターレーステレビの横縞が何故か気になって仕方がなくなってしまった私にとって、BS デジタル放送に対応したハイビジョンテレビは妙に気になる存在・・・こうなると、もう PLASMA WEGA しかないか!?と思うのですが、そんなものを買っていたら一年分のボーナスでも足りなさそうなので、まだまだ買えそうもないし・・・。かといって、普通の NTSC なテレビじゃ、イタリアにある大聖堂の壁画の壮大かつ繊細な描写や、日本庭園の枝葉ひとつひとつのなめらかな色合いとつややかな輝きは、再現できないんだよなあ・・・。

きっと、今頃東京の我が家で様々な番組を録り貯めておいてくれている CoCoon ですが、そんなことを考えるうちにやはり「まだ買い時ではないんだろうな」という気持ちになってきました。いや、もともと返却する強い意志でお試しさせてもらっているんですが(笑)。でも、記録型 DVD と地上波デジタル放送(および、BS/CS 等への対応)等を考えると、今のチャンネルサーバーはまだまだ買い時ではないのかな・・・という気がします。それとも、「成長する」CoCoon なのですから、ファームのアップグレードで対応してくれたりします?します?ねぇします?>ソニー様
今も BS デジタルハイビジョン(HD)の放送をロービジョン?(SD)で観ているわけなんですが、そんなことを考えつつ観ていると、むしろ狭い世界・より大衆に向けて作られている地上波の放送よりも、BS デジタルや 110 度 CS といった多チャンネル放送を「おまかせ・まる録 2」で「パーソナル放送局」を作る方が、通常の地上波のみで CoCoon を運用するより三倍くらい楽しそうです。やっぱり、10 局に満たないチャンネルから番組を寄せ集めるよりも、もっと幅広く数多いチャンネルから自分好みの番組を選りすぐった方が本当の意味での MYCAST っぽいよなあ・・・と思います。おそらく、ソニー自身もそういう BS/CS が本格普及した多チャンネル時代を睨んで(あるいは更にブロードバンド配信まで見込んで)CoCoon の機能を磨いてきたものでしょうし、逆に言えば現在の CoCoon はコンテンツの面でまだまだ未完成なものなんでしょうね。
なんか、敢えて CoCoon を持たずに帰省してみて、DVD±RW や来るべき Blu-ray が搭載された CoCoon の登場が楽しみになった新年でした。

んー、新年早々 VAIO の話題ではなく AV 系の話題というあたりが、今年の VAIOethics の方向性を暗示しているかも(笑)。
ますますソニーを中心とした物欲のサイトとなりつつあるかもしれない(ぉ)VAIOethics ですが、本年もよろしくお願い申し上げます(笑)。

My Diary Version 1.21
[ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ]