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2005/07/21 (Thu.)

X505/SPのHDD換装

author : IceSeed

VAIO Columnらしく今回はVAIOネタです。

2003年末にX505を購入して以来それなりに満足しているのですが、ただ一点どうしてもHDD容量だけが20GBと少なく、後で換装することを前提に使っていました。

とりあえず、1プラッタ1.8インチHDDの容量が2倍になった時点で換装と決めていましたが、2004年末に東芝から垂直磁気記録方式を採用したMK4007GAL・MK8007GAHが発表され、6月末にMK4007GALを搭載したgigabeat F41が東芝から発売されたことで、1プラッタ40GBへの換装がようやく可能となりました。

垂直磁気記録方式を採用した磁気ディスク装置の世界初の商品化について(04/12/04)
HDDオーディオプレーヤー「gigabeat(R)」Fシリーズ6モデルの刷新について(05/05/16)

というわけで、MK4007GAL入り外付けケースgigabeat F41を予約して購入。
即、分解して換装作業を行いました。

内容は以前、PCBBSにUPしたX505のHDD換装報告を加筆・修正したものです。
分解・改造に関しては自己責任でお願いします。
以下換装記事です。

X505/SPの底面です。
分かりづらいですが、既に全てのゴム足は外した状態です。
ここからネジを外していきますが、軽量化のためネジ頭が薄く強度がかなり低いです。
特にY字ネジはネジ頭が小さくて浅い構造のため力を加えにくく、無理な力を加えると簡単に舐めてしまうので注意して作業して下さい。
このY字ネジが9本も使われているおかげで、分解作業の中で底面を外す作業が一番難しいです。
ちなみに、Y字ネジが固く締められていた場合、絶望的なまでに回りません(ぉ
手元になかったので私は使いませんでしたが、固い場合はネジ頭に摩擦増強剤を使用したほうが良いでしょう。
私の場合では異様に固いY字ネジが3本あり、結局ドリルで頭を破壊し残った軸をペンチで回して除去しました。
幸いネジは後で取り寄せられたので事なきを得ましたが、ネジのために送料1155円を負担する羽目にorz
組み直すときにはネジに5-56でも塗って、緩めに締めた方が良いです。
通常の+ネジもドライバーは確実に合う物を選択して下さい。
底面にも一部+ネジが使われているので、よく確認して下さい。

ゴム足の裏のネジを外したら、側面のネジも外していきます。
ここは+ネジなので楽ですが、丁寧に。

    

続いて、ヒンジ部を分解します。
ゴム足の下にあるネジを外しプラスチックパーツを外すと、DCコネクタ側には更にもう一つネジがあるのでこれも外します。
左右でネジが違うので組み直すとき間違えないようにして下さい。
これでヒンジカバーを横にスライドさせて外せば内部にアクセスできるわけですが、このカバーも軽量化のためにかなり薄く作られており、力を入れすぎると簡単に割れてしまいます。
天版側の丸くなっている部分を浮かせながら横にスライドさせればうまく外れます。
私は左右二つとも割ってしまい、瞬間接着剤で目立たないように修復しました(T_T)

底面を固定するネジを全て外したら、ヒンジ側から底面を浮かせ、側面に手を回して噛んでいるツメを外します。
側面のツメが結構固く、ここも無理な力を加えると内側のマグネシウムが簡単に曲がります。
底面部が外れれば、MDサイズのマザーボードがお目見えです。

 

生で見るのはX505発表会以来ですが、やはり驚異的なパーツ密度です。
発表会の時は裏面を見ることは出来なかったので、メモリ実装面を見るのは今回が初めてです。
メモリも軽量化のために小型の物を使用しています。

底面裏側の写真です。
開発中、「冷○ピタ」(ぉ と呼ばれていたグラファイトシートが貼り付けられていて、これでチップセットの廃熱を行います。
これも実際に見るのは初めてです。
チップセットのコアに接触させるために中央部が盛り上がっているのが分かります。
廃熱はこのグラファイトシートのみで、グリス等は使われていません。
この写真と同様の物がCPUの廃熱用にマグネシウムの筐体側にも付いているはずですが、今回はHDD換装が目的なのでそこまでバラしません。

    

各種フィルムケーブルにノイズ対策が施されているのが分かります。
HDDは本体左側のUSB端子の奥に配置されています。
USBケーブルがまだネジ止めされていますので外します。
USBケーブルを取り外せば、黒い絶縁フィルムの貼り付けられたHDDが見えます。
ネジ止めされていないので、IDEケーブルを外せば簡単に取り出せます。
HDDの緩衝材と絶縁フィルムを新HDDに装着し、ケーブルを繋ぎ直せば換装作業は終了です。
後は逆の手順で組み直せばOKです。

 

正常に認識されています。
HDBENCH Ver3.30(C:¥100MB)でベンチも取りましたので参考程度に。
MK4007GAL READ 22465   WRITE 19107   COPY 2784
MK2004GAL READ 10348   WRITE 11160   COPY 794(PCG-X505/SP 購入後インプレッションより)

記録密度が2倍に上がった分だけ性能も伸びた感じで、READ・WRITEはほぼ2倍、COPYは3.5倍に向上しており、パフォーマンスは体感でも分かるほど向上しています。
これくらいの速度があれば一般的な用途で不満を感じることはまずないでしょう。
遅かったX505がサクサク動いて快適です。

また、MK3006GALから流体軸受けが採用されたこともあり、動作音はほぼ無音と言ってもいいレベルになります。
どれくらいかというと、電源を投入したときにMK2004GALでは甲高い回転音が聞こえてきますが、MK4007GALでは耳を近づけてかすかに聞こえる程度、まず聞こえません。
シーク音なども非常に静かで、アクセスランプがなければアクセスしているのか分からないくらいです。
私が今まで使ったHDDの中で一番静かです。
消費電力もMK2004GALと同等なのでバッテリ性能に影響することも無いでしょう。

以上で換装は終わりですが、問題はやはり1.8インチHDDの入手性の悪さ。
今のところMK4007GALはgigabeat F41を購入する以外に入手方法はありません。
いずれバルクで流れてくるでしょうが、1.8インチHDDは価格が高いので、そのあたりがネックになると思います。

<追記>
gigabeat F41分解

先走るとこうなります。
取説はちゃんと読みましょう(ぉ
gigabeatは分解する前に必ずHDD内部のシステムファイル全てをバックアップして下さい。
中身のHDDを取り替えてもHDDプレイヤーとして使えますが、バックアップを忘れるとHDDプレイヤーとして使えなくなり、ただのバッテリ付き外付けHDDと化します(ぉ
私はバックアップを忘れたのでファームアップまで当分の間使用不能になりましたorz
システムファイルが無くても外付けHDDとしては問題なく使えますが…

分解方法は取説に一応載っていますが、余り詳しく書かれていないので公開します。
ノートを分解できる人なら余裕だと思いますが、作業前にバッテリのスイッチを必ずOFFにして下さい。

まず、上下のプラスチックカバーを外します。
側面の段差の部分からツメを引きはがします。
結構固いです。

次にケースの裏蓋を固定するネジを外します。
HDDにアクセスするだけなので、裏蓋側だけでOKです。

 

裏蓋を下にスライドさせて開ければHDDにアクセスできます。
そのほかのgigabeat Fシリーズも同様の構造と思われます。

12:08