VAIO Column
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(2004/09)


[ Mebius ] 2004/09/30(Thr)
シャープが Mebius ブランドでは初となるデスクトップ PC を発表しました。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0930/sharp1.htm
デジタルビデオレコーダによく似たデザインの筐体を採用し、当然テレビ録画にも対応しています(アナログ放送のみ。DVD-RAM/±RW への直接録画にも対応)。PC ということで当然一般的なデジタルレコーダよりも高度な動画編集機能を備えているほか、今後発売される同社のノート PC にはこのデスクトップ PC のクライアントとなる機能が付加されるようになるとか。
そして驚いたのが付属の液晶ディスプレイ。26 インチというのは市販の PC 付属のディスプレイとしては(Apple HD Cinema Display 30inch を除けば)最大となるディスプレイで、さらには地上派アナログテレビチューナも内蔵。このディスプレイ単体でもテレビが観れてしまうなど、ディスプレイにはかなり奢っています。もっとも、解像度は WXGA(1,366x768)と大きい割には解像度が全然いけてませんが、テレビ重視であることとコストを考えると妥当な線でしょうか。リビング PC であればいわゆる「10 フィート」の距離で操作されることも多いでしょうから、そこまでの解像度は不要でしょうし。
同時に 23 インチワイド・20 インチの液晶ディスプレイも発表されています。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0930/sharp2.htm
こちらもともにチューナ内蔵。解像度がそれぞれ WXGA(1,366x768)・XGA(1,024x768)なのがいけてませんが、20 インチ超の液晶ディスプレイがごく当たり前に発売されるようになってきたのは歓迎すべきことです。搭載されているチューナがデジタル放送に対応すれば必然的により高解像度のパネルが必要になってくるはずなので、製品としてはまだまだ発展途上のものといえますが、ようやく PC でもこのクラスのディスプレイが市民権を得はじめたか、という感じ。個人的にこの冬あたりに 20 インチオーバー・UXGA オーバーの液晶ディスプレイを購入しようと考えているので、スペック的には今回の新製品は物足りないのですが、こういうモノがどんどん出てくること自体は大歓迎です。これに引きずられて 20〜23 インチクラスの高解像度ディスプレイも値崩れしてくれないかな。


話が横道に逸れましたが、この AV 機器風デスクトップ PC。懐かしの「VAIO コンポ」PCV-M シリーズを少し彷彿とさせるものがあります。PC における AV 機能に対する取り組みとしては他社に一歩後れを取るイメージのあるシャープなので、本製品での AV 機能も大手メーカーに比べればまだまだこれからといった感じですが、並々ならぬ気合いが感じられることだけは確か。まずはデザインとコンセプトにインパクトのある製品を投入して認知度を得たい、というところでしょうが、その思いは十分に感じられる製品だと思います。

・・・っていうか、これそもそもソニーが作るべきものだったんじゃないのかなー、と思います。

まあ、初代 VAIO コンポから MX・MXS シリーズを経て、現時点での到達点が VAIO type M だった、という流れは分からなくもないですし、今さら単品デッキ風の PC を作るより液晶一体型、という考えも分からなくはないです。ただ、type M は大衆製品すぎて面白味に欠けるというか、デスクトップ Mebius がもつイメージのマニアックさとは根本的に種類が違うものなんですよね。「AV 機器風デザインのデスクトップ PC」というのはもう既に使い古されたアプローチではあるのですが、AV 機器の皮をかぶった Linux PC でしかないデジタルレコーダの進化でノウハウが蓄積されてきた今だからこそ、こういうアプローチもありなのではないでしょうか。基本的にはデジタル家電のユーザビリティを提供してくれるけど、ビデオ編集など「ここぞ」というときにはちゃんと Windows 機として使える、みたいな PC が。
そういえば、秋モデルが一通り出そろった頃にシャープが「ライバルはソニー」みたいなことを言っていましたが、
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/coverstory/news/20040910org00m300068000c.html
この製品を皮切りにいよいよ本腰を入れてきた、と言えるのではないでしょうか。シャープは現代のデジタル機器に必須ともいえる基幹デバイス・液晶パネルを握っていてただでさえ競争力があるところに、最終製品の完成度でも力をつけてきたとしたら、今の瞑想気味のソニーは一泡吹かされるどころではないでしょう。そういえば、ここ 1〜2 年の間に密かに家にあるシャープ製品の比率がじわりじわりと上がっているような気もしています。
最近、家電メーカーで勢いを感じるメーカーといえば、やはりシャープと松下ですよね。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040916/maker03.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040930/maker07.htm
東芝もデジタルビデオレコーダを軸に競争力を高めてきていますが、液晶ディスプレイで圧倒的な力を持つシャープとプラズマ・DVR・デジカメでシェアを広げ勢いに乗る松下は、最近目の離せない存在になりつつあります。今回のデスクトップ Mebius といい、SD カードや DVD を媒介してあらゆる自社製品を繋げることに成功した松下といい、本来そういうやり方はソニーが得意としていたはずのやり方だったのではないでしょうか。それが、今のソニーはというと、メモリースティックで SD 陣営に圧倒的な差をつけられ、HDD オーディオプレイヤーでも iPod の後追い、DVR では 3 ブランドの乱立、圧縮音楽フォーマットでの MP3 サポートの検討など、まったく「ちぐはぐ」としか言いようのない状況のまっただ中にいます。EE+GS や有機 EL、SXRD といったキーデバイスの開発が徐々に立ち上がり始めた現在、全く暗いニュースばかりというわけでもないですが、今のソニーに戦略らしい戦略があるのかどうか・・・。とりあえずは他社に先駆けて掲げた「HD World」戦略で来たるべき HD クオリティの世界に先鞭をつけることができるのか。それが、近い将来のソニーの明暗を分ける、といっても過言ではないでしょう。少なくとも「ユビキタス」や「ホームネットワーク」といった最終的には単なるマーケティング用語化してしまった言葉たちよりは、確実に形になる未来でしょうから・・・。


[ NW-HD2 ] 2004/09/29(Wed)
ソニーが HDD ネットワークウォークマンの新型「NW-HD2」を発表。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200409/09-0929/
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040929/sony.htm
新製品といっても NW-HD1 のバリエーションで、付属品を省いた低価格モデルといったところです。カラーがシルバー、ブルー、ピンクというパステルカラーに変更されているあたりが iPod mini を意識してるな、という気がしますね。iPod および iPod mini 対抗という意味では最近 Creative東芝が相次いでパステルカラーの多色展開がある新製品を発表していますが、ソニーもこれに続いた格好になります。顧客からは価格に対する要求が強くて、ソニーではさらに女性からは HDD ネットワークウォークマンよりも某なんとかポケットの方が人気という背景を踏まえるに、低価格かつパステルカラーの HDD ネットワークウォークマンを用意してユーザーの裾野を広げよう、というのが狙いでしょう。
本体カラーは金属筐体がパステルカラーになっただけでなく、液晶のバックライトがブルーになったり液晶の枠がシルバーになったり爽やか系のカラーリングになりました。でも、どちらかというと男性的な NW-HD1 のデザインのまま色だけパステルにしても・・・という気がします。デザイン的には NW-HD1 の方が良かったですが、ブルー液晶はちょっとうらやましいかも。本体色のシルバーは HD2 にもあるので、HD1 を買うときにやっぱりブラックをかっておけばよかったかな・・・と今さらながらに思っています。

ハードウェア本体は NW-HD1 と全く同じ仕様。変わったことといえば、リモコンおよびクレイドルが付属しなくなったこと、クレイドルの代わりに小型の変換アダプタが付属したことでしょうか。コスト高になりそうなところを抑えたというところでしょうが、変換アダプタは旅行携帯に良さそうなので NW-HD1 ユーザー向けにも単体発売してほしいところ。まあ、USB バスパワー充電に対応しないのであまり意味はない(結局 AC アダプタは持って行かなくてはならない)のですが・・・。リモコンは NW-HD1 についていたものは液晶表示可能とはいえお世辞にも使いやすいとは言えない一行リモコンだったので、あえて付属させずに必要な人は別売りの三行リモコン「RM-MC40ELK」を買ってください、の方が良いでしょう。HDD タイプのポータブルオーディオは本体で直接操作する人も少なくないですしね。これで実売 \40,000 というのは iPod 20G の直販価格 \33,390 よりもちょっと高いですが、コンパクトさやスタミナを考えるとそれなりに競争力がありそうです。
ただやはり、次期モデルあたりから MP3 への正式対応が開始されるらしいという状況下で新しく ATRAC3 機を買ってしまうというのは、将来的にちょっと不安がありますね。今のタイミングなら、買うのはやっぱり iPod/iPod mini がいいのかな・・・。


[ S-PAL8952M82 ] 2004/09/27(Mon)
自作機の CPU ファンを取り替えてみました。
先月リニューアルした自作機ですが、以前の Athlon 機に比べてかなり静かになったとはいえ Pentium 4 の Intel 純正クーラーがけっこううるさくて。一人暮らしならばまあある程度はガマンするところなのですが、自作機を置いている部屋が寝室を兼ねているのと今月から同居人が増えたのとで、できる限り静かにしたかったんですね。最近は真夜中に帰宅してからサイトの更新をすることがほとんどなので・・・。

そんなわけで、巷で静かと言われる CPU クーラーを買ってきました。ALPHA の「S-PAL8952M82」です。
http://www.micforg.co.jp/jp/c_s-pal8952.html#spec_pal8952M82

S-PAL8952M82 S-PAL8952M82

実はこのクーラーを選ぶまではかなり悩みました。自作機のケースが EX700R というかなり狭い筐体なので、クーラーを選ぶんですよね。最近の Pentium 4 向けクーラーはファンまで含めて 10cm 近い高さになるものが少なくないため、EX700R だと装着できないことがあるようなんです。そんな中で、静かでなおかつ筐体に収まりそうなクーラーといえば、ALPHA の「PAL8942M82」か COOLER MASTER の「Cyprum」か、この両定番しかないという感じでした。
私は歴代の自作機で ALPHA 製クーラーを使っている ALPHA ファンなので(冷却性能や静粛性が云々、というよりも金属加工の美しさが気に入っている)、今回も ALPHA を選択してみました・・・って PAL8942 を買ってきたつもりが間違って PAL8952 を買ってきてしまっているし(汗)。後発の PAL8952 は PAL8942 よりも厚みが 1cm 程度増しているので EX700R では使えない可能性がある、と自分で調べていたにもかかわらず・・・。

Intel/Nidec Cooler S-PAL8952M82

とりあえず装着してみました。左が Intel 純正のクーラー、右が S-PAL8952M82。Intel 純正の方は Nidec 製のクーラーがついていました。S-PAL8952M82 には定番山洋の薄型 15mm 厚ファン(80mm 角)が付属しています。このファン、回転数 2,000rpm・騒音レベル 21dB という静音ファンで、確かに音は静かです。ファンまで含めた高さでは ALPHA の方が 1cm 近く高くなっていますが、それ以外のサイズでは純正ファンと大差ありません。横幅はむしろ ALPHA の方がコンパクトなくらい。

S-PAL8952M82 S-PAL8952M82

この ALPHA のクーラーですが、マザーボードに直接ネジ留めするタイプのヒートシンクなので写真の通りマザーが若干歪みます(汗)必要以上に締めすぎないように注意しても多少歪むので心配ですが、これくらいなら大丈夫みたい。一応別売りでたわみ防止用バックプレートも発売されているようですが、入手性が良くないため省略してしまいました。
で、高さなんですが、やっぱり少し足りませんでした。ドライブベイに完全にかぶってしまい、5 インチベイが一つ使えなくなってしまいました。1cm 低い PAL8942 ならば問題なく装着できたところですが、後の祭り。まあ、これ以上ドライブを増やして放熱性が悪くなっても良くないですし、ドライブは DVR-A08-J があればとりあえず事足りるので良いんですが・・・。

交換した効果の方はどうかというと、純正のクーラーよりも大幅に静かになりました。今までのクーラーでは起動しているだけで気になったものですが、新しいクーラーにしてからはエアコンの方が耳障りに感じるレベルまで静かになったと思います。電源も外付けでダイニングキッチンに出しているので、かなり静かです。逆にもともとついていたケースファンの音や筐体の振動の方が気になるくらいになってしまい、今度はこれを何とかしたくなってきているんですが、ケースファンも WiNDy 純正でかなり静かな部類のファンですし、これ以上はダイポルギー静かシートでケースの共振を抑えるくらいしか対策がないんでしょうかね。
まあ、静音 PC も突き詰めるとフルファンレスとか行き着くところはありますが、性能や省スペース性を犠牲にしなくてはならなかったりいろいろ難しいので、この辺でやめておきますが・・・何かいいアイディアがあったらアドバイスをお願いしたいですね。


■本日の一品

CPU クーラーのついでにキーボードも買い換えてみました。IBM の「SpaceSaver II Keyboard」です。英語版。
http://www.ibm.com/jp/pc/option/obi/nob06/28l3644/28l3644a.html

SpaceSaver II English SpaceSaver II English

以前使っていたフルサイズのキーボードに嫌気がさし、コンパクトなキーボードにしようとしばらく同じ Space Saver II の日本語版を使っていたんですが、やっぱり英語キーボードの方が慣れているので英語版を買い直しました。本当は違うキーボードも試してみたかったんですが、以前買った HHKB Lite 2 はキー配列がどうしても馴染めずお蔵入りにしてしまったし、他のコンパクトキーボードを探してみても「テンキーレス」「カーソルキーが独立」「[Enter] の右にキーが並んでいない」「[Ctrl] キーが左下」「英語配列」「ブラック」「メンブレンスイッチ(本当はメカニカルスイッチの方が好きなんですが、上記条件により寝室で使えるよう静かなメンブレンスイッチが必須)」という条件を満たす製品ってほとんどないんですよね。で、結局使い慣れている Space Saver II に帰ってきてしまったという。
しかし Space Saver II は仕事/プライベート併せて何枚か使ったことがありますが、今回のは今までで最も新しいロットで、Windows キーなんて XP 仕様のロゴになっていました。キータッチも今までのものとは随分違っていて(もともと Space Saver II シリーズはロットによってキータッチにかなり差がある)、比較的パチパチしたクリック感のあった以前の日本語版と違ってどうにもソフトで根性のないタッチです。これにはちょっとがっかりしてしまいました・・・とりあえずこれ以外にめぼしいキーボードもないので当面はこれを使うつもりですが、もう少し違うキーボードか Space Saver II の少し古めのロットの品がないですかね〜。VAIO からも ワイヤレスキーボードが発売されますが、私にとってはタッチパッドが不要ですし。

本当は RealForce89 の US 配列・ブラックモデルが存在すれば欲しいところなのですが・・・作ってくれませんかね>東プレさん


[ MP3 ] 2004/09/24(Fri)
ITmedia の記事です。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/24/news008.html
ソニーがネットワークウォークマンで MP3 フォーマットに対応する予定がある、というニュースです。
計画されているのは今秋欧米で発売されるフラッシュメモリベースのポータブルプレイヤーでまず MP3 に対応し、順次対応製品を広げていくプランだとか。今までのソニー製品では NW-HD1 や VGF-AP1 などに付属する転送ソフトの機能で自動的に MP3→ATRAC3 変換を行うことで「見かけ上」MP3 をソニー製ポータブルプレイヤーに転送することが可能でしたが、圧縮音源の再エンコードに伴う音質劣化や膨大なエンコード時間など、ユーザーにとってメリットは何一つない(既に MP3 でライブラリを構築している人にはいちいち CD からエンコードし直さなくても良い、という利点はありましたが、そういう人はわざわざソニー製品を買わない、という選択だってありますからね)ものでした。それが、直接 MP3 で転送して MP3 フォーマットのまま再生できるのであれば、これ以上利便性のよいことはありません。そういえば、初代 Music Clip は MP3/ATRAC3 に対応していましたが、MP3 は特別な「著作権保護機能付き」MP3 に変換(再エンコードを挟まずに著作権情報のみ付加する変換方式)する必要がありましたね。今回の MP3 対応の話は、そのあたり、どうなのか・・・。
最初の対応製品はフラッシュメモリベースのものになるという話ですが、メモリ内蔵型のプレイヤーは夏に NW-E シリーズの新製品を発売したばかりですし、出るとしたらメモリースティックウォークマンの新製品になるのでしょうか?メモステウォークマンは NW-MS70D の筐体のままマイナーチェンジで二年半も引っ張ってきましたが、フルモデルチェンジができなかったのはメモステ PRO の(というか SonicStage+メモステ PRO の)MagicGate 機能に対応できなかったからではないかと私は睨んでいます。まあ、もし MP3 対応になって著作権保護が多少緩くなるのであれば、メモステ PRO の MagicGate を使わなくても済むわけで、単純にメモステ PRO の大容量を活かせることになりますね。ま、HDD タイプが主流になってしまった今の市場でフラッシュメモリベースの製品がどれだけ売れるかは微妙ですが・・・。
気になるのは NW-HD1 の今後ですが、HD1 自体が MP3 に対応することはあるんでしょうかね?掲示板等では比較的頻繁に「録り溜めた MP3 をネットワークウォークマンで使いたい」という話題が上っているので、需要はあると思うのですが・・・そもそも MP3 と ATRAC3 では CODEC チップが違うようですから、ハードウェア的に対応していない可能性は高いですね。個人的には 128〜132kbps 程度であれば MP3 より ATARAC3 の方が音が良いと思っているので、仮に対応したとしても乗り換える気はありませんが・・・。MP3 もエンコーダ次第でずいぶん音が変わりますが、ATARAC3 はフォーマット自体をソニーが握っているので、良しにつけ悪しきにつけ音質が「保証されている」というのも大きいです。フォーマットを乗り換えるとしたら Apple Lossless のような可逆圧縮に対応したときかな。

最近では avex が CCCD の採用を弾力化したり、SME がレーベルゲート CD の全廃を検討するなど、音楽のパッケージ販売やネットワーク配信のあり方を見直す動きが相次いでいます。これはもちろん iPod や iTMS(iTunes Music Store)のヒットによるところが大きいのでしょうが、「半年で iPod を追い越す」と豪語したネットワークウォークマンもついに MP3 へ。ここでもやはりオープンスタンダードの波は止まらない、といったところでしょうか。そして、音楽流通のあり方もようやく再び健全な状態に戻りつつある、というところですが、やはり結局はユーザーの使い勝手の良い方へ落ちていきましたね。やっぱり、「音楽」という本来楽しいはずのものが、面倒なプロセスを挟むことによって突然楽しくないものになってしまうのは、悲しいですから。ソニーさん的にはフォーマットの囲い込みに失敗したわけですから悔しいところでしょうが、非常に歓迎すべき流れだと思います。個人的には、やっぱり iTunes でネットワークウォークマンも管理できようになると非常にありがたいのですが・・・(^^;


[ found ] 2004/09/23(Thr)
さて・・・かなり後追いになってしまいましたが、本日は最近のソニー関連のニュースをまとめてみたいと思います。VAIO の新製品発表以来バタバタしてしまいましたが、最近は VAIO 以外でもいろいろ発表がありました。というか、続けざまにいろいろ発表しすぎ(ぉ)記事書く身にもなってください(笑

まずは有機 EL ディスプレイ搭載 CLIE「PEG-VZ90」。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0914/sony.htm
実機のインプレを昨日の特別編で先にやってしまったので前後してしまいましたが、初の有機 EL ディスプレイ搭載 CLIE です。有機 EL というと最近では携帯電話の背面ディスプレイやカーステレオのフロントパネル程度では採用実績がありましたが、3.8 インチという製品化レベルでは最大となるサイズやここまでの多色表示が可能なタイプが商品として発売されるのは初めてです。実際の製品でも、従来の液晶ディスプレイパネルとは比較にならないほどの素晴らしい発色。早くこれが PC やテレビのディスプレイとして実用化されないか、と楽しみになってしまいました。
単体の製品としてはどうかというと、今までの CLIE の中でも最厚クラスですし、価格も CLIE にしてはべらぼうに高い(約 \95,000)なのでさすがに買えませんが、面白い製品ではあると思います。っていうかこれ買うくらいなら少しがんばれば VAIO type U が買えてしまいますしね・・・サイズ、用途、価格帯ともに type U と少しかぶってしまっているので、こういう位置づけで VZ90 を出してきたことに少し疑問を感じてもいます。まあ、異なる部署から似たような製品が次々に発売されるのは、最近のソニーではどうやら当たり前のことになってしまいましたけどね(ぉ

そして「スゴ録」と「PSX」。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040915/sony1.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040915/sony2.htm
アテネという格好のコンテンツをスルーしてしまった今年度のソニーの AV 製品。逆に冬のボーナス商戦を先取りする形でどんどん新製品を発表してきています。デジタルビデオレコーダでは、最大 400GB の容量を誇る「スゴ録」と、「おまかせ・まる録」やむー部に対応して完成度の高まった PSX の新製品が登場。
「スゴ録」の方は 160〜400GB で 4 製品がラインナップされ、製品選択の幅が広がりました。「おまかせ・まる録」機能の強化やムーブに対応するなど従来機種での弱点を補強した上、高画質機能「スゴロジック」を採用して画質面でも他社に引けを取らないレベルまでパワーアップしたようです。っていうか、「スゴロジック」て(ぉ
PSX の方はムーブ対応までは予想が出来ていましたが、「おまかせ・まる録」が載ってくるとは正直考えられなかったですね。上位機種だけの付加価値だと思っていたのですが、VAIO での「おまかせ・まる録」機能への対応といい、現在のソニー製 DVR のポイントは「おまかせ・まる録」という他社に真似が出来そうで出来ない付加価値にある、ということを再確認したのでしょうか。残念なのはハードウェア仕様が変わってしまって既存モデルのバージョンアップが告知されていないことですが・・・。
っていうか、CoCoon って何のこと?(ぉ

AV 関連でもうひとつ。「QUALIA 004」で使われたハイビジョンパネル「SXRD」を搭載した初のリアプロジェクション TV がお目見えです。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040910/sony2.htm
フル HD パネルを備えた 70 インチのリアプロジェクション TV「GRAND WEGA」。当面は米国向けでの販売となる模様ですが、近い将来日本国内向けにも「GRAND WEGA」シリーズの復活がある模様。リアプロというと少し前までは「視野角が狭い」「周辺部が暗い」など液晶やプラズマに比べると表示品質が一段劣るイメージがありましたが、SXRD パネルと現在の技術をもってすれば液晶やプラズマに負けない表示品質と実用的な設置性を両立できることがこの新製品で示された格好になります。これは、かなり楽しみですね・・・。


以上駆け足でお伝えしてきましたが、これら新製品に共通して言えることはいずれも「ソニー製のデバイスを中心的なデバイスとして搭載している」ことでしょうか。有機 EL ディスプレイはソニーが液晶やプラズマパネルを捨ててまで開発リソースを集中したデバイスですし、SXRD も同様にソニーが注力する表示デバイス。スゴ録に搭載されている MPEG CODEC LSI も内製で、今週発売された WEGA 新製品群に搭載されている「WEGA ENGINE HD」に使われている技術「DRC-MFv2」や GUI「XMB(クロスメディアバー)」の基幹となる PlayStation 2 系チップ「EE+GS」、QUALIA 005 に搭載されている「トリルミナス LED」、などなど・・・フラットパネル TV やでの出遅れを取り戻すべく各種デバイスの内製を強化したソニーですが、それが今季の製品で一気に吐き出された格好になっています。これでデバイスはある程度出揃ってきたので、今度はそれぞれの部門の足並みや戦略をいかにして揃えるか、というところがポイントとなってきそうですが、相変わらずちぐはぐなメモリースティック戦略などを見る限り、先は長そうです。

さて、次はどう出るか。










あ、

結婚しました。


[ type B & type E ] 2004/09/22(Wed)
昨日の続きを・・・。

→VAIO Column 特別編「『New VAIO Days』レポート」

仕事のしすぎで肘が腱鞘炎気味・・・そろそろ限界です・・・。
ソニー関連のニュースが溜まってますが、明日まとめてできれば。


[ type T & type M ] 2004/09/21(Tue)
お台場での VAIO 新製品イベントレポート、とりあえずキモの部分だけアップしました。

→VAIO Column 特別編「『New VAIO Days』レポート」

まだ全部書き上がってはいませんし、メールの返事とかも溜まってますが、とりあえず、寝ます・・・。


[ New VAIO Days ] 2004/09/20(Mon)
昨日、お台場メディアージュでのイベント「New VAIO Days」に行ってまいりました。
http://www.jp.sonystyle.com/Mediage/Calendar/98/
話題の新 VAIO もしっかり触ってきました。今回は連休ということで記事をじっくり編集する時間もあり・・・と思いきや、休日出勤_| ̄|○まだほとんど書けておりません(>_<)
というわけで、今日は速報がわりに写真のみ。また改めてコメントをつけたいと思います。

では・・・。

VAIO type T

VAIO type T VAIO type T

VAIO type T VAIO type T

VAIO type T

VAIO type M

VAIO type M VAIO type M

VAIO type B VAIO type E

CLIE VZ90



[ VAIO NEW MODEL 2004/Autumn-Winter (3) ] 2004/09/16(Thr)
本日は VAIO 2004/秋冬モデルのカタログレビュー、第三弾をいってみましょう。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913_biz.html
とりあえず今日で最後です。時間がなくてあまり長文が書けないので、ちょっとさらっとしてしまいますが、VAIO 新製品に追われている間にその他のソニー製品もいろいろ出てきてしまったので、あまりもたもたしているわけにもいきません(汗。

VAIO type R VGC-RA71P, RA61, RA51   [10/2 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-RA71P/
VAIO type R VGC-RA71PS, RA71S (Sony Style)   [10/2 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/R/
フラッグシップ type R は今回いよいよ HD(ハイビジョン)に対応しました。上位二機種でデジタル放送の録画が可能。とはいえ、デジタルチューナは内蔵せず、外付けのデジタルチューナかデジタルチューナ内蔵テレビと i.LINK 接続して外付け HDD と同様に使える、というだけ。HDD に記録されたタイトルを type R 本体で再生することすらできません。かなり制限の多いデジタル放送対応ですが、制限なしに再生できてしまうと、DVI から暗号化されていない信号を抜かれるおそれがあることを考えると、仕方ないのかも。とりあえず、録画できるようになった、というだけでも進歩と考えるべきなのでしょうか。本格展開はまだまだ先かな。
今回はどちらかというとハイビジョン編集に対応したことの方が大きいでしょう。同社が先日発表したばかりの HDV カメラ「HDR-FX1」と組み合わせて 1080i のフルハイビジョン映像が編集可能になりました。私はまだ HDR-FX1 の映像を見ていないので何とも言えませんが、画質は相当のものらしいと聞いているので、この type R と HDR-FX1 さえあればちょっとしたプロダクション以上のクオリティ(あくまで画質であって、コンテンツのクオリティとは別問題ですが)の作品が作れるかも。
その他、今回のモデルでは、下位モデル RA51 も LGA775 に対応した新マザーに移行したこと、テレビ録画機能を備えた VAIO 全機種(今シーズンモデルより)で「おまかせ・まる録」機能が利用可能になったこと、type R ほか記録型 DVD を搭載する一部機種でついに DVD-RAM にも対応したスーパーマルチドライブを搭載するようになったこと、あたりがトピックでしょうか。
ともあれ、デジタル放送はもう少し業界(ハードウェア/コンテンツ/放送のいずれも)の方向性が見えるまでは待った方が良いのかな。


VAIO type HX VGC-HX72B7, HX62B7, HX52B7, HX52B5   [9/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-HX72/
VAIO type HX VGC-HX82S, HX52S (Sony Style)   [9/25 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/Hx/
もしかすると今季フルモデルチェンジがあるのか?と思っていた type HX は今回はマイナーチェンジに留まりました。とはいえ、マザーボードを変更し型番を PCV 型番から VGC 型番に移行するなど、まだまだシリーズ存続の構えを見せています。上位機種では新マザーに Intel 848P チップセットを搭載して AGP スロットを備え、GeForce FX 5200 のグラフィックボードを積んできました。最近は FFXI や Lineage II をはじめとする 3D MMORPG が市民権を得てきており、掲示板でもノート PC やコンパクトデスクトップの類でこれらのタイトルをプレイしたいという質問が増えているような気がしますが、GeForce FX シリーズを積んでいればどんなゲームでもそれなりに動きそうですね。今までは 3D 性能に期待できないこともあってあまり HX シリーズを人に勧めてこなかったのですが、このスペックならゲームをやりたい人にも勧められそうです。


VAIO type V VGC-V202RB, V202, V172B, V172EB    [9/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-B90PSY/
VAIO type V VGC-V172S (Sony Style)   [9/25 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/B/
15 インチモデルが type M に変身したことを除けば、type V は比較的地味なモデルチェンジになっています。しかし高画質化エンジン「Motion Reality」を省いた廉価版が登場したり、最上位機種に Pentium 4 3.0E GHz を搭載したハイパフォーマンスモデルが登場するなど、バリエーションは広がっているといえます。性能ではまださすがに type R には敵いませんが、少し前ならハイエンドといってしまえるスペック。もはや VAIO デスクトップのフラッグシップは type R だけではない、というくらいに気合いの入ったモデルだと思います。「Motion Reality」が type V にしか搭載されていないことも考えると(そもそも「Motion Reality」はビデオチップが本体ハードウェアに組み込まれている一体型 PC だからこそ搭載できた技術なのですが)、ビデオを「録る」ことと「編集する」ことに長けたのが type R、大画面や高画質化技術でテレビを「観る」部分でのハイエンドを狙ったのが type V、というように、単純にエントリー〜ハイエンドという区分けを行うわけではなく、その用途やスタイルによって最適なシリーズが違う、というふうに VAIO のラインナップ自体が変化してきた、ということなのかもしれないですね。
ちなみに「Motion Reality」は他のシリーズ(Pentium 4 および Pentium M 搭載モデルのみ)のテレビ録画機能に「Motion Reality LE」というソフトウェア版が搭載され、type V 以外のモデルでもある程度高画質化の恩恵に与れるようになりました。


# 今週はちょっと辛いので、詳細なインプレと雑感等は実機を見てからにしたいと思います。しばしお待ちを・・・。


記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0913/sony2.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040913/sony1.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/13/news015.html


[ VAIO NEW MODEL 2004/Autumn-Winter (2) ] 2004/09/15(Wed)
一日空けてしまいましたが、VAIO 2004/秋冬モデルのカタログレビュー、第二弾をいってみましょう。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913_biz.html
とにかく最近は仕事だらけで全然時間がとれないので、ちょっと駆け足になりますが・・・今日はノートの残り 3 シリーズを。


VAIO type E VGN-E91B/B, E81B/B, E71B/S, E51B/S, E51B/D   [10/9 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-E91B/
VAIO type E VGN-E71B/G (Sony Style)   [10/9 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/E/
VAIO ノートの新たなスタンダードになりそうな type E に二世代目の製品が登場です。昨シーズン我々を楽しませてくれた「オレンジ」はソニスタ限定モデルからカタログモデルに格上げされ、今回からはレギュラーラインとして一般販売もされることになりました。残念なことにバリエーションは FDD を内蔵したエントリー機のみで、期待されていたテレビチューナ内蔵モデルはありませんでしたが、親しみの持てるカラーリングや VCL が type E 向けに提供するサポートサービス「初心者ダイヤル」など、既に PC を持っているユーザーが奥様や娘さんのために購入するセカンドマシンとして、あるいは新入学等の贈り物としても最適なマシンであることには違いがありません。入門機としてであれば \194,800 はもう一声安く、という価格ではありますが、篤い電話サポート料込みの価格だとすればその価値は十分に得られる価格でしょう。むやみな低価格化に走らずに付加価値を高めることのできた良い例だと思います。
これに加え、Sony Style 限定モデルとして新色「ライム」が追加されています。柔らかな印象のオレンジに次いで、爽やかなライムカラー。季節的には順番が逆だったような気がしないでもないですが、今回のライムもまた良さそうな色になっています。しかも、このライムにはオレンジになかったテレビチューナが内蔵されているんですよね(逆に FDD 内臓モデルはなし)。どうしてもオレンジじゃないと、ということでなければこのライムを買うのが type E では一番幸せかも。ちなみに今回も同色のマウスが出ています。
今回は上位モデルがブラック、下位モデルがシルバーおよびオレンジ・ライムということですが、やはり求めるユーザー層によってウケるカラーが違うということなんですかね。個人的にはオレンジで最強スペックかつチューナ内蔵、あるいはブラックでも入門仕様、みたいな感じで選べれば良かったと思うんですが。せめてソニスタだけでも・・・。


VAIO type S VGN-S70PB, S51B   [10/2 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-S71B/
VAIO type S VGN-S91PS, S91S (Sony Style)   [10/2 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/S/
フルスペックモバイル「type S」は比較的地味なマイナーチェンジ。CPU が少しだけ強化されたのと、上位機種で HDD 容量が増えた(あと WinXP SP2 がプリインストールになったくらい)以外はほぼ据え置きの内容になっています。ま、初代がなかなか完成度の高いマシンだったので、マイナーチェンジとはいえ魅力的な製品であることに変わりはないのですが・・・どうしても type T の方に目が行ってしまいがちですね。やはり 1.89kg というのはそれなりに重いと思います。まあ、モビリティを取るか性能やユーザビリティを取るかという話になるのですが、デザインまで含めた「楽しそう度」で比較すると少しだけ type T の方が物欲指数は高いかも。type S は VAIO にしてはちょっとビジネスっぽすぎて・・・。


VAIO type B VGN-B90PSY [for biz]    [10/2 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-B90PSY/
VAIO type B VGN-B90PS (Sony Style)   [10/2 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/B/
一年半前に登場した A4 モバイルノートの銘記「Z」シリーズが姿を変えて復活しました。その名も「VAIO type B」・・・ビジネスパーソナルモデル [for biz] シリーズおよび Sony Style モデル限定ではありますが、思いのほか人気の高かったモデルなので、歓迎する方は少なくないのではないでしょうか。
「VAIO ノート Z」からは基本デザインやマシンの性格はそのままに、シンプルさの邪魔になるものは極力排除する形でお色直しが行われました。最高で 2GHz に達する Pentium M 755 を搭載するモデルを選択可能なほか、DVD±RW ドライブも搭載し、VAIO ノート Z と同様 SXGA+(1,400x1,050)の画面解像度が選択できます。逆に切り捨てられた部分もあり、グラフィックは Intel 855GME チップセット内蔵のグラフィック機能(PCG-Z シリーズでは MOBILITY RADEON シリーズでした)になったり、ラッチレスヒンジだったのが通常のラッチ式に変わったり、VAIO ノート Z 比で厚さが約 0.5mm、重さが約 200g 増加してしまったのが残念なところ。しかし、シルバーとブラックのツートンカラーになり、開いたときの精悍さが増したことは個人的には気に入っていたりします。
残念なのはこのモデルが一般発売されるものではなく、Sony Style および法人窓口でしか取り扱いのないビジネスパーソナル向けの製品である、ということでしょうか。最小構成時の価格もかなり安い(\149,800)なので一般発売すれば type K を買うより type E やこの type B が良い、というユーザーは少なくないでしょう。逆に販売台数を絞っているのが不思議なモデルではありますが、何かの布石なのか、VAIO ノート Z の在庫処分なのか(笑)謎は尽きません。でも、モバイルで 14.1 インチ SXGA+ の大画面を重宝する人は少なくないと思うので(実際私も同じ画面仕様である ThinkPad T40p を仕事で使っていますし)、ニーズはあると思うのですが・・・。

# 今日のところはこれが限界。また明日です。

記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0913/sony1.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0913/sony5.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/13/news020.html


[ VAIO NEW MODEL 2004/Autumn-Winter (1) ] 2004/09/13(Mon)
VAIO 待望の秋冬モデルが発表されました。
ニュースリリース
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Info/2004/products_0913_biz.html
「VAIO 第 2 章」の幕開けだった夏モデルではほとんどのラインナップがフルモデルチェンジを遂げたおかげで、今季の第 2 章第 2 幕はどちらかというと不作、地味なモデルチェンジになるかと思いきや、とんでもなかったです。なかなかに気合いの入った新製品を用意してきました。
いつもならば、デスクトップ編・ノート編・周辺機器編という形で 3 回程度に分けてお送りするところですが、個人的に仕事があまりにも忙しすぎてゆっくり見て書いている時間がありません(>_<)今日のところは、とりあえず最も注目の 2 シリーズからお送りしたいと思います。


VAIO type M VGC-M50B/S, M30B/W   [9/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-M50B/
VAIO type M VGC-M70/W (Sony Style)   [9/25 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/M/
今回の VAIO type V は 20 インチおよび 17 インチのみの大画面液晶のモデルのみのラインナップになってしまいました。その代わり、テレビ VAIO の廉価モデルとして人気だった 15 インチ type V が大きくモデルチェンジをして登場。その名も「VAIO type M」です。
「type M」の名を聞いてピンと来た人は鋭いですね。そう、VAIO デスクトップで「M」型番がつくと、音楽重視タイプになるの法則。そのルールに違わず、この「VAIO type M」も音楽関連機能を強化した新型、ということになります。
とはいえ、今まで「VAIO Mxx」の代名詞であった MD(MiniDisc)は内蔵されていません。PCV-MXS シリーズの後継として Hi-MD を内蔵したデスクトップ PC を期待していたユーザーは少なくなかったでしょうが、出てきたのは意外にも液晶一体型デスクトップでした。
Hi-MD が搭載されなかったのは、HDD オーディオが一般に広く浸透しつつあること、従来の MD と違って Hi-MD はウォークマンに USB ケーブルを一本繋げば使えてしまうことなど、我々の音楽を楽しむスタイルの変化が挙げられると思います。実際、私も iPod mini と NW-HD1 を使うようになって MD は聴かなくなってしまいましたからね。これも、自然な流れでしょうか。
音楽再生機能を重視したデスクトップ VAIO が従来の「デスクトップ」の形を捨て、液晶一体型になった背景には、もちろん VAIO W の存在を忘れることはできません。初代 VAIO W が実現した、キーボードを閉じたときに液晶の上半分だけが顕わになり、アプリケーション「Motion Clock」が演出する、PC での新しい音楽の楽しみ方。PCV-W121 で Net MD を内蔵し、強化された VAIO W の音楽再生機能。そして PCV-W500 シリーズで与えられた「テレビポジション」「オーディオポジション」という概念。これらの機種によって VAIO に与えられた概念は、従来の「機器」に寄った音楽機能重視のあり方とは異なる、「スタイル」すなわち「楽しみ方」に主眼を置いた音楽再生機能のあり方でした。音楽を再生するメディアも多様化していれば、音楽の入手経路も多様化している現代。ならば、MD や MG メモリースティックといった個別のメディアに依存することなく、とにかく HDD に溜め込んで PC 本体で楽しんでしまえ、というのが type M のコンセプトでしょうか。

というわけで、新しく定義された音楽再生機能重視 VAIO「type M」。キーボードギミックや、奥行き約 20cm というコンパクトな筐体は、VAIO W・VAIO V・VAIO P など今までの液晶一体型 VAIO の集大成でしょうか。音楽再生機能重視とはいえ、スピーカはデザイン上のアクセントも兼ねた 3W+3W のそこそこのものでしかありません。本体に仕込まれた「ダイナミクスウーファー」で低音の迫力は増すようですが、低音が出れば音が良いというわけでもないので(笑)type M 自体の「音」はまあ値段なりのものでしょう。本当に「いい音」で聴きたければ VAIO Media なり AirTunes なりのソリューションがあるから本格的なオーディオ機器でやってね、PC はあくまでオーディオ機器にコンテンツをサービスするストレージにすぎない、というのが今の PC 業界のモードなんだと思います。
なので、どちらかというとこの type M は「本格的に音楽を楽しむ」というよりは「ミニマムな空間で手軽にいろんな音楽や映像を楽しめる、あくまでパーソナルなツール」と理解するのが正しいのでしょう。デザインも、まあリビングに合わなくもないですが、個人の部屋のデスクの上にちょこんと置いてある方がしっくりくるような気がします。夏の type V をはじめとする「Do VAIO」を前面に出したシリーズはいかにも「リビング PC」を意識していましたが、今回の type M なんかは逆に「パーソナル PC」(←パーソナルが重複しててややこしい)と言っていいのかもしれません。より「PC」本来のあり方に近づいたというか。
音楽再生機能に使われるアプリケーション「SoundFLOW」も、考え方自体は以前の「Motion Clock」の延長線上にあるもの。VAIO の上で扱うメディアは全て「Do VAIO」を使って「Do VAIO」しよう、というのが「VAIO 第 2 章」のスタート地点でしたが、この「SoundFLOW」は「Do VAIO」の枠組みには属さない独立アプリケーション。まあ「Do VAIO」するためにはキーボードを開いて大画面で操作しなければならないから、という理由はありそうですが、いったん統合されたアプリケーションが逆に切り出されていく、という流れは、「Do VAIO」という考え方そのものを見直し、「VAIO」が「PC」であることを認めた上でアプリケーションのあり方、ハードウェアのあり方、コンピュータのあり方を作り手側が再認識しようとしている流れなのかもしれません。それだけ「Do VAIO」は一気に「そっち側」に行きすぎてしまったムーブメントでしたから。開発陣も「ユビキタス“バリュー”ネットワーク」や「VAIO Media」の二の舞は避けたいでしょうし。

もはやこのクラスのマシンでスペックを云々するのはナンセンスだと思うので多くは語りませんが、液晶一体型というと今比較対象に挙げられるのはやはり iMac G5 ではないでしょうか。最小構成なら 17 インチ液晶モデルで \160,000 を切る価格というのは、type M の 15 インチモデルとほぼ同等。Mac と VAIO では目指しているものが違うとはいえ、エントリーモデル VGC-M30B/W では TV チューナさえついていないのが弱いところです。ノート PC 並みにコンパクトな液晶一体型で \160,000 というのは少し前なら価格競争力が大いにありましたが、iMac G5 の登場でそれも少し薄れてしまいましたね。もっとも、売れ筋は TV チューナモデルということになるのでしょうが、どうせ「PC らしさ」の再認識がこの第 2 章第 2 幕で行われるのならば、もう少し「PC らしい楽しみ方」を突き詰めた方が新しい方向性が見えたのかもしれません。


VAIO type T VGN-T70B/L, T50B/L, T50B/T   [9/25 発売]
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGN-T70B/
VAIO type T VGN-T90PS, T90S (Sony Style)   [9/25 発売]
http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/T/
デザインが変更され、薄くなった「type TR」の後継。いよいよ本命モバイルノートの登場といえそうです。
ここ最近の VAIO ノートの流れを受け、2 スピンドルという方向性は捨ててはいないものの、最薄部で TR 比約 10mm ほども薄い筐体に仕上げたのは立派。10.6 インチワイド液晶や記録型 DVD ドライブ、1.8 インチ HDD などのハードウェア的なスペックでは TR シリーズと大差なく見えますが、デザインイメージや薄さは大幅に変わりました。どちらかというと type S の文法で B5 サイズノートを作ったらこうなる、というお手本のような製品ですね。
ハードウェア性能自体は特筆すべき事柄もなく、重量もほぼ TR シリーズと同等。それだけ見ると非常におとなしいモデルのように見えますが、薄く直線的なデザインになったことや、シック系のカラーリングに変更された点など、男性モバイラーに特に受け容れられそうなデザインになっています。表面は皮革を意識したシボ加工がなされ、さながら革製の手帳を持ち歩くような感覚で type T を持ち歩ける、といいます。確かに、今までの PC でカラーバリエーションにこだわった製品はたくさんありましたが、ここまで素材感にこだわったものは初めてではないでしょうか。type S あたりはブラックでしたがなんかのっぺりしていてつまらないデザインでしたからね。そして、カラーリングは革っぽい質感に馴染みそうな「ミッドナイトブルー」「バーガンディーブラウン」のシブ〜い 2 色。これもまた通常の PC ではなかなかなさそうなカラーで良いんですが、何といってもバーガンディー「ブラウン」ですよバーガンディー「ブラウン」!!!(ぉ どこかの掲示板では「中学校のジャージみたいな色」とか言われてましたが_| ̄|○実物を見たら感動するような質感であってくれると信じています(笑

そういえば以前の Column で指摘していたボタン類は AV 操作ボタンでした。DVD の起動ボタン、再生/一時停止、停止、戻し、送りの順に並んでいます。電源ボタンはヒンジの端、電源 LED の脇にあるようなので誤操作の心配もないでしょう。
この AV ボタンなのですが、やはり type TR のときと同じくモバイル AV プレイヤーとしての活用を睨んだ設計のようです。DVD ボタンを押すとソフトウェア DVD プレイヤーが起動するのですが、単に WinDVD が起動するというわけではなく、全画面表示への切り替えやサウンドモードの切り替えも同時に行ってくれる、VAIO W の「テレビポジション」(キーボードをたたむと Giga Pocket が全画面表示で起動し、サウンドモードや液晶の輝度調整が自動で行われる)に近い機能が実装されています。しかし電源オフ状態でこのボタンを押すと Windows を経由せずに専用モードで DVD プレイヤーとして使える、という他メーカー製マルチメディア PC などで常用されるパターンではなく、必ず一度 Windows を経て各アプリケーションにアクセスする、というのが type T の考え方のようです。
実はこの考え方、type T だけのものではなくて、おそらくは現在の VAIO 全てに共通して与えられている考え方なのでしょう。上記 type M では「あくまで PC」にこだわり、「PC らしい」使われ方を意識してあえて「Do VAIO」からアプリケーションを切り出すということを行いました。type T の DVD 再生機能もあえてハードウェアや Linux ROM で何とかしようとせずに Windows 上でやることにこだわった。ここでそれぞれのマシンがこだわっているのはやはり PC の「汎用性の高さ」であり「パーソナル性の高さ」ではないかと思います。汎用性の高い PC であればあとから CODEC を追加することで新しいフォーマットのメディアにも対応させやすいですし、DVD を観終わったらそのままの状態で録り溜めているビデオの消費に入る、といった個人的な操作の欲求にも柔軟に対応しやすい。メディアやデータを何でも扱える PC だからこそ、PC らしい OS(これは言ってしまえば Windows である必要は必ずしもないのですが)の上で動かすことに意味がある。登場当初の「Do VAIO」はその統合アプリケーションで PC のハードウェアや OS の存在感を隠蔽しようとしていた節がありましたが、今度は逆に「PC でなくてはできないこと」を VAIO にさせるために「Do VAIO」やその他のアプリケーション群が存在している、という風に位置づけが変わってきているような気がします。
個人的には、今までも何度もこの Column で繰り返している通り、PC の PC らしさを「クリエイティビティ」という観点から活用できるようなアプリケーションを用意してくれれば、PC の可能性もまた再び広がっていくと思うのですが、そういうのは今ではソニーではなく Apple の仕事になってしまったのかな・・・。

話題が大きく脇道に逸れてしまい、発表時のカタログレビューではなく後日の雑感みたいな話になってしまいましたが、ここらで戻しましょう(笑)この type T ですが、X505 や type U ほどのインパクトはないとはいえ、薄さと性能、スタミナ(Pentium M モデルはバッテリ駆動で 8 時間程度もつ)実によくまとまったモバイル機に仕上がっていると思います。実際私も X505 を買っていなかったら手を出しているに違いありません、バーガンディー「ブラウン」に(ぉ type S もバランスの良いモバイル機でしたが、本体重量で 2kg 弱というのはさすがに重いですから、1.4kg を切る type T なら・・・という人も少なくないでしょう。欲を言えば出っ張らないタイプのバッテリを用意してトータル 1.2kg 弱くらいにできると良かったんですが、このへんは後日オプションが追加されることに期待するしかありませんね。


ところで、今回の type M と type T、ソニーさんもやたらと気合いが入っているのか、こんなキャンペーンもやっています。
+MUSIC! +MOVIE!
http://vaio.sony.co.jp/Plus_m/
type M か type T を買って期間内にユーザー登録をすればもれなく \10,000 分の音楽ダウンロード権(Mora)や DVD ソフトがもらえてしまうという太っ腹なキャンペーン(\10,000 にはプレゼント対象となる「PaSoRi」の代金も含む)。iTunes が日本に入ってしまう前になんとか Mora を普及させたい、という思いもあるのでしょうが、それにしても太っ腹。購入予定のある方は、利用してみては。

# とりあえず、明日に続きます。寝かせて・・・。


記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0913/sony3.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0913/sony4.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/13/news012.html
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/13/news014.html
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/13/news078.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2004/09/13/651508-000.html
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2004/09/13/651527-000.html
MYCOM PC WEB の記事
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/09/13/002.html
デジタル ARENA の記事
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20040901/109357/


[ DSC-T3/V3 ] 2004/09/12(Sun)
昨日の続きです。まずは、DSC-T3 から。

DSC-T3 DSC-T3

「いちばんスリムな Cyber-shot」の後継、DSC-T3。デザインが一新されてずいぶんのっぺりとした印象になりました。DSC-P100 のそれと同じく、表面がフラットになるようロゴも埋め込みになっていますが、アクセントのないちょっと退屈なイメージになってしまったような気がします。デザイン的にはむしろ、退化かなあ・・・。
まあ、最初からブラックモデルを出してくれること自体は歓迎なのですが(笑

DSC-T3

電動のレンズバリアが設けられたレンズ部。T1・T11 の頃は技術的に難しかったと思われるレンズバリアがこういう形でつけられたことは歓迎ですね。T1 の電源スイッチを兼ねたレンズバリアは便利ではあったのですが、Cyber-shot U のような横スライドと違って T1 の縦スライドのレンズバリアは使い勝手という意味では一歩及ばない部分はあったので、やはりこの機種の場合は電動のレンズバリアが正解だと思います。ただ、それのおかげでよけいにデザインが・・・。

DSC-T3 DSC-T3

液晶ディスプレイはかなり変わりました。ドットピッチが多少細かくなったことくらいはあまり判らないのですが、コントラストや色再現性が向上したというのは一見して判るくらいに進化していますね。これは、確かに T3 の大きなアドバンテージになるかも・・・しかし、どうせなら V3 とか(いずれ出るであろう)F828 の後継にもこれと同じ液晶を載せてきてほしいところ。
画面は液晶の使用が変わっただけでなく、メニューの見せ方も進歩しています。今までの機種も(昨秋モデルあたりから)ややアニメーションの入ったリッチなメニューになっていましたが、今回のモデルからは選択した機能のアイコンが一瞬大きく表示され、それがアニメーションしながら通常サイズに縮小されるという凝った演出がなされています。自分が今何を操作しているのか把握しやすい、優れたインタフェースだと感じました。たかがデジカメのメニューでここまで凝ったことができるとは・・・と少し感動してしまいましたね。

本体の厚みは数字上は若干薄くなっていますが、見た目ではほとんど判りません。おそらく旧モデルでは段差をつけるなどデザイン上で薄く見せる努力をしていたのが、T3 ではあまり作為なくデザインしているので薄く見えないんでしょうね。進化しているのにあまり進化していないように見えるのは、非常に残念なことだと思います。

あと、肝心の光学性能なのですが・・・こればかりは試写させてもらわないことには何とも言えません。メモリースティックを挿入せずにシャッターだけ切ってみた雰囲気では、T1 と大差ないようにも感じられましたが、実機では、さて・・・。


DSC-V3

続いて DSC-V3 です。個人的にかなり期待していた V1 の後継、ミドルレンジのマニュアルデジカメです。
シルバーでサイバーなイメージだった旧機種から一変、黒くカメラ然としたスタイルに生まれ変わりました。
しかし残念なことに材質が F828 のようなシボ加工ではなく、ごく普通の梨地加工(+一部ヘアライン加工)で「カメラらしい」触感は得られませんでした。この表面加工だけでカメラ自体が少し軽く、安っぽく感じられてしまうので、どうしてもこだわってほしかったところなのですが・・・残念ですね。

DSC-V3 DSC-V3

レンズは F2.8-4.0「バリオ ゾナー」。V1 に積まれていた定評の高いレンズをそのまま持ってきました。レンズ周辺の金属パーツはブラックでもシルバーでもないブラックメタルでなかなか質感があります。
レンズの突出速度は中程度。沈胴式ではない F828 や爆速起動の P100 に慣れていると緩慢な動きに感じられてしまいますが、普通の沈胴式ズーム機はこんなもんですかね。ズーム速度も、まあ普通。
内蔵ストロボは通常はリトラクタブルランプのように収納されていて、使用時にせり出してくるタイプ。せり出してくるといっても SONY ロゴの入っている部分がクルッと回ってストロボが顔を出すだけで特にストロボ部が突出するわけではないあたりがちょっと変わってます。

DSC-V3

大きく握りやすくなったグリップ。
最初は F828 のようなものを想像していたのですが、あそこまで大きくはありません。グリップ感が悪いわけではありませんが、若干取って付けたようなデザインなのが微妙。F828 に比べると、イマイチ練られていないような印象を受けました。

DSC-V3 DSC-V3

操作周り。モードダイヤルも F828 と似てはいるのですが大きさも質感も少し違います。この少しの違いで使い勝手がずいぶん変わってしまう気がするのですから不思議なんですが、それでもやっぱりこんな部分からも「あぁ、やっぱり F828 とはかかってるコストが違うな」と感じてしまいました。電源ボタンやナイトショット/ナイトフレーミングボタンの位置と感触も、微妙・・・。
操作系はオーソドックスな Cyber-shot 配置です。ズームレバーは右上にありますが、F828 のようなマニュアルズームまでとは言わないまでももう少し大きなズームレバーの方が使いやすかったですね。また、F828 と同じくマニュアル操作用のジョグダイヤルもついているのですが、この大きさやダイヤルの切り込みも F828 に比べると、ちょっと微妙・・・。

DSC-V3

液晶は W1 とまるで同じ。2.5 インチで大きく見えることはいいのですが、精細さが足りないのでせっかく 700 万画素なのに再生時に高画素が全く活きません。メリットと言えばせいぜいメニューが見やすいこととフレーミングのイメージがつかみやすいことくらいでしょうか?この粗さだとピントが合ってるかどうかさっぱり分からないんですよね・・・。

DSC-V3

グリップ部に収められたメモリースティック/CF/バッテリスロット。CF は Type I のみですが、Microdrive が使えなくても通常 CF のコストパフォーマンスだけを考えても高価なメモステ Duo を使うよりは「高画素にやさしい」と思います。バッテリは「インフォリチウム R」なので F828 ほどのスタミナは期待できないとはいえ、P100 と同じ(3 時間程度もつ)と考えれば必要十分な容量でしょう。バリバリ撮影する人でもスペアを一本持っていれば十分な容量といえます。

V3 はこんなところですかね。事前の期待が大きかった分、実機を見てがっかりしてしまったところが多分にありました。まあ、最初に F828 を使ってしまっているせいもあるのでしょうが、それにしても F828 と比べるとかなり微妙な仕様が多くて・・・。F707 を使っていた頃に V1 を使って「なかなか悪くない」と感じたのに比べ、V3 のガッカリ感は大きかったですね。F828 がそれだけ進化してしまった、ということなのかもしれませんが、V3 ももう少し気合いを見せてくれても良かったような気がします。


おまけ。

DSC-P150

今まで実機を見ていなかった P150 です。P100 から買い換えるまでもないか、と思っていたので一瞥だけして触らなかったのですが(笑)確かに P100 よりは高級感がありますね(高級感だけでいったら V3 よりもあるかも)。でも、正直ここまでスペックは必要ないような・・・P100 用にヘアライン加工したフロントパネルだけ売ってくれませんか(ぉ


[ DSC-L1 ] 2004/09/11(Sat)
メディアージュで新 Cyber-shot に遭遇してきました。

Cyber-shot

カウンターのショーケースの中は新しい Cyber-shot でいっぱい。新製品だらけで見ているだけでもちょっと嬉しくなってしまいます。(^^;
というわけで、今日は DSC-L1 から・・・。

DSC-L1 DSC-L1

三色の DSC-L1。プラチナシルバー、スターダストブルー、ワインレッドの三色です。残念ながら Sony Style 限定カラーの「ポラリスブラック」は置いてありませんでしたが、こちらも実機の雰囲気を早く知りたいところ。どうやら通常のブラックよりも若干ブルーがかったブラックらしいですが、実際はどんな感じなんでしょうね。
実機はカタログサイトに掲載されている写真と比べても光沢感があり、高級っぽさを醸し出していました。今までの Cyber-shot とは違う路線のデザインで、確かに某「L」を真似している・・・と言われても仕方ないかもしれませんが(ぉ)Cyber-shot 自体に新しい風を吹き込んだという意味では、歓迎すべきデザインだと思います。

DSC-L1 DSC-L1 DSC-L1

本体は直線と曲線をうまく組み合わせた品良くスタイリッシュな(笑)ボディラインになっています。レンズや液晶、ボタン等の配置が DSC-U シリーズのそれを彷彿とさせますが、イメージは U シリーズとはがらっと変わりました。パーツの仕上げ一つとってみても質感がありますし、シャッターボタンに上位機種と同じような遊びが設けられたのも従来の U シリーズとは異なる点。小さいけど「ちゃんとカメラ」している、と感じましたね。

DSC-L1

レンズ。小さいけどツァイスレンズです。そして T シリーズのレンズなんかより全然マトモなレンズ(^^;
電源オフ時は電動のレンズバリアが閉まっていて、電源投入時にレンズバリアが開くと同時に賃動詞機レンズが「みゅーっ」と突出してきます。DSC-P100 の起動速度(起動時のレンズの動きで飲み物が入ったグラスが動かせてしまうくらいの勢い(ぉ)に慣れているとちょっともたついて感じますが、少し前の P シリーズと同じくらいの起動速度ではあります。ただ、レンズバリアをずらすと即起動→撮影可能状態、だった DSC-U シリーズに比べると、やはり撮影までのスピード感という意味では少し退化したような。

DSC-L1 DSC-L1

個人的にはこの両端のキラキラした感じがお気に入り。
レンズ側に USB 端子、シャッターボタン側にメモリースティック Duo/バッテリスロットがあります。USB 端子は USB 2.0 Hi-Speed に対応しているので、PC に直結しても高速データ転送が可能(PRO Duo 使用時)なのは嬉しいですね。
バッテリは DSC-T シリーズと共通の「インフォリチウム T」バッテリ。U シリーズのような汎用二次電池が使えなくなってしまったのでいざというときの対応がきかなくなってしまいましたが、付属のバッテリ 1 本で約 120 分は使えるということで、通常あまり困ることもないのかも。

DSC-L1 DSC-L1 DSC-L1

DSC-U40 との比較。最終形の Cyber-shot U との比較ではやはり一回り大きくなってしまいました。厚みはさほど変わっていませんが、高さ・幅ともに増してしまったので「いちばん小さい Cyber-shot」は名乗れなくなりましたが、形状や重さのバランス的には L1 のサイズの方が手に馴染むような気がしました。ちなみに DSC-U20 比では厚さはむしろ薄くなっているはずなので、U10〜U30 クラスからの買い換えであれば大きさの増加はあまり気にならないかもしれません。

DSC-L1 DSC-L1

DSC-L1 はカラーによって本体の素材感も全く異なります。ということで、3 色の質感を比較してみましょう。
まずはプラチナシルバー。表面のヘアライン加工が非常に物欲をそそります。色自体は無難なシルバーですが、このヘアライン加工によってグッと質感が高まっていて、3 色の中で最も「工業製品」としての所有欲を満たしてくれそうな気がします。

DSC-L1 DSC-L1

スターダストブルー。カラーリングは光の当たり具合によってはブラックにも見えるほどの、夜空のような暗いブルーです。表面加工は梨地加工になっていて、3 モデルの中では最も無難な仕上げかもしれません。もう一ひねりあった方が面白かったような。

DSC-L1 DSC-L1

ヨン様が宣伝している(笑)ワインレッド。光沢感があって・・・というよりは、光りすぎ(^^;指紋がつきまくります。色は写真では深いレッドに見えますが、実際はもう少し淡く見えるかな。このあたりも光の当たり具合によって見え方が違います。
個人的にはこのワインレッドの質感に期待していたんですが、ここまで指紋がついてしまうと使いづらいかも。品良くかつゴージャスな女性がフォーマルな場面で使うにはもってこいだと思いますが(笑)私にはちょっと合わないかも・・・。

あとはソニスタオリジナルの「ポラリスブラック」ですね。この質感がどうなっているかも非常に気になるところです。


明日に続きます。


[ PRO 2 ] 2004/09/10(Fri)
ソニーが新しい「メモリースティック PRO」を発表。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200409/09-0910/
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0910/sony.htm
先に米国で発表されていたもので、Cyber-shot の新製品発表もあったことですし、実は昨日 eCatalog の方に Oveaseas モデルが何かの手違いで一瞬だけ掲載されてすぐに消されたりもしていたので(笑)国内発表がある予感はしていました。
新しいメモリースティック PRO はバリエーションが増し、大容量・高速な付加価値モデルと比較的安価な普及モデルという構成になりました。高速版はレッド〜シルバーのグラデーションが美しい新デザインで、「メモリースティック PRO High Speed」および「メモリースティック PRO Duo High Speed」という商品名となる模様。実測で 10MB/sec という従来の約 2 倍のの読み書き速度を実現したメモリースティック PRO の上位製品ということになります。容量も通常サイズが 256MB〜2GB、Duo サイズでも 256MB〜1GB が用意され、これが今後のメモリースティック PRO の主役となっていきそう。
通常モデルは精悍な黒の外装にイメージが一新されました。転送速度等は従来の白いメモリースティック PRO/PRO Duo と同じですが、動作保証温度が新たに -25℃〜85℃ まで広がり(従来は 0℃〜60℃)、業務用途などの過酷な使用条件にも耐えるようになりました(動作保証温度は High Speed 版も同じく -25℃〜85℃)。

この新しいメモリースティック PRO、今年前半に SanDisk が発表した高速版メモリースティック PRO「Extreme」シリーズに仕様が似ていますね。転送速度は若干違いますが、動作保証温度は全く同じ。ま、メモステ PRO のフォーマット自体をソニーと SanDisk が共同開発していますからスペックが似通ってくるのも頷けます。しかし、従来上位モデルであったはずの PRO にバリエーションが生まれてしまうことで、通常版メモリースティックの立場がこれでなくなってしまうような・・・。
容量と速度で大きなギャップが生じてしまったノーマルメモステと PRO の間を埋めるため、昨年メモリースティックには対応機器では高速転送ができるけど従来機種との互換性も確保した紺色のメモステが発売されました。これは確かに過渡期の製品ではあったのですが、これを早くも新しいメモリースティック PRO のラインナップでリプレースするつもりなのではないでしょうか。最大で 128MB という旧メモリースティックの仕様は、遠からず「過去の遺物」となってしまうでしょうし(メモリーセレクト機能なんていうナメた仕様の 128MB+128MB はこの際除外(笑))。
しかし、PRO への移行を促そうとする割には、さっぱり登場しないのが PRO の著作権保護機能に対応した機器とソフトウェア。ここまで出ないからには、もうソフトウェアではほぼ回避不可能なハードウェア仕様のバグが、PRO の著作権保護機能には存在していた、という裏があるのでは?とすら思っています。そしてこのまま著作権保護機能はなかったことに・・・そして市場は SD カードのものとなり、メモリースティックはなかったことに・・・なるのではないか、と危惧しているのですが(ぉ

いや、笑い事ではなくて、この一年半メモリースティックタイプのネットワークウォークマンにメジャーバージョンアップがなかったのは、HDD ウォークマンを開発していたからだけでなく、おそらく著作権保護に対応したメモリースティックに 128MB を超える容量のものがなかった(512MB 内蔵できるのに 128MB 程度のメディアを入れ替えできてもたかが知れている)からでしょうし、今後 CPRM に対応したテレビ放送を小型ムービープレイヤーに入れて持ち運ぶ時代になったときにも、著作権保護に対応していなければ使えない、ということが現実に考えられるんですよね。メモステは当初の仕様を捨てて PRO に移行したタイミングで一度ユーザーに「ゴメンナサイ」をしてしまっているので、そうまでして切り替えさせた PRO に「やっぱり著作権保護ダメでした」なんて言わせることはできません。でも、それが PRO のこの煮え切らない状況を長引かせているのでは、と考えています。そうこうするうちに、VAIO の内蔵メモステスロットでは旧メモステの MagicGate 対応さえ外されてしまったくらいですから。

確かに速くすることや使い勝手を高めることも大事ですが、それよりもちゃんと PRO の当初の公約を守り、いち早い対応を望みたいところですね。逆に無理ならむしろ早く白状してほしいような。まあ、今のところもっとも著作権周りがシビアなオーディオ関係は、メモリーメディアの大容量化を待たずに HDD に主流が移ってしまったので、逆に今さらどうだって良いような気もしますが。でも将来的には動画保存の用途でまた障壁になるでしょうからね。ちゃんとしてほしいものです。


[ Cyber-shot L1/T3/V3/M1 ] 2004/09/09(Thr)
先月末に欧米で先行発表されていた Cyber-shot の新製品が国内登場。未発表の新型も含め、全部で 4 シリーズのニューモデルが発表されました。
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200409/09-0909/
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200409/09-0909B/
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200409/09-0909C/

Cyber-shot L DSC-L1
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-L1/
http://www.jp.sonystyle.com/Product/Dsc_mvc/Dsc-l1/
「いちばん小さい Cyber-shot」DSC-U シリーズを少し高性能にし、光学ズームを備えたニューモデル――アメリカで先行発表になったときのイメージは、そんな感じでした。しかしその実態は、DSC-P シリーズをよりアクセサリっぽく凝縮した「DSC-P/T シリーズのサブセット」とでもいうような製品になっていました。
F2.8-5.1 という T シリーズに比べれば「まともな」レンズはカール ツァイス「バリオテッサー」。35mm フィルム換算で焦点距離 32〜96mm という Cyber-shot U 譲りの広角なレンズです。CCD は 1/2.7 型と心許ないものの、有効 410 万画素もあれば DSC-U シリーズのように細部が潰れてしまうということも起きにくいでしょう。レンズと CCD の性能がもう少し高まれば、という Cyber-shot U に対するニーズをしっかりと反映してきました。その分価格帯も上がってしまいましたが、携帯電話等との差別化を考えてこの極小 Cyber-shot の位置付けを再定義した結果といえるのかもしれません。そしてこのサイズにも関わらず Cyber-shot の専売特許「Real Imaging Processor」まで搭載し、もはやライトなデジカメユーザーであればこの DSC-L1 一台で十分、というレベルにまで到達してしまっている気がします。

デザインは明らかに「IXY DIGITAL L」に対抗意識をもっています。もともと Cyber-shot U 自体、当初のカジュアル路線から徐々にフォーマル路線に方向性を変えてきてはいましたが、素材色×本体色のツートンカラーや金属の質感を前面に押し出した仕上げは IXY DIGITAL L そのもの。デザインで同等だとすれば、あとはズームと撮影性能で IXY DIGITAL L に勝てるという考えでしょうか。IXY DIGITAL L は発表当初の予想を超えるほど反響の大きな製品だったようですが、それはやはり従来よりもデジカメユーザーの女性比率が大きくなってきたことを裏付けているのでしょう。デジカメ市場自体にそろそろ飽和点が見えてきた今、残っているパイは見逃さずに取りに行く、というちょっとあからさまな貪欲さが見えていやらしいデザインでもありますね。(^^;
ボディカラーは「プラチナシルバー」「ワインレッド」「スターダストブルー」の 3 種。これに加えて Sony Style 限定カラー「ポラリスブラック」が用意されていますが、いずれも色だけでなく素材感も変えられており、カラーによって全く違う印象の製品になっていると言えます。個人的には、光沢感のあるワインレッドにちょっと心惹かれますね。

って、Cyber-shot L1 の CM キャラクター、ヨン様ですか・・・ε=(~Д~;)。今まで Cyber-shot の CM ってあまり誰かのイメージがつかないクールな印象がありましたが(DSC-T1 は若干西村雅彦さん(声のみ出演)のイメージがありましたが)、ここまでイメージがついちゃうと、なんだかなあ。

とりあえずソニスタのエントリーだけ済ませてしまった私ですが、実際買うかというと、ちょっと、微妙・・・。というのも、Cyber-shot U が出て一年くらいは「小さなデジカメ」そのものが目的になっていたというか、それで遊ぶこと自体に楽しさを見出していたわけですが、一通り遊んで少し飽きてしまったのと、逆に備忘録とかメモみたいなものだったらそろそろケータイに付いているカメラで十分かな、と思うようになったこともあって、小さいカメラはもういいかな・・・と感じているフシはあります。回転レンズになった U50 も、撮影の幅を広げるよりも電源がレンズカバー連動でなくなったデメリットの方が大きくなってしまって、買って一ヶ月くらいでお蔵入り・・・とどめに DSC-T1 のあの光学系を体験してしまい、小さい/薄いカメラに対する不信感みたいなものが募ってしまった、というのが今の私の状態です。さらに、今年に入って買った 2 台のカメラ(DSC-F828 と DSC-P100)がどちらも私にとって満足できる製品だったので、もう当分これでいいや、と。仮に L1 を買ったところで、P100 ほどの画質が得られないことに対する不満が出るか、逆に満足してしまって P100 が不要になるか、のどちらかでしょう。DSC-U10 のような衝動買い価格ならまだしも、実売 \40,000 というのは少し引けてしまう価格なので、やっぱり L1 は見送りかな・・・?デザインと質感だけでいったら P100 よりも持ってみたいという気持ちになる製品ではありますけど。

ちなみに私は最近 Cyber-shot よりも気になっているデジカメがあります。ななちゃんも買ってた松下の「LUMIX FX7」。大画面でレンズと CCD のバランスも悪くなく、今後コンパクトデジカメに必須の機能となっていくであろう光学手ブレ補正機能がついていて、なおかつ薄く軽い(あくまで同程度の機能・性能をもつ製品と比較した場合)。これで記録メディアが SD でなく、広告戦略がもう少し違っていたら(ぉ)手が出ていそうな製品なのですが・・・。ソニーもいい加減光学手ブレ補正実装しませんかね。気をつければ手ブレの発生なんてかなり抑えることは可能ですが、手ブレ補正機能がついていないよりはついていた方が圧倒的に良いのは間違いがないので。


Cyber-shot T DSC-T3
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T3/
DSC-T1/T11 のリファインモデル。従来機種よりも若干軽く・薄くなりました。バッテリ駆動時間が 5% 程度増加し、電動のレンズバリアも備えるなど、使い勝手向上のための工夫がなされています(使用バッテリは従来通り「インフォリチウム T」。米国発表時に「インフォリチウム R」とお伝えしたのは dpreview.com の記事の誤りだったようです)。また、T1/T11 には三脚取付穴がなく、三脚の使用には別売りのジャケットケースが必要でしたが、T3 では標準で三脚に対応しています・・・ってクレイドルに三脚用穴がついてるってなんかおかしいような(´Д`;)ヾ。
この製品最大のセールスポイントは何といっても液晶ディスプレイ。サイズこそ旧モデルと同じ 2.5 型ですが、より高精細化された 23.0 万画素の「クリアフォト液晶」は従来機種比でコントラストが 44%、色再現性が 40%、太陽光下におけるコントラストが約 2.5 倍に向上するなど大きくパワーアップ。カメラ自体の使用感の向上もさることながら、先日発売されたばかりのジャストシステム「Clip & Go」のようなツールによって、カメラ以外の用途にも活躍の幅を広げてくれそうです。今回は最初から黒モデルが用意されているのも、いいですね(笑。

残念なのは、何度も言いますがスペック上光学系に全く手が入れられていないところ。この暗いレンズはちょっと実用に耐えないと感じているので、光学特性が見直されるか画像記録アルゴリズムが改善されるまで、このレンズ(テッサーの屈曲光学タイプ)を載せた Cyber-shot には絶対に手を出さないし、人にも薦めないと私は強く心に誓っています。ここはやはり、近々お台場あたりで実機を触らせてもらって確認したいところ。でも、T3 を買うくらいだったら P100/P150 か L1 かのいずれかをオススメするでしょうね。


Cyber-shot V DSC-V3
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-V3/
欧米発表時には詳細が不明だった DSC-V3 ですが、蓋を開けてみると有効 720 万画素の 3 色カラーフィルタ CCD(原色フィルタ)を採用し、F2.8-4.0 の光学 4 倍「バリオゾナー」を搭載した DSC-V1 の正統後継機種でした。春の DSC-W1 は V1 の後継かと思われたものの、単に V1 ライクな筐体に P100 と同じメカを詰め込んだだけ、というやや期待外れなモデルだったので、この V3 は久々に登場した Cyber-shot のセカンドライン(F7x7/8x8 の下位モデル)となります。F828 ほど大きくも重くもなく、光学 4 倍・F2.8-4.0 というスペックはかなり使いやすいんじゃないでしょうか。V1 をけっこう気に入っていた私からすると、この V3 もかなり期待していいと思います。
また、この DSC-V3 はソニー製デジタルスチルカメラ(Cyber-shot シリーズ)として F828 に次いでメモリースティック以外の記録メディア・コンパクトフラッシュに対応しました(大昔に MD を記録メディアに使った Cyber-shot がありましたが、覚えている人もほとんどいないでしょうね)。とはいえ、F828 とは違い Microdrive には非対応で、CF Type I のみの対応となっていますが、最近ではノーブランドなら 512MB で最安値 \8,000 程度、リテール品でも(スピードさえ問わなければ)\10,000 程度から手に入る現状を考えると、割高なメモステ(純正で \26,000/512MB 程度、SanDisk 製の安価なものでも \16,000/512MB 程度)よりも CF に対応してくれた方がありがたいですね。なんか、VAIO での対応状況(SD カードへの対応が始まって、逆にメモステスロットからは MagicGate 対応が削られた)を顧みるとメモステが SD の軍門に下るのも時間の問題じゃないかという気すらしますが・・・。

しかしこの製品の登場で再び DSC-W1 の位置付けが問われることになりそうですが、DSC-V1 のスタイルは W1 に受け継がれ、性能は V3 が受け継いだ、という形で分化が行われた、という認識で良いのでしょうか。V3 は性能面では V1 のそれを受け継ぎながら、機能やスタイリングをより F828 のそれに近づけた、ハイアマチュア向けの製品に仕上がっていると言えます。プロっぽい黒のボディや F828 譲りのグリップ、モードダイヤルは撮影することの「楽しみ」よりも「喜び」を与えてくれそう。サイバー系のデザインから銀塩っぽいデザインに路線変更したという意味では、かつて同様の位置付けにあった「DSC-S70」が「DSC-S85」に進化したときと同じような流れになりましたね。

有効 720 万画素という高画素を誇りながら CCD サイズは 1/1.8 型というあたりに少し不安を覚えるところではありますが、1/1.8 インチ 700 万画素機の現状については、最近の本田雅一氏による鋭いコラム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0907/mobile260.htm
を読んでその認識を改めたところ。むしろ残念なのは 2.5 型に大型化された液晶ディスプレイが、DSC-W1 と同じく 12.3 万画素の解像度しか持たないところです。この液晶パネルの性能については本 Column にある DSC-W1 のインプレ記事をご覧いただければ分かると思いますが、高画素・高画質機のプレビューモニタとしてはあまりに力不足。本当にピントが合っているかどうか、PC の画面で確認するまで分からないんですから・・・V3 のような製品であればむしろ DSC-T シリーズと同等のパネルを搭載してしかるべき、と考えている私としては納得がいかない部分でもあります。それともこれ以上の高精細なファインダを必要とする人はデジ一眼を買ってください、ということなんでしょうかね・・・。


Cyber-shot M DSC-M1
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-M1/
http://www.jp.sonystyle.com/Product/Dsc_mvc/Dsc-m1/
今回最も意表を突かれたのがこの製品。Cyber-shot としては初めて動画に主眼を置いた製品です。有効 510 万画素・光学 3 倍ズームというスペックを有しながら、二軸回転式の新しいスタイルで静止画も動画も楽しんでしまおうという新コンセプトのモデル、Cyber-shot M1。
Cyber-shot は初めてメモリースティックに対応した「DSC-F55K」の頃から動画撮影に対応し、デジタルスチルカメラとしてはかなり早い段階から「デジタルであるメリット」の一つとして動画撮影機能をセールスポイントの一つとしてきました。しかし、フラッシュメモリを記録媒体とすることに起因する容量・速度面での制限からなかなか画質が向上せず、昨年春のモデルでようやく 640x480・30fps となる「MPEG ムービー VX」モードでの記録が可能になった(メモリースティック PRO 使用時のみ)程度。連続撮影時間も高価な 512MB のメモリースティック PRO を使ってようやく 6 分程度(最高画質モード時)と、お遊びの域を出るものではなく、「デジカメの動画撮影機能はあくまでおまけ」という認識を、なかなか覆せずにきました。しかし、DSC-M1 では記録フォーマットとして圧縮率の高い MPEG-4 を採用(従来は MPEG-1)し、同じ 640x480・30fps モードで約 22 分、ノーマルメモステ Duo 128MB でも 5 分 50 秒という、ようやく実用レベルといえる画質・記録時間を達成。AVI 形式の DV や MPEG-2 記録な「MICROMV」方式の Handycam には敵いませんが、動画品質では「Hi8 と同程度」の画質は得られるということです。

デジタルスチルカメラが一般的には画質面・機能面で飽和しつつある中、この Cyber-shot M1 は「出るべくして出た」製品と言えるでしょう。DSC-T シリーズと同等の光学系を搭載したことに関しては議論の余地があるでしょうが、「シャッターチャンス」ならぬ「レコードチャンス」を逃さずに動画を撮ることの楽しさをユーザーに実感させていくためには、電源投入後すぐに撮影可能状態にできる屈曲光学系の起動の速さは必要不可欠だったのだと思います。大画面な液晶ディスプレイも併せて、DSC-T シリーズは「動画 Cyber-shot」を企画するにはうってつけのベースモデルだったのではないでしょうか。
しかし、松下の「D-snap」を中心に動画デジカメが盛り上がりを見せていたのは一年前の話。現在はサンヨーの「Xacti」シリーズが市場の中心となっていますが、当初の旗振りであった松下も最近は新モデルを投入していないなど、昨年の今頃に比べれば市場全体の熱も少し冷めているように感じます。製品自体はまだまだ発展の余地があるとはいえ、動画対応製品の「楽しみ方」の創出に各社苦労した跡が見られます(D-snap の音楽再生機能や DIGA との連携、静止画重視モデルなどのバリエーションは、まさにその手探りの跡だったのではないでしょうか)。そうこうするうちに、小型 HDD デバイスの台頭によりポータブルデバイスでは「動画を撮る」ことよりも「動画を見る」ことにメーカーの主眼が移ってきたのが現状です。そういう意味では、この DSC-M1 の投入は「一年遅かった」というのが私の正直な感想です。
メモリースティックを軸とした「モバイルムービー」はいつの間にか勢いを失い、これから年末にかけては HDD タイプのムービープレイヤーが一般化しようとしているのが現状。この状況の中で、あえてメモリースティック Duo を記録媒体としていることのメリットを訴えていくのはちょっと難しいと思います。Cyber-shot M1 で記録したムービーをより大画面の PSP(Duo スロット搭載)で楽しむ、という戦略でシナジーを狙っていくか、あるいは M1 自身の 2.5 インチ液晶を活かして単体でビューワとしても使えるようなソリューションを訴えていく(上述の「Clip & Go」のようなツールも使い方次第だと思うのですが・・・)ようでないと厳しいのではないでしょうか。かといって、M1 は撮影時のスタイルを重視するあまり、ビューワとしてのスタイルを考慮していないので、それも難しいのかも。

いずれにしても、勢いだけで「面白そう」と感じられた昨年の状況と違い、ポータブルデバイスの動画の「質」というものがユーザーにも少しずつ判り始めた現状では、それを作る側も使う側も、その動画をどう使うか、何に使うかということがもっと見えてこないと本格的な市場の創出には繋がらないのかもしれませんね。あるいは 1 インチ HDD を採用してより高画質な動画が記録できるデジカメのような製品の方がウケるのかもしれませんし(より高ビットレートの動画を扱ったときのデバイスの消費電力の問題はつきまといますが)。そういう意味では、このテの製品は少なくともあと 1〜2 世代は試行錯誤されないと、買い時には至らないのかもしれません。


■記事リンク
PC Watch の記事
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0909/sony1.htm
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0909/sony2.htm
AV Watch の記事
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040909/sony.htm
ITmedia の記事
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/09/news082.html
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/09/news084.html
ASCII24 の記事
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2004/09/09/651481-000.html


[ 乞うご期待 ] 2004/09/08(Wed)
こちらの掲示板でも CYBALION の掲示板でも話題になっていましたが、今週の週刊アスキーの次号予告に VAIO ノートの新モデルらしき写真が掲載されていますね。私も昨夜掲示板を見て、思わず台風のさなか近所のコンビニまで走ってしまいました(^^;
載っていたのは、VAIO type S に雰囲気の似たダークカラーのノート PC。ワイド液晶で、多少厚みがあることから考えると 2 スピンドル機のようです。パームレスト手前に見えるヘッドホン端子・マイク端子らしきもののサイズから推測するに、B5 サイズ程度のサブノート PC の模様。つまり、夏モデルで唯一 PCG 型番が残った type TR(PCG-X505 シリーズも残っていますが、アレはやや特殊なモデルですし、米国モデルでは VGN-X505xx の型番がつけられているのでちょっと微妙なところです)の後継機種、と考えるのが自然でしょう。
おそらくは、カメラを省き、シンプルさと「2 スピンドル」という前提を押さえながらも薄さ、軽さにできる限りこだわったモバイルノート、という位置付けで定義されている可能性が高そうです。これといって目新しい特徴は(外見上からは)見えませんが、少なくとも(CPU クロックや HDD 容量という数値上のスペックはさておき)ワイヤレスや記録型 DVD ドライブ、クリアブラック液晶という要素は全て備えた、type S のサブセット的な仕様になるのではないでしょうか。気になるのはグラフィックチップですが、さすがにこれはチップセット内蔵だろうなあ。あとは HDD が 1.8 インチでないことを祈るばかりですが・・・。
一つだけ気になる点を挙げておくとするならば、ヒンジ部に配置された 5 つのボタンでしょうか。これが電源ボタン(おそらく向かって右端が電源)だとすると、電源ボタンの近くに同じ大きさのボタンがいくつも並んでいる、というのが不可解なんですよね。スピーカボリュームや画面輝度調整のボタンを置くなら、電源の近くにしても少し間隔を開けて配置するのが普通でしょうし・・・。何か意味があるとするならば、電源投入後に Windows のデスクトップを表示させずに直接「Do VAIO」モードに入ったり、Windows そのものを起動せずに DVD や CD を操作できるモードがあったり、なんだかそんな機能を備えているんじゃないか、と考えてみましたが、実際はどうなっているのか。
モデル名は TR の後継ということで「type T」になるのか、それ以外でイメージが合いそうなところというと「type D」「type N」くらいかな。でも、単純に TR の後継ということではなくて、もしかしたらこのモデルの発売を機に 505 EXTREME も一緒に消えてしまうような気がしないでもない、というか、なんか消えるような気がします(^^;

今日は NEC富士通が秋冬モデルを発表しましたが、来週の雑誌に詳細が掲載されるということは、VAIO ももう今週中(明日か明後日)には新ラインナップが出揃っているということなのでしょうね。Do VAIO:PC. で新シリーズが登場するとすれば PCV/PCG 型番が残っている type HS と type TR の後継機種、それに年内発売といわれる type X が間に合うかどうかくらいでしょうが、PC 系以外の VAIO の動向も含めて「VAIO 第二章」の第二幕がどのような物語を紡ぐのか、やはり気になります。イベントは来週の三連休でしょうか・・・今のうちから楽しみにしていましょう。


[ MDR-EXQ1 ] 2004/09/07(Tue)
ずっと迷っていたものを買ってしまいました。QUALIA のインナーイヤーレシーバ「MDR-EXQ1」です。
http://www.sony.jp/products/Consumer/QUALIA/jp/information/017_receiver.html
ヘッドホンはこないだ PX 200 を買ったばかりじゃないかと言われそうですが、そんなこと言ったって数量限定。今回を逃すと次は 10/下旬とかなんだもん(開き直り)。
当面銀座ソニービルに遊びに行く余裕もなさそうだったので、結局 Sony Style で購入。8/31 15:00 にオンライン受注再開だったのですが、ソニスタ分は受注再開 10 分少々であっけなく売り切れてしまったようです。売り切れる前に発注できたのは、運が良かったのかもしれません。

というわけで、軽くインプレを。

QUALIA MDR-EXQ1

ソニーのインナーイヤーレシーバといえば、通常はブリスターパックに梱包されているものですが、MDR-EXQ1 は QUALIA なだけあって外箱も違います。清潔感のある白箱に「QUALIA」の文字。有料の公式ガイドブック以外に庶民が買える唯一の QUALIA 製品がこの MDR-EXQ1 かもしれません。QUALIA 005 あたりも位置付けや WEGA との価格差的にはずいぶん一般商品に近づいてきましたが、税込み \840,000 というのはいずれにしても絶対的に高価なことには違いがありませんからね・・・。

QUALIA MDR-EXQ1 QUALIA MDR-EXQ1

外箱から取り出したブラックの内箱もまた、高級感があります。梱包までひとつひとつ丁寧に演出された製品を「持つ喜び」――シリーズの中で最も安価なこのヘッドホンでさえこれだけの所有欲を満たしてくれるのですから、もし正式な QUALIA 製品を所有することができたとしたら、どれくらい感動するのでしょうか(笑)同梱のマニュアルも「取扱説明書」「User's Guide」ではなく「Owner's Guide」。まるで貴金属や時計、高級車のオーナーになったような気分にさせてくれるのもまた、QUALIA の演出でしょうか。

QUALIA MDR-EXQ1 QUALIA MDR-EXQ1

商品には本革製のキャリングケースが付属しているのですが、このケースがまた丁寧に和紙のようなもので包まれて梱包されています。ここまできたらやりすぎなくらい(笑)ケース自体は MD よりも一回り小さいくらいのサイズなので、イヤホンを持ち歩くには少し大きいような気がしますが、プレイヤーを持ち歩くにはちょっと小さいです(せいぜい NW-MS70D や NW-E75 程度でしょう)。私はもったいないので使えません(^^;

QUALIA MDR-EXQ1 QUALIA MDR-EXQ1 QUALIA MDR-EXQ1

真鍮削り出しのハウジング。イヤホンのハウジングにしてはずっしりとした重みがあり、高級感が滲み出ています。個人的にはこの意匠に匹敵するデザインは A8 くらいしかない、と思うのですが、どうでしょうか?他メーカーの高級インナーイヤーといっても、樹脂製でそこまで高級感がないものの方が多いように思います。
ハウジング自体に多少重みがあるので、耳に入れたときにも多少重力を感じてしまいますが、そのへんはカナル型なので簡単には落ちてこないと思います。少なくとも E2c あたりよりは装着感が良い(E2c はスポンジタイプはともかく、シリコンイヤーピースが固めなのでちょっと装着感が悪い)ですね。遮音性は E2c には劣りますが、飛行機や地下鉄を利用しなければ日常的には EXQ1 の方を常用したいと思える程度だと思います(ま、E2c にソニーのシリコンイヤーピースを装着すべく改造する、という選択肢もあるのですが・・・)。

QUALIA MDR-EXQ1 QUALIA MDR-EXQ1

ハウジングと同様に真鍮製のパーツで覆われたケーブル分岐部分。QUALIA のロゴが入っていてこれまた高級感があります。通常、ハウジング部は耳の中なので(しかも私の髪型だと耳が半分ほど髪に隠れているので)、QUALIA のインナーイヤーを使っていることをさりげなく道往く人に自慢するとしたらこの部分しかありません(ぉ
そういえばソニー製どころか国内メーカー製のインナーイヤーを使うこと自体かなり久しぶりなのですが、やっぱり国内メーカーのケーブルは軟らかくて絡みにくく、また首の後ろから回せるので扱いやすいですね。海外メーカーのものはケーブルにこだわりが少ないですし、断線しやすいのが難点でしたから(>_<)

QUALIA MDR-EXQ1

手持ちのソニー製カナルタイプイヤホン。初代密閉型の「MDR-EX70SL」、その後継となる現行機種「MDR-EX71SL」、「MDR-EX51SP」の同等品でソニエリケータイ用イヤホンマイク「DR-EX51S10」の付属イヤホン、と気付けば全製品揃っていました。こうして比べてみると EX5x 系と EX7x 系ではハウジングやケーブルにかかっているコストが明らかに違うことが分かります。そして、EXQ1 のデザインは現行の EX71SL よりもむしろ初代 EX70SL にかなり近いですね。
イヤーピースは他モデルよりも EXQ1 のものの方が少ししっかりしているように感じましたが、もしかしたら EXQ1 以外のが使い込んで軟らかくなってしまっただけかもしれません。

さて、気になる音質ですが・・・とりあえず NW-HD1 に装着して音出し。第一印象「かたーーー!」・・・・・・最初はかなり硬い音でした。メタルハウジングの特性なのか、シンバルやトライアングル、ハイハットといった楽器の金属質な音は耳障りなくらいによく響き、ヴォーカルもサ行の子音が強調されて聴こえてきました。低音は良く言えば量感がある、悪く言えば少し持ち上げすぎな感じで、イコライザが不要なほど。逆に中音域が若干こもって聴こえますね。傾向としては MDR-EX シリーズに似たドンシャリ系のチューニングになっています。
私は A8、E2c、PX 200 など色づけの少ないヘッドホンを好んで使っているため、このままでは常用は辛いと思い、とにかくエージングを試みてみました。まだまだエージングが進んでいない状況ですが、それでも当初よりは耳障りな高音が少し柔らかくなり、中音域も若干抜けるようになってきたような気がします。そういえば夏に買った B&W 704 も最初は高音がキツかったのが徐々に落ち着いてきたので、このヘッドホンも同様に馴染んでいってくれれば割と好きな音になっていってくれるかな?という予感はしています。とにかく、まだまだ慣らしが必要なことは間違いないですね。

\21,000 という価格だけ考えると E3cEtymotic Research の「ER-6i」あたりを買った方が音自体の満足度は高かったのかな・・・という気がしなくもないですが、EXQ1 の「モノ」としての満足感を考えると、これはこれで買って良かったのかな、と思います。いずれにしても、エージングが進んだ後の音次第ですが・・・できれば同価格帯ということで E3c や ER-6i とも比較してみたいところです。


[ Cordless Click! Plus Optical ] 2004/09/06(Mon)
お盆休み明けから少しずつ更新頻度を元に戻そうと努力しているんですが、どうしてもちょっと忙しさが増すとすぐに間隔が空いてしまいますね(>_<)ネタがないわけではないんですが、時間と体力がもたないことの方が多くて・・・WinXP SP2 もとりあえず自作機(8/下旬に WinXP をセットアップし直したところだったので最も環境がクリーンに近い)にインストールしてみたものの、その後まだほとんど起動させてやれていないので不具合があるかどうかも分からない、というのが現状だったりします。今のところ直面している不具合といえば WinXP の UI を変更している「uxtheme.dll」が SP1 用のものでは正常動作しなくなったくらい。これも対応策が報告済みなので、たいした問題ではないですが。
ともあれ、そろそろ VAIO 秋モデルの発表も近づいてきましたし、いい加減更新サイクルも戻していかないと。何かと大変ですが、がんばります。


自作マシンのマウスを新調しました。
デスクトップ機では今まで、昨年末に購入した「PCGA-WMS5/B [DARK META]」を使っていました。昨年から SMU-WR1Wireless Optical Mouse→WMS5/B と使ってきて、特にこれだ!という決め手に欠けるまま消去法で WMS5 を使い続けていましたが、メインマシンも更新したことだしそろそろマウスももう少し手に馴染むものに換えてやろうと思い、ヨドバシのポイントを使って新しいマウスを手に入れてきました。

購入したのは、ロジクールLogitech)が 7 月に発売した新製品、「Cordless Click! Plus Optical Mouse」CLK-C71 です。
http://www.logicool.co.jp/products/c_mouse/clk_c71.html

Logicool CLK-C71

私は身体の割に手が小さいため、どちらかというと小さめでシンプルなマウスの方が好きなので、本当は下位モデルである「CLK-C51」を買おうと思っていました。でも実際に店頭で触ってみると CLK-C51 よりも CLK-C71 の方が掌に馴染む感じがしたので最終的に C71 の方を選択しました。左右非対称な形状のマウスを好まない私にしては珍しい買い物だったと思います。というかなぜロジも MS もハイエンドマウスは右利き専用なんでしょうね。シンメトリーなマウスの方が好きなのに・・・。
しかもなんか買ったそばから「MX-1000」なる新しいマウスが発表されてしまって、
http://www.logicool.co.jp/products/c_mouse/mx_1000.html
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/02/news073.html
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0902/hot335.htm
しかもこれがまたレーザー光線を使った技術的におんもしろそうなことと、有機的なフォルムを持つマウスにしては珍しく私の好みにハマる形状をしているのでいきなり買い換えの衝動に駆られまくっているのですが(汗)、これだけ大きくかつ多機能(多ボタン)になってしまうと私の手に馴染まない可能性があるのでとりあえず実物を見るまでガマン。だいいち、\10K 弱のマウスはさすがに高いですしね・・・。
ともあれ新マウス。今まで無数のマウスを乗り換えてきた私ですが、OEM 製品以外でロジクールのマウスを購入したのは実は今回が初めてです。

Logicool CLK-C71 Logicool CLK-C71

CLK-C71 は一応マウスとしては高級機に属する製品なので、スクロールホイール以外にアプリケーションスイッチとブラウザの「進む」「戻る」に割り当て可能なボタンを備えた 6 ボタンマウスになります。でも私はブラウザの「進む」「戻る」はタブブラウザのマウスジェスチャーを使ってしまいますし、とりあえず左右クリック+ホイールの 3 ボタンさえあれば十分なんですけどね。今回のマウスも基本の 2 ボタン+ホイール以外は出番が多くなさそう。
マウスは単三電池×2 で動きます。光学センサーが通常の光学マウスとは違って横向きに取り付けられているのが変わっていますね。

Logicool CLK-C71 Logicool CLK-C71

赤外線のレシーバは USB フラッシュメモリと同程度のサイズにまとめられており、デザインも比較的センスの良いものです。ノート PC などではこのレシーバを直接 PC の USB ポートに挿してやりますが、デスクトップ PC では同梱のケーブル延長アダプタを経由して接続するのが一般的でしょう。
しかしこのサイズを見てしまうと、あの MS の Wireless Mouse シリーズに付属するバカでかいレシーバは何だったんだろう、と思いますね・・・。

Logicool CLK-C71

他のワイヤレスマウスとの比較。デザインだけで言ったら MS Wireless Optical Mouse が一番好みかも。実はロジクールの最近のマウスに採用されている、掌の部分と指先の部分で切替になっているカラーリングはあまり好きじゃないんですよね。ただ、私はクリックボタンが少し低めについている形状が最も手に馴染むので、持ったときの感触ではやはり CLK-C71 が最も違和感なく感じました。下位モデルの CLK-C51 は少し掌の部分の高さが低い感じで、持ったときの安定感が少し足りなかったんですよね。

Logicool CLK-C71 Logicool CLK-C71

MS 製以外のマウスとして初めてチルトホイールに対応したホイールボタンと、アプリケーションスイッチ。チルトホイールは MS 製のものと違い、控えめにデザインされています。このマウスの目玉ではなく、あくまでマウスとして正常進化する上で追加された付加機能の一つ、という位置づけなのでしょうか。ちなみにホイールの縦回転は MS のようにヌルヌルしてはおらず、一般的なホイールマウスと同様引っかかりのあるタイプです。
まあ、チルトホイールといっても私は自宅のプライベート用マシンで Excel のスプレッドシートを広げることはまずない(というか、Office は念のため OpenOffice.org をインストールしてある程度で、自宅用 PC でオフィス文書を開くことはまずない)のであまりチルトホイールを使うこともないんですよね。アプリケーションスイッチも、[Alt]+[Tab] のショートカットキーを使う癖がついてしまっていますし。なんか、このマウスの売りを全く活かせていないような(笑
とはいっても、このマウス、チルトホイールや多ボタン・多機能という側面を差し置いても、マウスとしての素性が良いので単純にホイールマウスと考えても使いやすいものだと思います。大きすぎず、小さすぎず(本当はあと 0.5 周りくらい小さくても良いけど)、(乾電池駆動のワイヤレスマウスとしては)軽すぎず、重すぎず、扱いやすい形状。センサーの感度もまずまずで、確かに PCGA-WMS5 と比較しても細かい操作がやりやすくなったように思います。MS Wireless Optical Mouse のように静かなところでノイズが聴こえてくることもないですし、とりあえず今後の常用マウスに認定しました。ま、MX-1000 の実物を見てまた変わるかもしれませんけどね(ぉ

しかしやっぱり私にとってベストなのは左右対称な形状のマウス。何度も言いますが、自分の中ではマウスは「PCGA-UMS3」のカタチが今のところベストなんですよね。このカタチでデスクトップ PC 向けにもう一回り大きくして、ワイヤレス+チルトホイール+もっとクリック感にこだわったタイプのマウスが出てくれれば絶対買うのですが・・・。

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[ 管理者:Brown Sugar 著作:じゃわ ]