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2008/09/14 (Sun.)

SDC2008 開発者セミナー

author : IceSeed

今回はみんぽす枠にて参加。
ぶっちゃけ一日中開発者セミナーで、会場はざっと流す程度しか見てません><
午前2本、午後3本、昼休憩が30分とか冗談じゃ・・・
セミナーも本数絞ってもう少し時間的余裕が欲しいですね。
スケジュールに関しては極力改善をお願いしたいところです。
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参加セミナーは順番にブラビアZX1、VAIO、α900、Life-Xに出席。
とりあえず順番に・・・


<1>BRAVIA ZX1
超薄型の液晶TVとして登場したZX1。
超薄型デザインを実現するための裏話がいろいろとw

コンセプトとしては2006年頃、薄く、本当の意味で壁掛け可能で、スタイリッシュな物、だったそうです。
この時点では技術な制約から実現不可能だったようですが、2007年に入ると各社から薄型を追求したモデルが出始め、風向きが変わったとのことです。
2007年秋には32インチでの社内デモ機などを作っていたとのこと。
このZX1プロジェクトは社外秘どころか、社内のほとんどにも伏せられごく一部の関係者だけが関わっていたそうで、何重にも施錠された部屋で開発が進められていたとのことです。

最薄部9.9mmというスペックながら、広色域、ファンレス、背面デザインや外装に至るまで妥協せずに作り込んだとのことです。
薄型化のアプローチとして、従来の手法でパーツ配置や基本的な構成を決めてから薄くするのでは極限までの薄型化は達成できないとの理由で、最初から薄型化を前提にパーツや外装を選定しているとのこと。
これを実現するために、パーツの厚みや内部空間の圧縮には「1mm縮めるのが1mに感じる」というほどの手間がかかったそうです。

色域に関しては白色LEDバックライトを4辺に配置し、今まで必要だった拡散板を取り払うなど輝度を確保するのにかなりの手間をかけたとか。
白色LEDは数百個を搭載しているとのこと(実数非公開)。
なお、液晶のガラスに関しては今回は特に特注の薄型品という訳ではなく、通常の物を使用しているそうです。

ファンレスに関してはプロジェクタの経験から騒音対策のためにも必須だったそうで、吸気・排気スリットも非常に小さく全然目立ちません。
また、ファンレスにしたぶん、筐体全体をヒートシンクとして使っているそうです。
このため、空冷による強制冷却ができないのでパーツの発熱や熱の分散が非常に大変だったとのこと。

外装は、薄型化・軽量化を達成しつつ、剛性を維持するためにアルミで組んでいるそうです。
また、今回はTV自体を液晶ユニットとしてクリーンルームで組み上げるというかなりとんでもないことをやっています^^
通常、液晶ユニットを埃が入らないクリーンルームで組み上げ、TVへの組み込みは通常の生産ラインで行うと思いますが、生産ライン自体がクリーンルームというぶっ飛んだ仕様。
外装自体が液晶ユニットで、ヒートシンクも兼ねているため、薄い見た目に反して捻っても全然曲がらないレベルの剛性は十分に確保していました。

TVそのものにケーブル類は挿さず、ワイヤレスメディアレシーバー側に接続するのみです。
このため、本体側は電源ケーブル以外のケーブルがないすっきりとした状態になっています。

価格に関してはまだ決定していないとの事ですが、製品にかかる工数とコストを考えるとかなりの価格になるんじゃないかと思います。
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<2>VAIO(解析技術)
こちらはGiga Pocket Digitalの紹介。
今まで積み上げてきた12音解析や顔認識などの説明後、ギガポデジタルでどういった処理をするのかを中心に説明が行われました。
基本的に行うことは、ユーザーの「好み」を分析し自動的に録画する、録画結果をユーザーが判定し学習結果を蓄積する、という2点がポイントといえそうです。
従来のキーワード検索では単にキーワードを検索し、ヒットした物を録画するシステムでしたが、今回はキーワードに関連する項目もとりあえず引っかけて録画しておくそうです。
たとえばSONYでキーワードを設定すればVAIOとかBRABIAとか世界遺産とか・・・が引っかかってくるというイメージだと思います。
今回の実装はサーバ・クライアントのシステムではなく、「好み」の解析に関してはクライアント側に限定された物となっているそうです。
この辺りは個人情報の兼合いもあるので、ネットワーク化してサーバサイドにデータを投げるような形も将来的にはあり得るようですが、現状ではローカルに限定しているそうです。

また、番組だけではなく、CMや番組内で紹介された店舗なども整理分類して管理できるようになっていたり、録画番組も「必見」「おすすめ」「一見」といったランク付けがされ、おすすめ理由も表示されるなど分かりやすく整理されています。
また、蓄積した自分の好みをGUI化して表示したり、編集することも可能になっています。
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<3>α900
去年のα700がα100との比較という形だったので、今回はα700との比較で・・・と思っていたらコニカミノルタのα-9との比較だったのでかなり肩すかしを喰った感が^-^;

位置づけとしては上級者向けモデルになり、開発目標はα-9の光学性能を完全に超えることに設定されたそうです。
光学ファインダーは視野率、フレーミング、開放感、解像性をそれぞれ改善したそうです。
実際、α700と比較してEV 0.2~0.4はファインダーが明るいです。
ピントの山もつかみやすいし、さすがに上位機種だけのことはあります。

またα700でやや不満のあるワイドエリアAFの速度もほぼ問題なし、音はα700よりもかっちりした音で個人的には好感触(音が軽いという意見も^^)、アイピースカバー内蔵式とかほぼ問題ないレベルに達しています。
またセミナー内では実機を触ることも出来ましたが、レンズがバリオゾナー24-70とかプラナーとかソナーばっかりなので、本体の軽さが実感できず超重かったですwww
レンズを取り外すとさすがに本体がフラッグシップ機としてはかなり軽い事は分かりましたが、たぶんα900だとレンズ自体が重量級になりそうなのであまり実感できないかも・・・
さすがにレンズは使いやすかったですがw
DSLRの主戦場はAPS-Cサイズなのでα900の数がさほど出るとは思っていませんが、完成度は高かったです。
触ってしまうとα700が中級機であることを嫌でも実感させられますねぇ・・・
実用面ではワイドエリアAFの速度差が一番大きいかと思います。
α700はワイドエリアAFの精度がいまいち良くないですからね。
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<4>Life-X
これはSNS的なWebサービスではなく、基本的に個人向けWebサービスとして立ち上げ、公開範囲も家族や身近な友人にしぼったサービスとのこと。
Web上の自分の部屋みたいなものと考えれば良さそうです。
すでにある各種の動画や写真共有Webサービスをとりまとめ一元管理し、各種ソニー製デバイスとの連携を図るもの・・・と考えれば良いようです。
こちらはまだまだのこれからサービスなので今後に注目して行ければと。
クローズドβには参加するので、いろいろレビューするのはそれからになります。
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<まとめ>
本会場をちゃんと見るにはさすがに時間が足りませんのでカタログ回収程度しかできませんでした。
全体としてはソニーの各製品間の連携をハード・ソフトの両面からどのように打ち出していくか、という方向だったと思います。
BRAVIAにもアプリキャスト搭載とか、以前の個別部門がバラバラに動いていた時期に比べれば大きく変わってきています。

ウォークマンだけはかなり厳しいですね。
一年前にGoes OPEN戦略を打ち出したものの、その後自社製品間での連携が全くないし、設計の使い回しとカラバリ展開だけで売るのなら別にソニーじゃなくても良いと思います。
PC上でのサービス展開に魅力が無ければ今後は回っていかないでしょう。

19:20