Cyber-shot Laboratory Cyber-shot DSC-F55K
Cyber-shot DSC-F55K
DSC-F1/F2/F3 は、35 万画素デジカメの名機でしたが、各社が次々に投入してくる 80〜150 万画素クラスの製品に比べるとあらゆる面で見劣りしてしまうことは確かでした。デジカメの使い方も、ただ「撮って遊ぶ」から、「プリントアウトする」「レタッチして作品に仕上げる」といった用途に次第に移行していきました。そんな中で、(途中、Cyber-shot PRO という準プロ向けモデルはあったものの)DSC-F3 から約 1 年半の沈黙を破ってソニーが投入した後継機種、「DSC-F55K」を入手したのでレポートします。
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前作とほぼ変わらぬ大きさ(F55K の方が少しだけ大きい)にまとめられた 211 万画素の高画質と、さらに磨きのかかった機能・操作性が光っています。回転式レンズのデザインも、旧機種のものを踏襲しています。
画質の方は、さすがダブルメガピクセルクラスだけあり、銀塩カメラにも引けを取らないものです。このカメラ自体、単体でも十分に使える(PC でのレタッチを必要としない)ような用途を想定しているらしく、いじらなくても十分にメリハリの利いた画像が得られます。ただし、静止画を撮る際には、シャッタースピードの幅が狭いらしく、夜景などを撮るとややノイズっぽくなるのが唯一の弱点といったところでしょうか。
DSC-F55K に使われているレンズは、ドイツの一流レンズメーカー、カールツァイス社の「ディスタゴン」です。レンズの性能の良さは折り紙付きです。静止画はもとより、F55K の売りの一つである MPEG1 ムービーにも必要十分な画質をもたらしてくれます。
できれば光学ズーム機能も搭載して欲しかったのですが、さすがにこのサイズと構造では無理でしょうね。
バッテリーは、同社の「ハンディカム」にも採用されている「インフォリチウムバッテリー」。バッテリーの残量を残り時間で表示してくれます。しかし、サイズ的に S バッテリーしか使用できないので、せいぜい 1 本あたり 1 時間くらいが限度です。やはり、一次電池への対応が望まれるところです。
電源を入れると、イカす起動音が鳴るほか、シャッターを切るときにも「カシャッ」という疑似音が出るため、シャッターを押すタイミングがつかみやすいというメリットがあります。
また、操作系統はソニー得意のジョグダイヤルこそ廃止されたものの、十字キーにより直感的な操作が可能になっています。
F55K の記憶メディア「メモリースティック」は、本体端に格納されています。また、本体には標準で 4MB のメモリースティックが同梱されていますが、やはりここは大容量のものを買った方がよいでしょう。
これが「メモリースティック」(写真は 16MB のもの)です。
大きさとしては、板ガムよりも一回り小さいくらいだと思って下さい。
スマートメディアよりは大きいですが、コンパクトフラッシュよりは小さいです。デザインとしては、他の小型記憶メディアより優れていると思うのですがどうでしょう。
PC への接続には、PC カードスロットのついているマシンには PC カードアダプタ(MSAC-PC1)を利用します(現在では、後継機種である「MSAC-PC2」に世代交代しています)。この PC カード、デスクトップ PC 用の SCSI 接続 PC カードリーダなどに挿すとハングアップしてしまうらしいという話を聞いたので(PC カードスロット標準装備のデスクトップ VAIO は大丈夫だそうです)、デスクトップ PC にはソニー純正のパラレル接続のリーダか、アイ・オー・データから発売されている USB メモリースティックリーダを購入した方がいいと思います。
MSAC-PC1 を PC カードスロットに差し込むと、「新しいハードウェアの追加ウィザード」が起動します。
メモリースティックはコンパクトフラッシュなどと同様ハードディスクの一種として認識されます。「すべてのドライバの一覧を作成」を選択し、「標準 IDE/ESDI ハードディスクコントローラ」のドライバをインストールします。
インストールが終了したら、一旦再起動することによってメモリースティックが認識されます。また、メモリースティックは容量ごとにドライバをインストールしなければならないので注意が必要です。
D: ドライブにメモリースティックが認識されています。(505EX には PC カードスロットは 1 基しかついていないため、当然純正 CD-ROM ドライブとは排他利用となります。)
Z505 や L シリーズのようなメモリースティックスロット標準装備の機種では当然最初からドライバが入っており、ドライブアイコンもちゃんとメモリースティックアイコンで表示されるらしいです。
メモリースティックの中には、ごみ箱を除いて 2 つのフォルダがあります。「Dcim」フォルダに静止画、「Mssony」フォルダには MPEG ファイルが納められています。

やはり、200 万画素クラスのデジカメともなると素晴らしい画質が期待できます。MPEG ムービーもかなり「遊べる」機能です。35 万画素機に搭載されていた赤外線通信機能はなくなりましたが、200 万画素クラスの画像ではファイルサイズが大きく、高速なフラッシュメモリのデータ転送に頼らざるを得ないため、仕方がないところです。
メモリースティックは新興のメモリデバイスであるため、将来性という点では(コンパクトフラッシュやスマートメディアに比べ)未知数ですが、著作権保護機能(OpenMG)への対応やメモリースティックウォークマンの発売など、徐々に盛り上がってきました。がんばって普及させて欲しいですね。
Cyber-shot の方も、オリンパスやニコンのモデルに押され気味でしたが、Cyber-shot PRO D700 のマイナーチェンジ版「D770」や、一般ユーザー向けズーム機「F505K」の発売などによりバリエーションが広がってきました。今後も引き続き期待が持てそうです。

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