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2007/05/18 (Fri.)

type TZレビュー(完全版)

author : IceSeed

VAIO type T Symbol of the Decade -SonyStyle-


17日朝、銀座でみてきたTZのレビューを。
TZに関してはソニー自体が公式に認めちゃってますが、これはT系の後継じゃなくて完全に505系の機種です。
X505では機能を削って極限の薄さを追求したわけですが、今回は機能と実用性を損なわずに仕上げてきたのが大きな違いですね。
また、X505ではフットプリントや液晶ベゼルなども初代505と同じサイズに仕上げられていましたが、今回は505のデザインを受け継ぎつつも現状に即したデザインに改められています。
特に液晶がワイドになったことでフットプリントは初代505とは異なるものになりましたが、今更4:3のサイズもあり得ないですし、液晶ベゼルも狭くなったことで非常にすっきりとしたものになっています。
一応X505とサイズ比較もしてみましたが、縦に短く、横に長くなっています。

※ AVボタンに関して誤りがありましたので若干訂正しました。
紛らわしいのですが、光学ドライブが無いと「AVモード」が使えません。
ただし、OS起動後はランチャからWindows Media Center等を起動させることが可能です。

まず全体的な構成ですが、非常にI/Fの配置が考えられていますね。
パームレストからあまり手を動かさずに各ボタンやスロットにアクセスできるようになっています。
パームレストもあまり熱くなりませんし。
キーボードは全然たわみません。
貧弱そうな見た目とは裏腹に剛性は意外と高く、ラバードームも硬めなおかげで打鍵感も良いと思います。
少なくともSZのようなペタペタなキーではありませんでした。
残念なのは仮名なし日本語キーボードが用意されないこと。
これはSZで出来てるだけに頑張って欲しかったところ。


ワンセグはなんと液晶パネルの横にアンテナが。
しかも先端にまでVAIOロゴ入りというこだわりぶり。
ワンセグに関してはtype UXやtype TXでも搭載されていましたが、本体のノイズを受けるためかあまり感度が良くない感じでしたが、今回はディスプレイの横ということで、感度も良くなるのではないかと思います。
しかも、これだけ薄い液晶ユニット側にワンセグとMotion eye、無線LANのアンテナが入っているというのですからちょっと驚きです。
Bluetoothは収まりきらなかったため、本体側に内蔵されたとのことですが。


ドライブは1.8インチHDD(60~100GB)、2.5インチHDD(160GB)、32GBフラッシュ、DVD±R DLドライブの4種類の組み合わせ、6通りを選択可能となっていて選択肢が大幅に増えました。
価格を抑えたい人、パフォーマンスを追求したい人、光学ドライブが欲しい人、パフォーマンスと容量が欲しい人それぞれに合った選択が出来るようになりました。
光学ドライブ不要な1スピンドル派の人にとってもかなり面白い選択が出来ますね。
ようやくオーナーメードらしい選択が可能になった感じが。
2.5インチHDDと光学ドライブは排他利用になっていますが、このサイズのノートに2.5インチHDDが乗るのは久々ですね。
ちなみに2.5インチHDDを搭載した場合、光学ドライブのベゼルの場所にUSB2.0端子が一つ追加されます。
また、光学ドライブを搭載しない場合、AVモードは使用不可能になります。
個人的には要りませんが、利用したいと考えている人は要注意。


カラバリに関しては今までのカラーを踏襲してきてますね。
ブラックはそのまんまだし、シャンパンゴールドはかなりシルバーに近い感じが。
ボルドーは上品なダークレッド、プレミアムカーボンはラメ入り半透明ダークブルーですね。
X505/SPの光沢カーボンは10周年モデルといえどもあまりに高く付きすぎるのでしょう。
もう新製品ではお目にかかれないのでしょうか…
いつかやって欲しいですね。


スロットは今回からPCカードスロットが廃止され、EXカードスロットのみに。
現状であまり使えるEXカードはありませんが…
PCカードのPHSを利用されている方は端末に関してちょっと考えないといけませんね。
EXカードスロットはちゃんとシャッターになっています
左側にはメモステスロットとSDカードスロットが。
メモステスロットがダミーカードなので紛失注意。
右側のAVボタンはあまり目立たなくなり本体のデザインを崩さないようになっていますが、光学ドライブが無いとタダの飾りですAVモードが起動できません(OS起動後は使用可能)。
AVモードでのMP3の再生にも対応したようです。
底面のカバーはメモリスロットにアクセスできるとのこと。


ヒンジ周りはX505の意匠を発展させたものですね。
ヒンジに電源ボタンとDCコネクタを持ってきたあのデザインは個人的には今でも秀逸だと思っていますが、今回は更に電源ボタンの発光にまで拘ってきました。
また、微妙に引っ込んでいるデザインになっていますが、これはすっきり見せるデザインに加えて起動中の誤動作防止も兼ねているのでしょう。
電源ボタンの場所が悪いと考えている人もいるかと思いますが、同じ意匠のX505でも使用中にそんなところは普通触らないし、液晶が閉じている間は故意にボタンを押しても電源は絶対に入りませんでしたから何の問題もないでしょう。

また、10層基盤超高密度配置で小さな筐体にこれだけの機能を詰め込んでいます。
インタビューにはありませんが、恐らくX505同様のアプローチのブラインドビア・両面2段ビルドアップ両面実装になっているのでしょう。
多分、携帯電話のコンデンサとかが使われてるんじゃないかと。
M/Bだけでも相当にコストがかかってますね。
さすがにX505のMDサイズよりは一回り大きくなっていますが、1スロットとはいえメモリスロットを搭載してきたのも大きいです。
X505では512MB固定でしたからこれは嬉しいところですね。
もっとも、オーナーメードで2GBにする人が多数と思われるので2GBオンボードでも良かったんじゃないかとは思いますが。
ちなみに32bit版Windowsでは今のところメモリの認識が3GBとちょっとしか認識できないので、4GBモジュールが今後登場しても今の状態ではメモリを生かし切れません。

ネットワーク周りはギガビットLANに802.11a/b/g/nか802.11a/b/gのどちらかを選ぶことになります。
a/b/gの場合はIntel PRO/Wireless 3945 ABGが搭載されます。
nは恐らく新型チップの4965AGNでしょう。
…が、このためか802.11nを搭載すると納期が1ヶ月も遅くなり、なんと6月下旬orz
これだけが痛すぎます…

ちなみに先ほど注文は済ませました。
仕様は以下の通り。

これに純正レーザーマウスとクリーニングキットを付け、クーポンとeLIO3%割引でどうにか30万円は割り込みましたが、それでも高い…orz
革のケースはそのうち買おうかと。
最小構成じゃさすがに微妙ですからね。
半年で10万円値崩れしたX505/SPに比べればかわいいもんです。
今回は記念モデルということもありますし、フラッシュ+2.5インチHDDのストレージ最強仕様で注文。
C2Dを搭載するからにはパフォーマンスを1.8インチHDDで殺すのはさすがにもったいなさ過ぎるのですが、かといって32GBじゃ容量少なすぎるのと、光学ドライブの用途がほぼリカバリくらいしか使いそうにないためデッドウェイトは不要と判断。
今まで必要でなかったのに今後必要になるとも思えないし、仕事で使う訳じゃないし。
SZ相当の大容量wwと引き替えにAVモードが使えませんが、光学ディスクを持ち歩く事自体が希なので問題なし。
光学ドライブも最近のモデルは非公式ながら純正ドライブ以外でもリカバリ可能なようなので問題にはならないでしょう。
カラーはX505/SPが手元にある以上全然プレミアム感無いんですがww、プレミアムカーボンで。
ダークブルーが良い感じなのでそれはそれでOK。
ヘッドセットはソニエリのHBH-608がありますから不要。
ウォールマウントは500円ですし買わなきゃ損でしょう。
バッテリはX505やUXでも不満に感じることはほとんど無いので軽量バッテリで。
薄くなりますし、軽量化されるのでこの方が使いやすいです。
本体付属バッテリは、後から別売りで買うより安いので買うなら大容量の方がお得ではありますが。
ワイド保証はカード保証の方が強力なので要りません。
どこで買ってもソニー製品3年保証なのはゴールド最大の旨みですね。
ただ、無線LANは802.11nなので納期が~
この時期に802.11n無しというのはさすがに選択肢としてあり得ないのでここはグッと我慢(T_T)ですが、一日でも早く届けて欲しいところです。

ところで、私がB5サイズのノートを買うのはX505/SP以来となります。
この4年間、Tシリーズが続いてきたわけですが結局買うには至りませんでした。
Tシリーズは非常に良くまとまったいい機種だと思いますが、私の中では絶対に欲しいという感じにはならなかったんですよね。
モバイルで人に勧めるならこのモデルでしたし、平均点で行けば確かに薄型モバイルに特化したX505よりずっと使いやすい機種であることはいうまでもなかったのですが、自分で使ってみたいという気にならなかったんですよね。
4年待ってようやく欲しい機種が出てきてくれました。

最後に、今回はVAIO10周年という事で歴代のモデルの幾つかが展示されています。
こうしてみるとなかなか壮観ですね。
TZもこの10年の技術の蓄積の上に開発されたんだなと改めて思いました。

本田雅一の「週刊モバイル通信」VAIO type Tファーストインプレッション
ITmedia +D PC USER:継承される505のスピリット:10年の歴史がはぐくんだ極上の「持つ喜び」――「VAIO“New”type T」

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