[ 鼓動 ] 2003/03/11(Tue)
ニュー VAIO のティザー広告、本日の更新分は初日(3/5)とほぼ同アングルながら、ちょっと引き気味の画になっています。
http://www.vaio.sony.co.jp/Concept/
キーワードは「何もあきらめない − ということ」。この時点ですでにジョグダイヤルの続投とメモステ PRO への完全対応を諦めていることについてはどう弁明するつもりなのでしょうか(ぉ
結局 Centrino の発表ギリギリまでに登場したのは「PCG-57AL」(FCC の「PCG-571L」の資料がいつの間にか「57AL」のものに差し替えられていました。おそらく、底面に貼ってあった「IRX-○○○」というシールが公表されるのはまずかったのでしょう)と、もう一つ SRX の後継とも U の後継ともとれるような微妙なモバイル機。現時点で発売できるのはこの 2 機種のみなんでしょうかね?ま、いきなり Centrino のラインナップを 4 つも 5 つも開発するのはリソース的に無理でしょうから、妥当なところかな。IBM は ThinkPad T40 と X31 という取り合わせで出してくるようですが、どこのメーカーも当初の Centrino ラインナップはおそらく「A4 Thin & Light」+「B5 or B5 ファイルサイズ」という感じになるでしょうね。今年末に次世代 Pentium M「Dothan」(コードネーム)が発売されるまでは、少なくとも現状の B5 サイズ以下のモバイル機では発熱等の問題から現状の Pentium III より大幅に定義の変わったマシンは作りづらいであろうことを考えると、まず Centrino の登場で今までにないタイプの製品が出揃って賑わいそうなのは、この「A4 Thin & Light」ラインであろうと思われます。

で、で、
この「PCG-57AL」なのですが、アメリカにてフライングで情報が出てしまっています。
ニュースリリース(英文)
http://news.sel.sony.com/pressrelease/3450
スペックシート(英文、PDF)
http://news.sel.sony.com/filestorage/download/kirstie_2003/Z1A%20Specs.pdf?version_id=142070
・・・気の早いことで。フライングっていいんだろうか?と思ったら、日付だけはちゃんと「March, 12」になってるのね(^^;
型番は「PCG-Z1A」。日本では型番の末尾くらいは変更される可能性がありますが、「Z1 シリーズ」と呼べばよいようです。
この米国版のスペックは、Centrino モバイル・プラットフォームを採用し、Pentium M 1.30GHz、i855PM チップセット、IEEE802.11b 無線 LAN、14.1 インチ SXGA+(1,400x1,050)液晶、MOBILITY RADEON、256MB(最大 768MB)DDR SDRAM、60GB HDD、CD-RW/DVD-ROM コンボドライブ、USB 2.0、という感じ。サイズ的には典型的な 14.1 インチノートのフットプリントですが、厚みが約 23(最薄部)〜38mm(最厚部)しかないというのは GRV が 39.8〜44.4mm あることを考えると驚異です。そして、重量は V505(1.99kg)に迫る約 2.13kg。それでいて、パフォーマンスは遙かに高クロックな Pentium 4 に引けをとらず、バッテリ性能は高い、ときているわけですから、カバンに入れるサイズと電車等で使うときのサイズさえ考慮しなければ Z1A を買わずに V505 を買う理由が思いつかないと言っても過言ではないかもしれません。デザインも V505 よりこちらの方が私は好みだし・・・。
で、デザインですが、やっぱりどこか PowerBook G4 を意識してはいるんでしょうね。薄型、高精細・大画面、というコンセプトも近いものがありますし・・・。まあ、でもプライドを捨ててノート版 e-one を出してしまった NEC東芝に比べれば、まだ「知っている人が意識してみればそんなふうに見える」レベルではあると思います。
キーボード周りは見た感じ今は亡き VX シリーズとほぼ同じようです。というか、むしろ 12.1 インチクラスの筐体に 14.1 インチ液晶を合わせ、周囲が足りないシャシー部にデザイン風の盛り土をして誤魔化したように思えなくもない(笑)。中身は案外余裕があるかもしれませんから、これは SRX→VX とは逆の流れで、Z1A とほぼ同じようなスペック&同じようなデザインで 10.4 インチ版(もちろん 1 スピンドル)が出る・・・ということも考えられますね。こう考えると、ますます VX って Centrino で A4 Thin & Light を本格的に作るための試金石だったんだなあ・・・と思えてきます。

おそらく別のモデルのものだと思われる 2 つのキーワードを外すと、ここまで出揃っている Z1A のキーワードは「こだわる − ということ」「真似をしない − ということ」「あたらしい − ということ」「スタイルがある − ということ」そして「何もあきらめない − ということ」。なんというか、かなりもったいをつけて登場した割には、ひじょーーーにオーソドックスな「A4 Thin & Light」マシンに仕上がっているようで、肩透かしを喰らってしまいました。このオーソドックスさが、たまたまソニーが今回 PCG-Z1A に求めた方向性なのか、Intel の Centrino プラットフォーム戦略によって平均化された結果であるのかは分かりませんが、やっぱり「らしくない」と思います。ま、モバイル向けの「A4 Thin & Light」というのはそもそもビジネス用途がかなりの割合を占めるジャンルですし、A4 オールインワンでは Giga Pocket が入ったり LightWave 3D が入ったり DVD±RW が入ったり極めつけには Net MD ドライブやサブウーファまで入ったモデルがあるくらいですから、そういうのに比べるとどうしてもおとなしくなってしまうのは仕方のないところですかね。
あるいは、日本市場向けには「Centrino 搭載であること」以外に何か特別な提案をしてきてくれるのでしょうか。それとも、そういうのはもう一つの「謎のノート」が役割を果たすことになるのでしょうか・・・?

Centrino の発表は明日 3/12。米国での発表に合わせて日本国内では 13 日の製品発表になるのか、あるいは日本を起点にスタートするという Centrino 発表リレーに合わせて 12 日中に搭載製品が発表されてしまうのか、いまいちハッキリしませんが、「新しい時代」へのカウントダウンは、既に始まっています。