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2006/04/11 (Tue.)

オールドマシン強化

author : IceSeed

私がVAIOを使う以前使っていて、今は親用となっているNCEのPC-98NX VE40H/85D
すでに7年前の機種という時点でかなりスペック的にも見劣りするマシンなのですが、未だに現役。
以前からメモリ増設、LANボードやUSB2.0ボードの追加など最低限の拡張は行ってきたのですが、最近はWindows Up Dateさえやたらと時間がかかる程に遅く、このまま使うのさえ厳しい感じでした。
日常のメンテナンスは全て私が行うので、あまりにも遅いのは非常にストレスが溜まります。

私の家ではBフレッツマンション(VDSL 51Mbps)で、大体30~40Mbpsは出せるのですが、このマシンではせいぜい20Mbpsが上限。
CPUとHDDがボトルネックなのが明らかな上、HDDに至っては購入時からまったく変更しておらず、耐用年数を考えてもそろそろ危なそうな感じが…

というわけで改造してみたわけですが、元々がロースペックですし、電源も専用サイズのMAX80Wと貧弱なのであまり無理をせずあまりお金をかけず実用レベルまでスペックを引き上げてみました。

CPUはCeleron1.4GHzが手に入れば良かったのですが、残念ながら流通在庫がほとんど捌けてしまっている状態のようで1.3GHzを選択。
もっとも電源が貧弱なのでこれで良かったのかもしれません。
問題になるのが下駄。
Socket370でTualatin対応となるとメジャーなのはPowerleepのPL-370/Tと廉価版のPL-NEO/T。
PL-NEO/TではVcoreの設定が出来ないため今回は高価ですがPL-370/Tを選択。

クーラーはCPUソケットの上にFDドライブがあるためPL-370/T付属の物では干渉して取り付けることが出来ません。
FDDなどまず使うことはないのですが、残す方向で。
そこで、家に転がっていたAthlonXP3000+オーバー対応の銅製薄型クーラーを使用し、取り付け金具はPL-370/Tの物を流用、ファンの取り付け金具を使用するとFDDと干渉してしまうのでファンは針金で直付け。
ファンはAthlonXP3200+のリテールクーラー付属の物が余っていたのでこれを使用し、風向きは吹き付け方向にします。
AthlonXP用のクーラーだけあって冷却能力は抜群で、静粛性も全く問題なし。
Vcoreは最低の1.3vにしましたが、ベンチで負荷をかけても問題無さそうなのでこれで常用することに。

BIOS側では当然対応していないので、Pentium Pro 700MHzと表示されますが特に問題なし。
ただし、2次キャッシュがそのままでは有効にならないという制約があるため、PowerleepのCache Utillityというソフトを入れてOS上で有効にする必要があります。
これをやらないと元のMendocinoコアよりも遅くなってしまいます。
しかし、休止状態から復帰するとこのソフトの効果が切れてしまい、再度ログオンし直さなければならなくなるため、休止状態はCPU換装後に無効化しました。
私がメインで使うなら休止状態有効でもいいのですが、親用なのでなるべく簡略化して面倒なことは避けます。
とは言え、基本スペックが上がって起動時間も大幅に短くなったので、そんなに問題はありません。
また、CPU換装の弊害として、バックアップソフトのTrueImage7.0をCDブートさせてシステムドライブをリカバリさせようとするとブート中にハングします。
こればかりはちょっとどうしようもないのですが、HDDを取り出して他のマシンでリカバリをかけることは出来るのでそれで対応。
分解する手間はかかりますが、頻繁にやる作業でもないのでOK。

次に問題になるのがマザーボードですが、これには440ZXが搭載されているのになんとFSB66MHz固定orz
このままではCeleron1.3GHzが866.6MHz動作になってしまいます。
元々が400MHzなのでそれでも単純に2倍以上は速くなるのですが、気分的にはいまいちです。
ですが、色々WEBで調べてみるとどうやらM/B上で抵抗によって強制的に制限がかけられている模様。
CPUの近く、本体前部のUSBのあたりにある「R30」という抵抗がFSBを固定しているようで、これをニッパーで破壊(ぉ
これで制限が解除されFSB100MHzのCPUでも定格動作が可能になりました。
実際にはCPUは1292MHzと微妙に定格にとどいていませんが十分です。
また、AGP・PCIのクロックはこの影響を受けることはなく定格で動作します。

メモリはチップセットが440BX世代のため、メモリチップが128Mbitの物までしか正常認識できません。
440ZXはIntelの仕様では最大256MBとなっていますが、実際には512MBも可能です。
メモリは256MB×2で両面実装の物を選択すれば問題なく動くはずです。
さすがに新品での入手は厳しい上、あったとしても高価なので中古で入手。

HDDはATAボードを挿すことも考えましたが、起動が遅くなったり、色々制約もあって面倒なことから使わずM/B側に接続。
UATA/33動作になりますが、元々が信じられないくらい遅いw ので特に問題はありません。

ディスプレイには私が以前使っていたRDT156Sをお下がりで回し、純正CRTは処分。
キーボードは以前純正が故障したのでこれも私のお下がりを。
マウスは純正が使いづらい上、未だにボールマウスだったので交換。
光学ドライブは余っているCD-RW/DVDコンボドライブがあるので換装可能だったのですが、このマシンで何か焼いたりすることもないのでそのままです。

GPUはPCIの物なら増設可能ですが、RAGE XLでもXGA 16bit表示ならなんとか大丈夫。
画像の処理が追いついていないことがありますが、大きな問題ではありません。
とにかく電源が貧弱なので無理せずそのまま。

そんなわけで完成したのですが、元々のスペックとの比較は…

CPU:Celeron 400MHz(Mendocino) → Celeron 1.3GHz(Tualatin-256K)
チップセット:Intel 440ZX-66
FSB:66MHz → 100MHz
GPU:ATI RAGE XL 4MB
サウンド:YAMAHA YMF740
HDD:FUJITSU 8.4GB(UATA/33) → HGST 40GB(UATA/33)
光学ドライブ:CD-ROMドライブ(×32)
FDD:3モード対応(薄型)
RAM:64MB → 128MB → 256MB → 512MB
PCI:モデム → USB2.0、100BASE-TX LAN
OS:Windows98SE → WindowsMe → Windows2000SP4

もうほとんど別のマシンですね。
完全な純正パーツで残っているのはケース、電源、スピーカー、CD-ROMドライブ、FDD程度でしょうか。

一応ベンチもとりました。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium III 1292.01MHz[GenuineIntel family 6 model B step 4]
Cache L1_D:[16K] L1_I:[16K] L2:[256K]
VideoCard RAGE XL AGP 2X
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 523,760 KByte
OS Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 4
Date 2006/04/11 20:33

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
HDS728040PLAT20

Intel(r) 82371AB/EB PCI Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
MATSHITA CD-ROM CR-589

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
15553 60034 59161 10338 11410 18207 14

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
6711 7343 2695 44 16125 11565 11260 5832 C:\100MB

HDDは数字の上では大したことはありませんが、7200rpmの物を使っているので数字ほど遅くはありません。

CPUはPentiumIIIで認識されてますが…整数・浮動小数点ともに60000程度。
以前の数値が大体15000程度だったので、通常の4倍(ぉ
見違えるほど速くなり、これで日常用途に十分耐えうるレベルになりました。
まだまだ現役で使えそうです。

20:44